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- 「8戦6勝」異次元の強さのネリー・コルダもやっている 球が曲がり始めたらシャドースイングで足裏の重心チェック
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、米女子ツアー「みずほアメリカズ・オープン」で優勝したネリー・コルダです。
男性的で力強いネリー・コルダのスイング
5月16~19日の期間、米女子ツアー「みずほアメリカズ・オープン」が開催されました。優勝したのは、単独首位でスタートしたネリー・コルダ選手です。4バーディー・3ボギーの「71」でプレーし、通算14アンダーで今季6勝目、ツアー通算14勝目を挙げました。
今季のコルダ選手は、1月の「ドライブオン選手権」で2年ぶりに優勝すると、「ファーヒルズ朴セリ選手権」「フォード選手権」「Tモバイルマッチプレー」、そしてメジャー大会「シェブロン選手権」で勝利。ツアー史上3人目となる出場5試合連続優勝を達成しました。
6試合連続優勝のツアー記録がかかった「コグニザント・ファウンダーズカップ」は7位に終わって連勝ストップとなりましたが、先週の「みずほアメリカズ・オープン」で今季6勝目を達成。驚異的な強さを見せています。
今大会終了時点のパーオン率は1位(76.0パーセント)。ショットの精度を大きな武器にしているコルダ選手は、ドライバーショットでも上から潰すようにボールをとらえる男性的なスイングをします。他の選手とインパクト音を聞き比べると、その力強さをお分かりいただけるはずです。
さて、絶好調のコルダ選手ですが、優勝を逃した「コグニザント・ファウンダーズカップ」で印象的なシーンがありました。この大会はスイングのコンディションが良くなかったようで、ショットを曲げるシーンが何度か見られました。あるホールでティーショットを左に曲げた直後のこと。コルダ選手はティーイングエリアでクラブをヨコにして胸に抱えてシャドースイングを始めました。
ラウンド中に球が曲がり始めると、手先でスイングを修正しようとするもの。しかし、腕の力に頼るのは逆効果。余計コントロールできなくなっていきます。ラウンド中にスイングチェックする時は、クラブを握って素振りするのではなく、コルダ選手のように大きい筋肉を動かして足裏の重心位置を確認できるシャドースイングがおすすめです。
シャドースイングの際にどこを意識すべきか?
その際、どこを意識すればいいのか解説しましょう。まず、腕をクロスして、ヨコにしたクラブを胸の前に抱えてアドレス。母指球にしっかり体重を乗せて構えましょう。バックスイングの動作では、左肩がアゴの下に入るまでしっかり胸板を回します。この時、右足の重心はカカト側、左足の重心はツマ先側に移動していることが大切です。ダウンスイング以降は、胸板を左に回しながら右足はツマ先側、左足はかかと側に重心を移すとスムーズに腰が回転します。
また、球が曲がる時は肩が水平に回ってフェースのローテーション量が増えていることが多いので、その点も同時にチェックしましょう。バックスイングは左のワキ腹を縮め、ダウンスイングは右のワキ腹を縮めながら肩を回すと、タテ回転の要素がプラスされ、ヘッドのローテーションを抑えることができるはず。ラウンド中のスイングの乱れに対応しやすくなりますよ。
ネリー・コルダ
1998年生まれ、フロリダ州出身。16歳でプロ転向し、2018年に米ツアー初勝利。19年は2勝を挙げて賞金ランキング5位と躍進。21年の「全米女子プロ」でメジャー初勝利を挙げ、自身初の世界ランキング1位に。同年の東京五輪では金メダルを獲得した。今シーズンは2戦目の「ドライブオン選手権」で2年ぶりの通算9勝目を挙げると、そこから驚異の5連勝。その後の「ファウンダーズカップ」は7位に終わって連続優勝は途切れたが、次戦「みずほアメリカズ・オープン」で今季6勝目、通算14勝目を挙げた。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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