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- 桂川有人が日欧共催大会を逆転で制覇! 今後は欧州ツアーに参戦し来季PGAツアー出場権狙う
昨年に続き、今回で2回目を迎えた日欧共催大会「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」。昨年は欧州ツアー側のルーカス・ハーバートが優勝したが、今年は日本ツアーの桂川有人(かつらがわ・ゆうと)が通算17アンダーで快勝した。桂川は国内ツアー2勝目、欧州ツアー初勝利を飾り、今季は欧州ツアーに参戦可能となった。なお、欧州ツアーを制した日本選手は6人目となる。
最後まで攻め続けたことが勝因
◆国内&欧州男子ツアー共催<ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 4月25~28日 太平洋クラブ御殿場コース(静岡県) 7262ヤード・パー70>
思うように結果を残せなかった昨シーズンが、決して遠回りではなかったことを桂川有人は自ら証明してみせた。2022年に国内ツアーで賞金ランキング5位に入りながら、そのポジションに満足することなく、23年は米下部ツアーであるコーンフェリーツアーを主戦場とした。ポイントランキングの上位30位以内に入り、PGAツアーに参戦したかったからだ。
「小さい頃から強い選手と戦ってみたいという憧れや夢がありました」。ツアープロなら誰もが一度は心に抱いた思いだが、現実は甘くなかった。過去に今年のマスターズを制したスコッティ・シェフラーなど、世界ランキング上位を占める選手を多数輩出してきたツアーだけにレベルは高く、桂川は130位に終わる。ただ、言葉もうまく通じない土地で、長時間の移動を繰り返しながらも、難しいコースセッティングで戦うことによって、知らず知らずのうちにポテンシャルは上がっていた。
今大会では厳しい位置にピンが切られていたが、「難しいコンディションでも違和感なく、普通の状態でプレーできました」と明るく語る。初日こそイーブンパーの83位タイと出遅れたが、2日目、3日目に65を続けてマークし、19位タイ、8位タイと順位を上げる。
「昨日までのゴルフができればチャンスはある」と、首位と3打差でスタートした最終日も積極的にピンを攻める姿勢を崩さなかった。たとえ難しいセッティングでも強気に攻めなければ、海外では勝つどころか上位にも行けない。それが骨身に染みついているからこそ、とにかく攻め続けた。
前半にスコアを2つ伸ばし、トップを射程圏内にとらえると、インに入ってからさらにギアを上げる。3連続を含む5バーディーを奪い、63でホールアウト。通算17アンダーまで伸ばし、2位以下に3打をつけていた。後ろに3組残っていたが、この時点でほぼ桂川の優勝が決まった。
ドライバーの飛距離アップに成功
もちろん、単にピンを狙えばいいわけではない。狭いエリアにボールを落とせるショット力やグリーンを外した際のリカバリー力があってこそ、攻めのゴルフが完成する。この日、桂川が奪った7つのバーディーのうち5つが2.5メートル以内につけてのものだ。
さらに、ポイントとなったのが13番パー3でのアプローチだ。左サイドに立っていたピンを狙ったものの、グリーン左のラフへ外してしまう。ボールの落としどころが狭かったものの、アプローチではフワリと高いボールを打ち、ピン横30センチにつけてパーセーブ。次ホールからの3連続バーディーにつなげた。
「ボギーになりそうなところをパーでしのげたことで流れに乗れたと思います」と、会心の1打に満足げな表情を浮かべる。さらに、この日は出場選手最少の23パットと、パッティングでも成長を見せた。
シーズンオフには、ドライバーの飛距離を伸ばすために、技術だけでなく、体を鍛え、クラブにもこだわった。その結果、2試合終了時点だが、国内男子ツアーでのドライビングディスタンスは302.96ヤードを記録している。
勝つべくして勝った桂川だが、今後は欧州ツアーに参戦。さらに勝ち星を重ね、ポイントランキングで10位以内に入り、来季のPGAツアー出場権を狙う。昨年は久常涼がそのルートをたどっているが、今季は星野陸也、中島啓太も欧州ツアーで優勝しており、彼らとも鎬を削ることになりそうだ。
桂川 有人(かつらがわ・ゆうと)
1998年10月9日生まれ、愛知県出身。中学卒業後にフィリピンへゴルフ留学し、帰国後は日本大学に進学。1年生で「朝日杯」と「文部科学大臣杯」、2年生で「日本学生」と、大学ゴルフのビッグタイトルを総なめにした。2020年にプロ転向し、22年にツアー初優勝。24年「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」で2勝目を挙げた。国際スポーツ振興協会所属。
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