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リブゴルフ全14戦が終了 メジャーへの道は限りなく狭まり下位選手は失業!? “理想郷”の未来はどこに?

2023.10.31 舩越園子(ゴルフジャーナリスト)
リブゴルフ(LIV Golf) 砂場Talk(バンカートーク) 米国男子ツアー

今年のリブゴルフは個人戦とチーム戦が同時進行されるレギュラー大会13試合、チーム戦のみの最終戦1試合の合計14試合が開催された。フィル・ミケルソンは参戦したいという選手の問い合わせがひっきりなしと喧伝するが、甘くはない現実も明るみになってきている。

リブゴルフの年間王者は世界ランキング200位以下

 リブゴルフの未来は果たして明るいのか、暗いのか。

 切望していた世界ランキングのポイント付与の申請は、10月10日(米国時間)にOWGR(オフィシャルワールドゴルフランキング)から正式に却下された。今後、リブゴルフがいくつかの条件を満たすべくシステムやフォーマットを変更しない限り、リブゴルフ選手の世界ランキングは低下の一途を辿ることになった。

最終戦で優勝し、歓喜のシャンパンファイトをするブライソン・デシャンボー率いる「クラッシャーズGC」 写真:GettyImages
最終戦で優勝し、歓喜のシャンパンファイトをするブライソン・デシャンボー率いる「クラッシャーズGC」 写真:GettyImages

 それでもリブゴルフ選手たちは「メジャーに出ることさえできれば」と望みを抱き、メジャー4大会の主催者たちに出場資格の見直しを求めていた。

 だが、10月26日、マスターズを主催するオーガスタナショナルのフレッド・リドリー会長と全英オープンを主催するR&Aのマーチン・スランバーズ会長は、いずれも「2024年大会の出場資格の変更は行わない」と公言。25年大会以降に変更する可能性は否定しなかったが、肯定もしなかった。

 いずれにしても、リブゴルフ選手が来年のメジャー大会に出場する道は限りなく狭められた。

 現状では、24年のメジャー4大会すべてに出場できるのは、過去のメジャー優勝などのビッグタイトルを持つブルックス・ケプカ、ダスティン・ジョンソン、キャメロン・スミス、ブライソン・デシャンボー、フィル・ミケルソンの5名のみ。メジャー大会1試合への出場が見込めるのは13名のみ。

 テーラー・グーチにいたっては、今季のリブゴルフの年間王者に輝いたにも関わらず、世界ランキングは200位以下まで後退しているため、来季以降のメジャー大会出場の可能性はゼロとなっている。

 もはやリブゴルフ選手の活躍の場は、リブゴルフという舞台以外には皆無となりつつある。「世界に挑む」という意味では八方塞がりとも言えるリブゴルフには、もはや未来はないようにさえ感じられる。

グーチは2000万ドル超、ジョンソン、スミス、ケプカは1900万ドル超を獲得

 しかし、それでもミケルソンは「今でもリブゴルフに来たがっている選手は大勢いる」「希望者からの問い合わせは、ひっきりなしだ」と自慢げに語っている。

 リブゴルフの独自の施策として実施されている各チームのフランチャイズ化は、今どんな状況なのかと言えば、チーム独自の名前とロゴマークを付したオリジナルグッズが製造・販売され、チームごとにさまざまなアピールを行って支援を募っているものの、ビッグスポンサーが付いたというニュースはほとんど聞こえてこない。

 だが、それぞれのチームのキャプテンを務めるジョンソンやバッバ・ワトソン、ホアキン・ニーマンらは「僕のチームを買いたがっている人は10人、いや20人以上いる」などと豪語している。

 リブゴルフを支援するサウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」のヤセル・ルマイヤン会長とPGAツアーのジェイ・モナハン会長が今年6月に統合合意を電撃発表して以来、リブゴルフの未来は「PGAツアーに託された」とされている。

 それゆえ、24年シーズンだけは当初の予定通りに行なわれることが確定しているが、リブゴルフに25年シーズンが到来するかどうかは、現状では定かではない。

 そんなふうに未来図を描くことができない状況にあるリブゴルフのチームを「是非とも買いたい」と申し出る投資家や篤志家が「20人以上いる」と言われても、にわかには信じがたく、「Really?(本当ですか?)」と問い返したくなる。

 そもそも、PGAツアー選手たちの同意を得て、PGAツアーとPIFの統合なるものが本当に成立かするかどうかも定かではなく、それが成立しなければ、リブゴルフ選手が古巣のPGAツアーやDPワールドツアーへ戻る道が開かれることはないだろう。

 そんなふうに今のリブゴルフには不確かな要素があまりにも多すぎる。

 唯一、確かなことは、この2年間で破格のビッグマネーがリブゴルフ選手たちの懐へ入ったという事実だ。

 今年のリブゴルフは個人戦とチーム戦が同時進行されるレギュラー大会13試合、チーム戦のみの最終戦1試合の合計14試合が開催された。

 レギュラー大会13試合は賞金総額2000万ドル、個人戦の優勝賞金は400万ドルが授けられ、個人戦のみの賞金に目をやると、年間王者のグーチは2000万ドル超を稼ぎ、ジョンソン、スミス、ブルックス・ケプカらは、いずれも1900万ドル超を手に入れた。

 さらには、デシャンボーが1500万ドル、ブランデン・グレースも1490万ドル、パトリック・リードは1290万ドル以上を稼ぎ出し、48名中11名が1000万ドル超を手に入れた。

 最大の賞金をゲットしたグーチは、PGAツアーでは123試合で稼いだ総額が920万ドルだったのに対し、リブゴルフでは、わずか1年間13試合でその2倍以上を稼ぐことができた。

 世界ランキングが200位を下回ろうとも、メジャー大会に1つも出場できなくなろうとも、お金の面から眺めれば、PGAツアーより格段にスピーディーに稼げるリブゴルフが彼にとって魅力的であることは誰にも頷ける。

 グーチだけではない。PGAツアーでは、これといった実績がなかったピーター・ユーラインが、リブゴルフでは今年1年で1200万ドルを稼ぐことができた。彼にとってリブゴルフは、まさに理想郷だ。

最低1名はリブゴルフから落ち、戦う場所は米欧ゴルフ界にはない
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