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- 青木功、松山英樹に続く快挙! 欧州で勝利の久常涼が悔し涙を流した1年前に語った言葉
日本の久常涼(ひさつね・りょう)がDPワールドツアーの大会、「カズーオープン・ド・フランス」を制し、青木功(あおき・いさお)、松山英樹(まつやま・ひでき)に続く快挙を成し遂げた。日本で開催されるPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」の昨年大会でチャンスをつかみ損ね、涙を流した久常は、1年でどう成長したのだろうか。
「勝ちたいという僕の気持ちが、そうさせてくれた」

ZOZOチャンピオンシップで泣き崩れた翌月、久常はDPワールドツアーのQスクール(予選会)に挑み、見事7位で通過。今年から彼の主戦場は日本から欧州へ移った。
そうやって悔しさをエネルギーとパワーに変えて飛躍する久常の歩み方は、カズーオープン最終日の彼の戦い方にも、そのまま反映されていた。
前半はボギーを叩いた後にバーディーを奪い返し、イーブンに戻すことが精一杯のゴルフだった。現場で取材していた欧州メディアは「フロントナインのリョウは、優勝しようとしている選手には見えなかった」と記していたほどだった。
しかし、そんな久常のゴルフは後半で一転し、一気に花開いた。10番は8メートルをしっかり沈め、12番、13番はピンそばをとらえて次々にバーディー奪取。さらに15番、17番でもバーディーを奪った彼の猛追には、欧州メディアもゴルフファンも、さぞかし驚かされたことだろう。
「フロントナインは、あまりいいプレーができなかった。でも、バックナインは、とてもいいゴルフができた。勝ちたいという僕の気持ちが、そうさせてくれたんだと思う」
振り返れば、彼はこれまでも猛スピードで走ってきた。
岡山県の津山東中学3年だった2017年に日本ジュニア(12歳~14歳の部)で7打差の圧勝を飾り、作陽高校(現・作陽学園高校)1年だった18年に全国高校選手権を制覇。
20年にプロ転向し、21年にABEMAツアー年間3勝を挙げて、日本ツアー(JGTO)出場権を獲得すると、出場7試合すべてで予選通過を果たし、あっさりシード権を手に入れた。
彼の胸の中には常に「チャンスをつかみたい」という強い気持ちがあり、「もっと上へ行きたい」「勝ちたい」という野望があった。
そのための準備にも情報収集にも黙々と取り組んできた。
プロになって世界の舞台に挑む日のために、彼はジュニア時代からサウジアラビア、タイ、シンガポール、韓国、スペイン等々で海外経験を積んできた。
日本ツアー時代から外国人を相棒キャディーに据えて、「英語の勉強も助かっています。心強いです」。プレー中もしきりにキャディーと英語で会話し、同組に外国人選手やキャディーがいれば、できるだけ言葉を交わす。その積極性は、彼の海外志向の強さから生み出されていた。
フランスで挙げた勝利は、そうした気持ちと努力、すべてが実を結び、もたらされたもの。いや、久常自身が自分の手でつかみ取ったものだった。
マイクを向けられた久常が口にした英語はまだまだ流暢ではなかったものの、欧州1年目とは思えないほどのスピード上達ぶりには、これまた驚かされた。
この優勝で久常はDPワールドツアーのポイントランキングであるレース・トゥ・ドバイで11位にジャンプアップした。トップ10入りすれば、来年のPGAツアー出場権が手に入る。
「野望はあるか?」聞くまでもないだろう。いつだって久常は「チャンスはつかみたい」と思い、虎視眈々と好機を狙っているはずである。
1年前の悔し涙をスピーディーにうれし涙に変えた久常が、次は何をやってくれるのか。
「久しぶりに本気で期待できる日本の大型ヤングプレーヤーだと感じている」。1年前も、今回も、記事の最後はこのフレーズで締め括りたい。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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