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PGAツアーの変化はリブゴルフに比べて遅すぎる!? 「マイク付けてプレー」などJ・トーマスの“提案書”は危機感の表れ?
リブゴルフが米大手TV局FOXスポーツと放映権契約を結んだり、25年第1戦のサウジアラビアをナイターで行うなど、着実に前進しながら新しい試みを打ち出しているのに比べ、PGAツアーの変化は遅すぎると危機感を持っている選手は多いようだ。
「何も悪影響はなかったし、全然平気だったし、きわめてイージーだった」
今年1月、PGAツアー選手でメジャー2勝のジャスティン・トーマスが「PGAツアーをもっと良くしたい」という願いを込めて、次のような内容の提案書をツアー選手たちに向けて送っていたことが分かった。

〈僕たち選手とファンがもっと深くつながるためには、僕たち選手がメディアやテレビ局に対して、より多くの取材の機会を提供するべきだ。そうすれば、ゴルフ界はこれまでとは異なる世界になると思う。
マイクを付けてプレーしたり、ラウンドの途中でインタビューに答えたりといったことを、僕たち選手はもっと積極的にやったほうがいい。
何を隠そう、そう言っている僕自身が、昔はそういう取材依頼に対して「ノー!」と言って拒否する筆頭だった。ラウンド途中のインタビューなんて、まったく意味がないと思っていた。
でも、ファンはそういうことを望んでいることに気が付いた。僕たち選手が、こんなことは重要ではないし面白くもないと思っていることが、ファンにとってはとても意味のあることだったりもするものだと気づいたんだ。
最近、僕は「ヒーロー・ワールドチャレンジ」と「ザ・セントリー」で、ラウンド途中のインタビューに答えたけど、何も悪影響はなかったし、全然平気だったし、きわめてイージーだった〉
かつてはラウンド途中での取材を拒否していたと告白したトーマスが、一転して今度はそうした取材に積極的に応じることを他選手たちに勧めていることは少々驚きであり、喜ばしいことだとも思うのだが、同時にPGAツアー選手としてトーマスが抱いている一種の危機感も伝わってくる。
昨今、PGAツアーのTV中継の視聴率が着実に低下している傍らで、ブライソン・デシャンボーなどが自ら発信しているYouTubeチャンネルなどの人気は上昇を続けている。
そんな折、リブゴルフは2025年からのTV放映権契約をついに米FOXスポーツと締結したことを発表したばかりだ。
リブゴルフの25年シーズンは2月のサウジアラビア戦からキックオフする予定だが、そこで開始されるFOXスポーツによるTV中継がいきなり高い視聴率を記録しようものなら、PGAツアーの視聴率の低迷はその対比によって一層目立つことになる。
そんな不安や懸念が、PGAツアーのこれからを案じているトーマスに今回の提案書を書かせたのではないだろうか。
PGAツアーの行く末を案じているのはトーマスのみではなく、中堅選手のチャーリー・ホフマンも彼ならではの提言を口にした。
カリフォルニア州サンディエゴ出身のホフマンは、地元のトーリーパインズで開催されるPGAツアーの大会「ファーマーズインシュランスオープン」に幼いころから何度も足を運び、スター選手たちのプレーを間近に眺めては、PGAツアー選手になる夢を膨らませたという。
「タイガー・ウッズが出場し、勝利を重ねていた時代は、この大会の盛り上がり方はとんでもなくすごかった。でも、タイガー抜きになった昨今は、この大会はシグネチャーイベントに指定されていないこともあり、トッププレーヤーがほとんど出場せず、盛り上がらないし、輝きも失われている」
そう嘆いたホフマンは、この大会をもう一度輝かせるためにはどうしたらいいのかを考え、こんなことを言った。
「シーズンがハワイで開幕したら、その次は西海岸シリーズではなく、ツアーは温暖なフロリダへ行くほうがいい。西海岸は1月、2月は寒すぎるから、夏場の開催のほうが適している。それと、西海岸シリーズ、フロリダシリーズという具合に、数試合をシリーズ化することは本当に必要なのだろうか。僕はその点も疑問に思っている。そうしたことを含めて、PGAツアーのコミッショナーはツアー日程全体を再検討するべきではないだろうか」
単刀直入に選手として感じている疑問や意見を伝えたホフマンの提言は、とても意義あるものだと私は思う。
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