“練習場シングル”を卒業するために必要なこととは? ベストアマ獲得の都玲華が一皮むけた理由

多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回は、国内女子ツアー「明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」でベストアマを獲得した都玲華に注目しました。

スイングはゴルフをスムーズにするためのひとつの手段

 国内女子ツアー第2戦「明治安田レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメント」が開催されました。2位に6ストローク差をつけ、通算16アンダーで優勝したのは鈴木愛選手です。初日から首位を守る完全優勝でツアー通算19勝目を挙げました。

 2017年、19年に賞金女王に輝いている鈴木選手は、ショットのクオリティーが高いことはもちろん、ゲームづくりがうまい印象があります。今大会でも、ショートゲームで耐えるところは耐えるという鈴木選手らしい戦いぶりを見せてくれました。

プロテストには合格できていないが、十分な実力を持っている都玲華 写真:GettyImages
プロテストには合格できていないが、十分な実力を持っている都玲華 写真:GettyImages

 通算3オーバーの35位タイでベストアマを獲得したのは都玲華選手でした。2004年2月生まれの都選手は、櫻井心那選手や川崎春花選手、尾関彩美悠選手と同世代。自身3度目となる昨年のプロテストで合格することはできませんでしたが、昨シーズンのレギュラーツアーでは、「フジサンケイレディス」と「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」でもベストアマを獲得。

 特に「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」では、3日目を終えて4位タイにつけ、優勝を意識できる位置で最終日をプレーした経験もあります。私はそんな都選手のスイングコーチを務めていますが、彼女には以前から課題があります。それは、スイングを気にしすぎること。

「アドレスがしっくりこない」「スイング中のこのポジションが気持ち悪い」「今のショットは当たりが悪かった。スイングのどこに原因があるんだろう」と、思考がスイングに偏った状態でプレーすることが多かったのです。

 スイングコーチである私がいうのもおかしいかもしれませんが、スイングはゴルフをスムーズにするための一つの手段です。スコアを出すことを目的にするなら、“スイングゲーム”ではなく“ゴルフゲーム”をしなければいけません。一般ゴルファーの中にも、独特なスイングなのにスコアが良い人っていますよね。そういう方は、ゲームづくりが上手なんです。一方、練習場シングルといわれる人は、ゲームづくりという部分が足りていないのかもしれません。

“ゴルフゲーム”をする意識を根付かせるため、2月に行ったタイ合宿では普段あまりやらないレギュレーションでラウンドしてもらいました。このコラムで以前取り上げたことがある本数制限ゴルフとステーブルフォード方式のゴルフです。

スイングにこだわって結果が出ない人は…

 本数制限ゴルフは、クラブを5本だけ使用するラウンドです。ほとんどの状況で中途半端な距離を打つことになるため、さまざまな打ち方で攻略していかなければいけません。

 ステーブルフォード方式は、各ホールの累計ポイントを争うものです。タイ合宿では、バーディー=3ポイント、パー=1ポイント、ボギー=0ポイント、ダボ以上=-2ポイントと設定して行いました。ボギーを打ってもマイナスにならず、バーディーを獲れば3ポイント加算されるため、ストロークプレーよりもプレーがアグレッシブになっていきます。

「“スイングゲーム”ではなく、“ゴルフゲーム”をしてきなさい」と送り出した今大会は、3日目まではうまくいかなかったようですが、最終日にバーディーを5つ奪って「69」。大会後、都選手は“ゴルフゲーム”をする手応えを少しつかんだと喜んでいました。

 スイングにこだわって結果が出せていないという人は、一般ゴルファーの中にもいるはずです。そんな悩みを抱えている方は、「フルショットで真っすぐ打つ」以外の方法でラウンドや練習をしてみてください。例えば、7番アイアンで思い切り左右に曲げる、サンドウェッジで極端に低い球を打つ、ロングアイアンで高い球を打つ、7番アイアンで100ヤードを打ってみるなど。

 イメージした球を打つにはクラブをどう使えばいいのか、ボールをどこにセットすればいいのかなどと試行錯誤していると、自然にゲームをつくる力が身に付いてくるはずです。

都玲華(みやこ・れいか)

2004年生まれ、徳島県出身。中学2年時に予選会を突破して「日本女子アマ」に出場(17年)。19年には「四国ジュニア」で優勝し、同年の「四国女子アマ」で2位の活躍。21年にも「日本女子アマ」に出場した。昨シーズンは、「フジサンケイレディス」と「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」でベストアマを獲得。今シーズンも「明治安田レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメント」でベストアマを獲得している。

【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)

1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。

【写真4枚】艶やかな晴れ着姿を披露する都玲華

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プロテストには合格できていないが、十分な実力を持っている都玲華 写真:GettyImages
都玲華のインスタグラム(@miyakore___0218)より
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