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五輪にデシャンボーが出られないのはアンフェア!? ラームらリブゴルフ勢が主張する“世界ランキング以外”の代表選考は現実的なのか
金メダルに米国のスコッティ・シェフラー、銀メダルに英国のトミー・フリートウッド、そして銅メダルは日本の松山英樹と、PGAツアー選手の表彰台独占となったパリ五輪の男子ゴルフ競技。リブゴルフ勢はジョン・ラームが最終日、一時首位に立ったもののバックナインで失速。そのラームが五輪の代表選考に関して批判の急先鋒になっている。
「五輪に出たいのなら何をすべきか分かっていたはずだ」
リブゴルフ選手たちのこうした発言に対し、他選手はどんな反応を見せていたかと言えば、アイルランド代表としてパリ五輪に出場したローリー・マキロイは手厳しい言葉を口にしていた。

「五輪に出たいのなら自分が何をすべきか、あらかじめ分かっていたはずだ。リブゴルフへ移籍した選手は、その時点で、ライダーカップに出たいのなら自分は何をすべきか、何をすべきではないかも分かっていたはずで、五輪にもそれと同じことがあてはまる」
破格の移籍料と引き換えに、いくつかのリスクや不利益が生じることを承知の上でリブゴルフに移籍したのだから、「今さら五輪に出られないのはアンフェアだなんて言うべきではない」という意味の発言である。
そしてマキロイは「世界ランキングに基づく現行の選考方法は、各国のベストプレーヤーを選び出す最善の方法だ。これ以上にベストな方法はない」と言い切っていた。
なるほど。米国チームは世界ランキング1位のシェフラーを筆頭に、2位のシャウフェレ、5位のクラーク、6位のモリカワの4名が代表選手になり、9位のデシャンボーは残念ながら代表にはなれなかった。だが、実を言えば、PGAツアー選手のパトリック・カントレーも世界ランキング8位ながら五輪の代表選手になることはできなかった。
つまり、どのツアーの選手であっても、米国勢で世界ランキングの4番手以内に入れない限りは五輪には出られなかったわけだから、その意味では、どのツアーの選手に対してもフェアだったと言うことができる。さらに言えば、クラークやモリカワが意図的にデシャンボーを押し出したり追いやったりしたわけでもない。
そう考えれば、世界ランキングに基づく現行の選考方法が、一概に「リブゴルフ選手にとってアンフェアだ」とは言い切れないのではないかと私は思う。
そして、ラームらが提唱する「各国が独自に代表を選ぶべき」という方法は、「何を基準に、この選手を選び、あの選手を外すのか?」といった具合に、さらなる物議を醸すことが想像される。
たとえば、「日本の場合」に置き換えてみると、2名のうち1名は、松山が現役選手である限りは、世界ランキングにかかわらず、圧倒的多数で松山になるはずだが、あと1人は何を基準に選ぶかによって、中島啓太か、久常涼か、星野陸也か、あるいは人気面で石川遼かといった具合に、その都度、大揉めになることだろう。
同じことを米国で行ったら、もはや収拾がつかなくなることは必至である。
ラームらが望む「独自の方法」として、誰もが納得しうる画期的な選考方法が登場しない限り、選考方法の変更は難しいと思われる。
もしも今回のパリ五輪でラームが最終日の独走態勢から走り抜けて金メダルを獲得していたら、ラームの発言力や影響力は、もしかしたら増していたのかもしれない。だが、残念ながらラームは5位タイでノーメダルとなり、他のリブゴルフ選手もニーマンが9位タイ、オーティスが26位タイなど、あまり振るわなかった。
そして何より、メダルに輝いたシェフラー、フリートウッド、松山の3名が、いずれもPGAツアーのスター選手であることが、リブゴルフ選手らが提唱する「アンフェア論」を翳らせる形になったことも事実だ。
しかし、米ゴルフウイークは、2028年ロス五輪からは「ゴルフ競技の代表選考方法が何かしら変更される可能性は大」だと、すでに報じている。
そして、AP通信は、選考方法ではないが、28年ロス五輪からはゴルフに男女混合チーム戦が新規に採り入れられ、ゴルフ競技がもっと賑やかになる可能性を伝えている。
16年のリオ五輪で112年ぶりに五輪競技にカムバックし、東京五輪、パリ五輪と3大会を終えたばかりのゴルフは、いまなお過渡期。進化の過程を辿っている様子である。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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