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- 史上初の2億円突破や11試合連続トップ5など… イ・ボミが打ち立てた数々の記録を振り返る
通算21勝、賞金女王2回の実績を誇るイ・ボミ(韓国)が今週の「NOBUTA GROUPマスターズGCレディース」で日本ラストゲームを迎える。女子ツアーを盛り上げてきた功労者はどんな記録をつくってきたのか、改めて振り返ってみたい。
記憶にも記録にも残る大スター
通算21勝、賞金女王2回の実績を誇るイ・ボミ(韓国)が今週の「NOBUTA GROUPマスターズGCレディース」で日本ラストゲームを迎える。人気と実力を兼ね備え、女子ツアーを盛り上げてきた功労者はどんな記録をつくってきたのか。改めて振り返ってみたい。
◇女子ツアー史上初の年間2億円突破
最初の賞金女王になった2015年に衝撃的な記録を樹立した。

すでに日本で8勝を挙げてトップクラスの地位を築いていたが、この年は開幕から安定感抜群のプレーを続ける。春先は4試合連続2位などなかなか勝ち切れなかったが5月の「ほけんの窓口レディース」でシーズン初勝利を挙げるとグンと加速して勝利を積み重ねていく。
10月の「スタンレーレディス」でシーズン5勝目を挙げた時点で横峯さくらが保持していた1億7501万6384円の年間獲得賞金記録を抜き去り、11月の「伊藤園レディス」で6勝目を飾ってついに女子で初めての2億円プレーヤーに輝いた。
最終的には7勝を挙げ、獲得賞金は男子をも上回る国内最高額(当時)の2億3049万7057円に達した。
◇初めての日韓両ツアー賞金女王
イ・ボミは来日前年の2010年に韓国女子ツアーの賞金女王に輝いており、日本と韓国の両ツアーで頂点に立ったことになる。イ・ボミの前に日本で賞金女王になった韓国選手はアン・ソンジュと全美貞がいるが2人とも韓国では賞金女王の経験がなく、日韓両ツアーで賞金女王となったのはイ・ボミが初めてだった。
◇11試合連続トップ5
2年連続で賞金女王となった2016年にも新たな記録をつくった。シーズン2戦目の「ヨコハマタイヤPRGRレディス」の優勝を皮切りに6月の「アース・モンダミンカップ」まで何と11試合連続でトップ5に入ったのだ。
女子プロゴルファーが誕生して間もないころは樋口久子が28試合連続トップ5というとてつもない記録をつくっているが、ツアー制度が施行された1988年以降ではこの11試合連続トップ5は歴代1位の記録となった。この期間中35ラウンドプレーしてオーバーパーだったのはたったの2ラウンド。恐るべき安定感だった。
◇パーセーブ率歴代最高記録保持
イ・ボミの強みはボギーを叩く確率が極めて低いことにあった。記録的なシーズンとなった2015年は1ラウンドあたりの平均バーディ数が3.7321で部門2位だったが、部門1位89.5268%という高いパーセーブ率(パーかそれよりよいスコアを獲得する率)が史上初の2億円突破の原動力になった。

翌2016年はパーセーブに一層の磨きがかかる。平均バーディ数は3.6067で部門3位に後退したがパーセーブ率は新記録の91.0112%にまで上昇し、平均ストロークも当時の記録を塗り替える70.0922をマークした。
この年の平均ストロークは現在、歴代4位に下がっており、今年も複数名が上回るペース。だが、パーセーブ率の91.0112%は今なお歴代最高記録として輝き続けており、今年も塗り替える選手が出る可能性は低い。いかにイ・ボミのボギーを叩かない能力が高かったかが分かるデータだ。
◇トップ10率2年連続70%超え
パーセーブ率が高いということは、大きく崩れる確率が低いということである。つまりは、上位でフィニッシュする確率が高くなるということ。10位以内に入る確率を示すトップ10率でもイ・ボミは極上の数字を残している。
2015年は出場32試合でトップ10が23回、トップ10率は71.8750%だった。2016年は出場28試合中トップ10が21試合でトップ10率は前年を上回る75.0000%である。
日本女子プロゴルフ協会にデータが残る1990年以降の記録になるが、20試合以上プレーした選手で2年続けてトップ10率が70%を超えたことがある選手はイ・ボミ以外では不動裕理しかいない。不動は6年連続で賞金女王に君臨した2000年から2005年まですべて70%を超えていたから別格中の別格だ。
70%という数字がどれだけハードルが高いかというと、昨年、圧倒的な強さで年間女王の座に就いた山下美夢有でも63.6364%に過ぎず、2020-21年シーズンに9勝を挙げた稲見萌寧は55.5556%。近年の女王と比較するとイ・ボミの素晴らしい安定感が分かってもらえるのではないだろうか。
目立った日本人スター選手がいなかった時期に活躍し、外国選手としては異例といえるほどの人気の高さを誇ったイ・ボミは間違いなくツアーの歴史に刻まれる存在である。日本ラストゲームを彼女らしいプレーで締めくくってほしいものだ。
イ・ボミ
1988年8月21日生まれ、韓国出身。2010年に韓国女子ツアー賞金女王となり、11年から日本ツアーに参戦。15年に7勝、16年は5勝して2年連続で賞金女王となる。ツアー通算21勝。19年12月に俳優イ・ワン氏と結婚。23年シーズンをもって日本ツアーからの引退を発表した。愛称は“スマイル・キャンディ”。延田グループ所属。
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