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- 畑岡奈紗ら輩出した中嶋常幸の「トミーアカデミー」が練習公開 伸びるジュニアを見抜く“戦績以外”の条件とは?
日本ゴルフ界のレジェンド、中嶋常幸(なかじま・つねゆき)が主宰し、畑岡奈紗、河本力らが輩出したジュニア育成プログラム「ヒルズ ゴルフトミーアカデミー」が17日、静ヒルズCC(茨城県)で行われた合宿を報道陣に公開しました。
「乾いたスポンジのように」素直な心を持ったジュニア
日本ゴルフ界のレジェンド、中嶋常幸が主宰し、畑岡奈紗、河本力らが輩出したジュニア育成プログラム「ヒルズ ゴルフトミーアカデミー」が17日、静ヒルズCC(茨城県)で行われた合宿を報道陣に公開。
中嶋が50年近いプロ生活で得た経験や最新のトレーニング法から栄養学の知識まで、ジュニアゴルファーに授ける様子を、プログラムのほんの一部とはいえ、垣間見ることができました。
3日間の合宿の最終日であるこの日は、松山英樹のトレーナーである飯田光輝氏が考案したサーキットトレーニングからスタート。ダッシュやランジ、腕立て伏せなどおなじみの種目にゴルフの動きを組み合わせたメニューを休みなく行い、ジュニアゴルファーたちはキツそうな様子を見せながらも、懸命に、時に楽しそうに取り組んでいました。
汗を流した後の昼食時には、栄養士による講義で成長期におけるカルシウムやタンパク質摂取の大切さなどを勉強。キツいトレーニングをこなして昼食をとった後とあって、記者が中高生の頃であれば上の空だったであろう状況でも、ジュニアたちが真摯に耳を傾けていて、さすがに意識が高い選手がそろっていると感心させられます。
このプログラムに参加するための選抜条件はどんなことなのでしょうか? 単に試合での成績が良いだけではないように感じられます。中嶋は次のように明かしてくれました。
「実績よりも注目しているのは、その子の持っている運動能力もそうだし、話したことに対するレスポンスだとか明るさだとか前向きさだとか、そういうものがあると原石としては魅力的だよね。競技ですごい成績を出してきても、『この子はちょっと天狗になってるなとか、ゴルフを舐めてるな』という子はあまり入れたくないね」
レスポンスがいいというのは「打てば響く」ようなところなのでしょうか?
「そうだね。自分で考えるのはいいんだけど、素直さというか、乾いたスポンジのように水を入れたらサッと入っていく。ちゃんと自分の言葉が入ってるな、理解しようとしているな、とそういうことだよね。逆に、水でいっぱいで、何を入れても全然入っていかない子は『今じゃないでしょ、完成形は。もっと先でしょ』と」
素直さを持った選手にはキラリと光る瞬間が訪れる。中嶋はその瞬間を見るのが何より楽しみなのだそうです。
「畑岡もそうだった。最初に来た時に、確かに運動能力はあった。中学2年かな。だけど、そんなに目立たなかった。でも、あるゲーム(形式の練習)をやった時にキラッと光った瞬間、『あっ、この子入れてよかった』と思った」
キラッと光る瞬間というのは、選手が「ハッ」と何かに気づく瞬間。そういう瞬間に立ち会えるのが、アカデミーをやっていて一番楽しい時なのだと中嶋はいいます。
小滝水音「ゴルフがすごく好きになった」
同アカデミー出身者では2023年、小滝水音と蛭田みな美が初優勝を遂げました。この日、姿を見せた小滝に中嶋の教えをどう初優勝につなげたか聞くと、こんな答えが返ってきました。
「(中嶋の教えが)もう体の一部になってますね。練習に対する姿勢だったり、ゴルフに対するストイックさもそうですし。中嶋プロはヒントを出して、それをみんなが自分で考えて実践する、そういうスタイルだったと思うので、やっぱり自分なりにいろいろ考えて高校生の頃はやってました。それが自分の形になっていくのかな」
もう一人話を聞いたのは、アカデミー在籍中の高校3年生で、今年のプロテストに合格した上久保実咲。
「(中嶋の教えでプロテスト合格につながった部分は)本当にもう、すべてですね。技術もそうですし、一番はメンタル面が大きいかなと思います。フィジカルも、ここでやったことを普段の練習に取り入れて、プロテストの結果につながったかなと思います」
合格直後には中嶋が、いの一番にメールで祝福のメッセージを送ってくれたのだそう。小滝もアカデミーに入ったことで「ゴルフがすごく好きになった」と振り返っていますが、レジェンドと呼ばれる存在でありながら、ジュニアゴルファーの目線にまで下りて接することができるのも、選手たちの信頼感、安心感、やる気につながっているのかもしれません。
中嶋 常幸(なかじま・つねゆき)
1954年生まれ、群馬県出身。75年にプロ入りし、翌年初勝利して以来、積み上げた勝利はレギュラーツアーだけでも48勝。メジャー4大会すべてでトップ10入りした初めての日本人選手、初の1億円プレーヤー、日本オープンをはじめとする“日本タイトル”7冠など、成し遂げた偉業は枚挙にいとまがない。静ヒルズCC所属。
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