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- 2024シーズン各2勝の東北福祉大“先輩後輩コンビ”が“不思議な場所”でパター素振りをする理由とは?
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回は「Hitachi 3Tours Championship」にJGTOチームのメンバーとして参戦した幡地隆寛(はたぢ・たかひろ)と米澤蓮(よねざわ・れん)です。
パターの素振りをする場所に2人の共通点
JGTOチーム、JLPGAチーム、PGA(男子シニア)チームの上位選手が一堂に会して行われる対抗戦「Hitachi 3Tours Championship」は、JLPGAツアーの2年連続8度目の優勝で幕を閉じました。
この大会は各チームの6選手が2人1組のペアを組んでファーストステージとセカンドステージを戦います。3チームのペアの中で印象的だったのが、東北福祉大の先輩後輩でタッグを組んだJGTOチームの幡地隆寛選手と米澤蓮選手でした。
先輩の幡地選手は、今年の「ニュージーランドオープン」でプロ初勝利を挙げると、日本ツアーの「関西オープン」で国内初優勝を達成。そして「バンテリン東海クラシック」で通算2勝目を挙げています。一方の米澤蓮選手は「中日クラウンズ」でプロ初勝利を挙げ、「横浜ミナトチャンピオンシップ」で2勝目を達成しました。
同じ大学出身、今季初勝利達成、今季複数回優勝達成という共通点がある2人ですが、プレーの中にも共通点がありました。それはパターの素振りをする場所です。
パターの素振りをする時、皆さんはどこに立っていますか? 多くの人は、実際にアドレスする位置から背中側に一歩下がってラインに平行に立っているか、ボールの後方でカップに正対して立つかのどちらかだと思います。
前者の“平行素振り”のメリットは、実際にストロークする時とほぼ同じ景色を見ながら素振りできること。後者の“正対素振り”のメリットは、カップまでの距離をイメージしながら素振りできることです。
どちらにもメリットがあるため、一概に「こっちが正解」とは言えませんが、この2パターンのいずれかで素振りをする人がほとんどだと思います。しかし、「Hitachi 3Tours Championship」の幡地選手と米澤選手は2つをミックスしたような位置で素振りをしていたんです。具体的には、ボールの後方でラインに対して平行になるポジションです。
ボールの後方に立つと俯瞰してイメージしやすい
この場所で素振りをするメリットは、「ストロークしている自分の姿」を想像しながら素振りできることです。実際にストロークする時と同じようにラインに対して平行に立つことで「アドレスポジションに立っている自分」を想像しやすくなりますし、ボールの後方に立つことで自分を俯瞰してイメージしやすくなります。そのため、自分の分身を想像しやすくなるわけです。
この素振りを行うときは、ボールが転がるスピードやボールが曲がる様子、そしてカップインするところまで想像することが大切です。イメージが湧いたら、実際にアドレス位置に立ってパッティングを開始しましょう。
「肩をどう動かそう」とか「腕の形を変えないように」など、動きにフォーカスせずに打てるため、スムーズにストロークができて距離がピッタリと合ってくるんです。パターのタッチを合わせるのが苦手という人はぜひ一度、試してみてください。
幡地 隆寛(はたぢ・たかひろ)
1993年生まれ、広島県出身。15年にプロ転向。20-21年シーズンは、ドライビングディスタンス1位の飛距離を武器に賞金ランキング39位で初シードを獲得。24年の豪亜共催「ニュージーランドオープン」でプロ初勝利を挙げると、日本ツアーでも「関西オープン」でツアー初優勝。同年は「バンテリン東海クラシック」で複数回優勝を挙げた。国内ツアー通算2勝、他1勝。ディライトワークス所属。
米澤 蓮(よねざわ・れん)
1999年生まれ、岩手県出身。盛岡中央高時代に「東北高校選手権」を3連覇した後、東北福祉大へ。ナショナルチームの一員として活躍した2018年の「アジア大会」で団体金メダルを獲得。24年シーズンは「中日クラウンズ」でプロ勝利を挙げ、同年の「横浜ミナトチャンピオンシップ」で2勝目を達成。キャリアハイとなる賞金ランキング12位に入った。国内ツアー通算2勝。ティ.エム.プラテック所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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