- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- 三ヶ島かなが四半世紀前のパターで単独首位 「複数年シードじゃなく自力でシード圏内に入りたい」
伊藤園レディス初日、8アンダーで単独首位に立ったのは、現在メルセデスランキング67位と不調に苦しんでいる三ヶ島かな。左ヒザのケガが不調の原因でもあるが、ショットの方がようやく改善し始めたという。
フィーリングが圧倒的にいい真っ黒なミズノ製パター
◆国内女子プロゴルフ<伊藤園レディス 11月10~12日 グレートアイランド倶楽部(千葉県) 6741ヤード・パー72>
9バーディ、1ボギーの64をマークし、8アンダーで単独首位に立った三ヶ島かな。現在、メルセデスランキング67位とシード圏内から大きく離れているだけに、今大会でも優勝するつもりで乗り込んできたという。
一発逆転に向けて初日から大きなアドバンテージを手にしたが、そんな三ヶ島を支えたのが、なんと四半世紀前に発売された古いパターだった。
「ミズノ製で削り出しの真っ黒いパターなんですが、打感が柔らかいのか硬いのか分かりにくい独特のパターなんです」
自分でうまく説明できないパターを使うのもどうかと思いながらも、フィーリングが圧倒的にいいため、日本女子オープンから使い続けているという。
具体的には、ピン型でとにかく構えやすいのと、真っすぐに転がってくれるところがお気に入りとのこと。
光を反射しやすいパターが苦手のため、黒色のパターを探していたという三ヶ島。ミズノのプロ担当が自分の引き出しの中に眠っていたヘッドを用意してくれたという。
そのパターに自分の好きな長さ、ライ角、構えたときの見え方など細部に渡ってリクエストした結果、ついに完成。
「最近になってようやくどれぐらい打てばどれだけ転がるのかもつかめてきました」と、笑顔を見せる。この日は雨の影響もあり遅めのグリーンだったが、グリーンのスピードに関係なく距離感を合わせられるようになった。
左ヒザのケガでプレーに対する意識に変化
そんな三ヶ島だが、今季は左ヒザを痛めたことでずっとサポーターをつけてのラウンドを続けていた。そのケガもようやく快方に向かい、サポーターを外してプレーしたものの、それほどよくなっていないことに気づいたという。
特にショットの際、ダウンスイング以降で左足に体重を十分に乗せることができず、思いどおりのボールを打てなかった。
パッティングにも影響し、自分がイメージしていたアドレスとはほど遠い形になっていたという。まさに負の連鎖ではあったが、そのような状態に気がつき、徐々に修正していったことで、ようやく思いどおりのボールを打てるようになってきた。不調の間に考え方も変わったという。
「結構ミスを引きずるタイプでしたが、今はこのミスは仕方がないと開き直れるようになりました」
過去よりも今を大切にすることにより、気持ちの切り替えがうまくいったわけだ。
21年のJLPGAツアー選手権リコー杯で優勝を飾っているため、複数年シードを持っているが、あえて使う気はない。
「残りの試合で勝しかないと思っていますが、今はむしろ開き直って、ファイナルQTの準備をしようと思っています」と、切り札はとっておくつもりだ。それだけ自分のゴルフに自信が戻ってきた証拠でもある。
「今の自分には失うものはないので、明日以降も今できることをしっかりやるだけです」と意思の強さを見せた三ヶ島。残り36ホール、真っ黒パターを携え目指すは頂点のみだ。
三ヶ島 かな(みかしま・かな)
1996年7月13日生まれ、福岡県出身。本名は三ヶ島伽奈。2016年に単年登録者としてLPGAツアーに参戦。翌年の賞金ランクでは41位に入り、自身初のシード権を獲得。18年にプロテスト合格。21年の最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ」で悲願の初優勝を国内メジャー大会で飾る。ランテック所属。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
ranking