「ショットに関して『これだ!』というのがあった」と勝みなみ
米国女子プロゴルフ<アニカ・ドリブン・バイ・ゲインブリッジ・アット・ペリカン 11月9~12日 ペリカンGC(フロリダ州) 6268ヤード・パー70>
勝みなみの米女子ツアー初優勝は来季に持ち越しとなり、渋野日向子はフルシードを獲得できずにシーズンを終えた。

4人の日本勢がそれぞれの目標を持って臨んだフルフィールドの最終戦、「アニカ・ドリブン・バイ・ゲインブリッジ・アット・ペリカン」最終日。ツアールーキーの勝は1打差2位タイと好発進し、2日目を終えても2打差ながら2位タイと絶好の位置で週末を迎えていた。
3日目は1番でいきなりトリプルボギーを叩いてしまったが、その後のプレーでカバー。通算12アンダーで首位に6打差8位タイで逆転優勝も狙える好位置だった。
迎えた勝負の最終日は1番でいきなり2メートルを沈めるバーディー発進。パー3の3番でもピンの左2メートルにピタリとつけてバーディー。追い上げムードが漂う。
だが、この後2バーディー、3ボギーと失速。優勝争いからは遠のいてしまったが、それでも、通算13アンダー・7位タイ。自己最高位タイで気持ちよくシーズンを終えた。
「今日はイケると思ってスタートしたけど、上がってみたら昨日のほうが(スコアが)よかった。でも感触もよかったし、自信につながった4日間でした。ショットに関して『これだ!』というのがあったので、来季固めていきたいです」と、1年間の戦いに笑顔で胸を張った。
日本から乗り込んだ選手の誰もがぶつかる移動の大変さなどを乗り越えたルーキーイヤー。オフには「多めに体幹とか鍛えたり、走ったりしたい」と、あらためて体づくりをすることを宣言した。
CMEグローブポイントランキング74位で、80位以内に与えられる来季のフルシードも確定させた勝。すでに気持ちは2年目のシーズンに向かっているようだ。
渋野日向子は「1年を物語るラウンド。騒がしいし安定しない」
対照的に、来季のフルシードを逃したのが渋野日向子だ。大会前のランキングが81位で、上位に入るしかない状況だった。しかし、2バーディー、4ボギーで迎えた12番パー3で右の池に2回入れるトリプルボギー。それを13番からの3連続バーディーで取り返したが、通算イーブンパー・61位タイに終わった。
「(スコアを)伸ばすこともできず、落としてしまったのはすごい残念だったなと思います。でも、最後まであきらめずバーディーを取りにいけたかな。上を目指さなきゃいけない状況なのに、この結果になって残念です」と悔しがる。
「1年を物語っていたようなラウンド。騒がしいし安定しない」と、本人が言うように苦しんだシーズン。「1年戦い続けられたのはよかったかな。2024年は出られる試合が限られているけど、結果を出せるようにこのオフしっかり頑張って。25年にはシードで出られるようにしたい」と、それでも前を向いた。
西村優菜は通算3アンダー・51位タイ。次週の最終戦「CMEグループツアー選手権」(16~19日、フロリダ州ティブロンGCゴールドC)にも出場できるため、もうひと頑張りしたいところだ。
古江彩佳は予選落ちしたが、こちらも最終戦が残っている。
優勝は3打差2位タイから逆転したリリア・ヴ(米)。2つのメジャーを含むシーズン4勝目で、セリーヌ・ブティエ(仏)を抜いて再びランキング首位に立った。
勝 みなみ(かつ・みなみ)
1998年7月1日生まれ、鹿児島県出身。渋野日向子、畑岡奈紗、原英莉花らツアーを席巻している「黄金世代」の一人。2014年の「KKT杯バンテリンレディス」で、アマチュアながらJLPGAツアー史上最年少優勝(15歳293日)を達成し注目を集める。17年のプロ入り後、翌年の「大王製紙エリエールレディスオープン」でプロ初優勝。22年「日本女子オープン」で史上3人目の大会連覇を達成。明治安田生命所属。
渋野 日向子(しぶの・ひなこ)
1998年生まれ、岡山県出身。2019年のAIG全英女子オープンでメジャー初制覇。同年は国内ツアーでも4勝をマークし、賞金ランキング2位と躍進した。2020-21シーズンは、スタンレーレディスゴルフトーナメント、樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメントで勝利。昨季は米ツアーを主戦場に戦った。国内ツアー通算6勝。サントリー所属。