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- 「初優勝から5季連続勝利&黄金世代国内10勝一番乗り」 データで見る小祝さくらの「強さ」とは?
プロゴルファー・小祝さくら(こいわい・さくら)のスタッフが運営するインスタグラムが更新。松田鈴英(まつだ・れい)との2ショットがアップされました。
初優勝から5季連続勝利は史上10人目の快挙
「ヤマハレディースオープン葛城」で5打差5位タイから鮮やかに逆転した小祝さくらが今季初勝利を挙げ、通算10勝に到達した。同時に小祝は2019年の初優勝から5シーズン連続で勝利をマーク。これは日本選手では過去10人しか達成していないレアな記録である。
初優勝から途切れることなく毎シーズン勝利を重ねていくのは、そう簡単なことではない。これまで初優勝から5シーズン以上連続で優勝していた日本選手は達成順に樋口久子、岡本綾子、森口祐子、安井純子、平瀬真由美、福嶋晃子、不動裕理、藤井かすみ、横峯さくら、有村智恵というたったの10人。最長は樋口で20シーズン連続、2位が岡本と不動の10シーズン連続である。
ちなみに海外選手はト阿玉、アン・ソンジュら7人が記録している。
小祝が初優勝を飾ったのは2019年7月の「サマンサタバサレディース」だった。フル参戦1年目だった前年は賞金ランキング8位に食い込んだが未勝利。首位(タイを含む)で最終日を迎えたケースが3回あるなど、度々優勝争いに加わりながらことごとく敗れていた。
翌2019年も惜敗が続く。その間に同じ1998年度生まれの黄金世代の面々は次々に勝利を収めていた。ようやく小祝が初優勝を飾った時、すでに7人の黄金世代が勝ち名乗りをあげていた。
2020-21年シーズンは5勝をマーク。2022年は2勝を挙げ、2023年の「ミネベアミツミレディス」では故郷・北海道で初めて勝った。そして先週の「ヤマハレディースオープン葛城」で2012年の有村以来日本選手11人目となる初優勝から5シーズン連続優勝の快挙を達成したのだ。
これで通算10勝。黄金世代では畑岡奈紗が日米通算11勝をマークしているが、国内だけなら小祝が2ケタ勝利世代一番乗りだ。
実質ルーキーイヤーの2018年開幕戦から休むことなく試合に出続けている。その間、国内ツアーでたった1試合の欠場は「全米女子オープン」参戦のため。その週もプレーはしていたわけだ。
プロ転向後、世代最多の212試合に出場し、生涯獲得賞金も世代トップの6億2483万4158円。黄金世代2番手の勝みなみが約4億1816万円だから圧倒的1位である。
黄金世代初の「年間女王」が期待される
ツアー最年少の15歳で衝撃的な優勝を飾った勝、事あるごとに「日本のエース」と表現される畑岡、全英女子オープン優勝で一躍ヒロインとなった渋野日向子、公式競技(メジャー)にめっぽう強い原英莉花――強烈な個性を放ち、強く記憶に残る勝利を挙げてきた黄金世代の中において小祝の実績はともすれば印象が薄くなりがちかもしれない。だが、コツコツと積み上げてきたものは同世代の誰よりも高くなった。
コロナ禍で2年に渡った2020-21年シーズン、小祝は自己最高の賞金ランキング3位になっている。このシーズンは9勝を挙げた稲見萌寧の存在感が際立っていたが、途中まで賞金女王争いを引っ張っていたのは小祝だった。
今回の優勝で小祝はメルセデス・ランキング1位に立った。年間女王レースのトップを走るのは2021年9月の「ゴルフ5レディス」終了時以来のことである。
数々の勲章を手にしてきた黄金世代が唯一持っていないのが年間女王の称号である。2019年に渋野が賞金ランキング2位になったのが最高だ。
小祝はフル参戦1年目の2018年からすべてランキング(2022年以降はメルセデス・ランキング、それ以前は賞金ランキング)8位以内に入っている。この6シーズン、すべてトップ10に名を連ねているのは小祝だけだ。この安定感は年間女王争いで大きな武器になる。
それに加え、今季の小祝は昨季まで実績に比べてやや低かった平均バーディ数(1ラウンド当たりのバーディ数)が4.5806で断然の部門1位に立つなど攻撃力が増強されている。これは頼もしいデータだ。
黄金世代初の年間女王へ。まだシーズン序盤だが、本気で頂点を狙っていいかもしれない。
小祝 さくら(こいわい・さくら)
1998年4月15日生まれ、北海道出身。98年度生まれの“黄金世代”の1人として2017年にプロ入り。19年サマンサタバサガールズコレクション・レディースで初優勝。23年シーズンは1勝を挙げて、メルセデス・ランキング4位に。ニトリ所属。
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