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- 似た場所からのパットだけ“先生”にしてても入らない! 違うラインも参考にしてカップイン率を高める“目の付け所”とは?
多くの男女ツアープロのコーチを務め、ゴルフ中継で解説も務めている石井忍が、国内外の試合で気になった選手やシーンをピックアップ。独自の視点で分析します。今回は、ツアー外競技マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーの開幕戦「マイナビカップ」で優勝した桑村美穂(くわむら・みほ)です。
これから注目の長身選手、桑村美穂
3月13日、14日の日程でマイナビネクストヒロインゴルフツアーの開幕戦「マイナビカップ」が千葉県の成田ゴルフ倶楽部で行われました。プロテスト合格を目指す若手女子ゴルファーに真剣勝負の場を提供する目的で発足したこのツアーは、今年で7年目を迎えます。

過去には昨年の国内女子ツアーで「BEST PLAY OF 2024」を獲得するなど注目を集める政田夢乃選手やレギュラーツアーで活躍中の泉田琴菜選手、一昨年のステップ・アップ・ツアーで2勝を挙げた大須賀望選手が同ツアーに出場。昨年のプロテストはステップ・アップ・ツアーでアマチュア優勝した都玲華ら、7人の同ツアー出身者が合格を果たしています。
そんな同ツアーの今季開幕戦で優勝したのは初出場の桑村美穂選手でした。彼女の特徴は、176センチの長身を生かしたダイナミックなスイング。もともとアイアンが得意なプレーヤーですが、今大会は特にショットがキレていました。象徴していたのが180ヤードある打ち下ろしの16番パー3です。多くの選手がハイブリッドでティーショットを打つ中、桑村選手は5番アイアンを選択。ライン出しでピンハイにつけるショットメーカーらしい1打を見せてくれました。
さて、今回はそんな桑村選手の最終18番パー4でのウイニングパットに注目しました。桑村選手は残り138ヤードからのセカンドショットをピン右奥6メートルにつけます。
同組でプレーした商崎鈴菜選手は右ヨコ約10メートル、早川夏未選手は右手前7メートル、千田萌花選手は左ヨコ5メートルにパーオン。四者四様のラインからバーディーパットを打つことになりました。
最初にパッティングした商崎選手のボールはラインに乗ったように見えましたが、惜しくも右に一筋外れます。2番目の早川選手は2グリップ分、右を向いてアドレス。下りのフックと読んで良いタッチでストロークしましたが、最後のひと転がりが左に切れずにバーディーとはなりませんでした。
続いて桑村選手です。商崎選手、早川選手のボールのスピード感やカップ際での止まり方を見ていた桑村選手は、絶妙なタッチとライン取りでストローク。カップ右端から流し込んでバーディーを奪い、この1打がウイニングパットになりました。
どの位置からでもスピード感、曲がり具合、カップ際は参考になる
桑村選手の位置から見ると、商崎選手は約90度左、早川選手は約60度右からパッティングをしたことになります。これだけ打つ場所が異なれば、「自分のラインとは関係ない」と思う人がいるかもしれません。
しかし、どの位置からでも同伴プレーヤーの打ったボールのスピード感や曲がり具合、カップ際のボール挙動は参考になります。特にライン読みが苦手な人は、他のプレーヤーのボールの転がりに注目してみてください。ラインや距離感をイメージしやすくなるはずです。
桑村 美穂(くわむら・みほ)
2005年生まれ、埼玉県出身。18年「KGA杯ジュニアゴルフ大会(女子12-14歳の部)」、19年「関東中学校ゴルフ選手権春季大会」で優勝。20年、21年は「日本女子オープン」に出場した。プロテストは2年連続で最終に進出している。25年はマイナビネクストヒロインツアーに参戦。176センチの長身を生かしたショットを武器に、開幕戦「マイナビカップ」で初出場初勝利を飾った。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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