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- アマチュア優勝から約7カ月… 日本最古の大会で杉浦悠太がプロ初優勝&メジャー制覇!「賞金王を目指します」
国内男子ツアー第10戦・日本プロゴルフ選手権は、最終日を首位でスタートした杉浦悠太がそのまま逃げ切り、通算18アンダーでツアー2勝目を飾った。プロ転向後、初めての優勝となる。85年以降、今大会に初出場して優勝を飾ったのは史上5人目、プロ転向後12試合目で今大会を制したのは史上最短となる。
プロ1勝に思わずホッ
◆国内男子プロゴルフ<日本プロゴルフ選手権 7月4~7日 富士カントリー可児クラブ 可児ゴルフ場 志野コース (岐阜県) 7201ヤード・パー72>
日本最古のトーナメントとして、91回目を迎えた今年の日本プロゴルフ選手権。最終日、単独首位の座を守り続けてきた杉浦悠太は、土壇場でその重さを感じることになる。
通算19アンダーで迎えた最終18番パー4。この時点で2位以下に2打差をつけていたが、ティーショットを左に曲げたことで暗雲が漂う。ボールはバンカー内でアゴに近かったこともあり、直接グリーンを狙えない状況。
「ボギーでもしょうがない。ダブルボギーだけは避けよう」
2打目をフェアウェイに出そうとしたところ、ボールはフェアウェイ右サイドの深いラフまで飛んでしまう。第3打はグリーンをとらえたものの、傾斜の影響で花道までボールが転がり落ちてきた。
ピンまでは12ヤード。2打差で追う同組の蝉川泰果は2オンに成功しているだけに、寄せワンのボギーでホールアウトしなければ逆転される可能性もある。ウェッジで打つか、パターで打つか迷った末に杉浦が選んだのはパターだった。
「やはりピンの手前が傾斜していることもあり、練習ラウンドでもアプローチを失敗していたので、パターを選択しました」
冷静に上り傾斜を計算して転がしたボールは、カップを1メートルオーバーしたところで止まる。
蝉川が惜しくもバーディーパットを外したことで、下りの1メートルがウイニングパットとなった杉浦。けっして簡単なパットではなかったが、慎重にストロークするとボールはカップの中へ消えていった。
「昨年11月にプロ転向して以来、早く1勝できるといいねといわれ続けてきたのでホッとしています」
史上7人目となるアマチュア優勝を昨年のダンロップフェニックスで飾り、すぐにプロ転向しただけに、注目度も期待度も高かった杉浦。相当なプレッシャーがかかっていたことは想像に難くなかったが、今回の優勝で少しはそのプレッシャーも和らいだかもしれない。
次は今季の賞金王に照準
プロ転向後12試合目にしてツアー優勝を飾った杉浦。日本プロに関していえば、史上最短であり初出場で制覇したのは史上5人目となる。さらに、初日から首位を守り続ける完全優勝を飾ったのは大会史上9人目だ。
記録づくめだった杉浦だが、思えば今大会とは少なからず縁があった。2年前に静岡県のグランフィールズCCで開催された大会では、日大の先輩であり同ゴルフ部のコーチを務めていた堀川未来夢を応援しに会場まで足を運んだという。
「あの時は優勝争いの中でしっかり勝ち切った堀川さんの姿を見て本当にカッコイイなと思いました」
まさかその2年後に自分が同じ大会で優勝するとは夢にも思わなかったが、初の国内メジャータイトル獲得には素直に喜んだ。
「将来的には海外ツアーへ挑戦したいので、今回の優勝で5年間の複数年シードを得たことはうれしいです」。
プレー中は冷静な表情しか見せなかったが、内面はドキドキだったという杉浦。それでも、すぐに集中してベストな選択をできるところが長所でもある。
「メジャー優勝という大きな目標を達成しましたが、今後は賞金王を目指して、どこへ行ってもたくさんのギャラリーが応援に来てくれる人気プロになりたいです」
今回の優勝で、知名度も一気に上がっただけに、人気プロへの道もそう遠くはなさそうだ。
杉浦悠太(すぎうら・ゆうた)
2001年9月12日生まれ、愛知県出身。福井工大付属福井高校時代に「日本ジュニア」を制覇。2019年にはJGAナショナルチーム入りし、中島啓太からキャプテンを継承。日本大学4年時の2023年は国内男子下部ツアー「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジinふくしま」でアマチュア優勝。その優勝で手に入れたチャンスを生かしレギュラーツアー「ダンロップフェニックス」で史上7人目のアマチュア優勝を果たす。24年「日本プロゴルフ選手権」でプロ初優勝。
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