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- 【解説】1日でチップイン3回! 吉田優利から学ぶ“アプローチ術”
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍(いしい・しのぶ)氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回は、国内女子ツアー「Vポイント×SMBC レディス」で優勝した吉田優利(よしだ・ゆうり)に注目しました。
吉田優利が見せた3つのチップインバーディー
吉田選手のスイングは、インパクトの剛性が強く、躊躇せずに強く振り切るのが特徴です。特にアイアンショットのキレ味は抜群で、右サイドの高さをキープしたままダウンスイングに入り、上からボールを叩くことができます。また、ショートゲームの技術も高く、今大会でも随所に光るアプローチがありました。

そんな吉田選手のプレーで注目したいのは、自己ベストタイの「64」をマークした第2ラウンドでの3つのチップインバーディーです。
ひとつ目は1番パー4の3打目。グリーン手前のエッジからパターを使い、9ヤードをカップインさせました。2つ目は3番パー4の残り8ヤードからの上げるアプローチ。出球は少し強くなったものの、ウェッジで球を浮かせてカップにねじ込みました。3つ目は14番パー4のグリーン奥からの約10ヤード。ウェッジでのランニングアプローチを選択してカップに流し込んでいます。
ひとつ目はパターで転がし、2つ目はウェッジで上げるアプローチ、3つ目はウェッジで転がすアプローチと、吉田選手はそれぞれ異なる打ち方でチップインバーディーを奪ったわけです。
ところで、グリーン周りからのアプローチを打つ時に、「どうやって打とうか」、「どのクラブを使おうか」と皆さんも考えますよね。自分の“引き出し”からどのように打ち方や番手を選択していますか?
最適解を見つけるには、最初に「転がすか、上げるか」を決めることが重要です。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、実はこれ私が教えている選手たちにも話している大切なポイントなんです。
イメージの中でボールを放ってみて判断する
「転がすか、上げるか」の判断が難しい時は、イメージの中でボールを放ってみてください。下手投げでボールを投げた時に転がした方が寄りそうか、上げた方が寄りそうか。イメージが良い方を選択しましょう。ただし、ベアグラウンドなどライが悪い時は要注意。上げるアプローチはトップやダフリが出る可能性が高いので「転がし」一択になります。
球筋を決めた後は、使用クラブを選択します。たとえば、「転がし」ならまずパターを使えるかを考えます。芝が長い時やグリーンまでの距離がある時、手前に傾斜がある時などはある程度のキャリーが欲しいので、他のクラブをチョイスするといいでしょう。
ちなみに、転がしのアプローチを打つ時は、左腕(リードアーム)とシャフトが一直線になるように構えるのがコツ。自然にハンドファーストの形になり、球を転がしやすくなります。
一方、上げるアプローチはグリップエンドをおヘソに向け、両腕とシャフトでY字をつくって構えてください。フェースを開かなくてもボールをフワっと上げることができます。アプローチの状況判断に迷った時は、ぜひ今回の話を思い出してください。
吉田 優利(よしだ・ゆうり)
2000年4月17日生まれ、千葉県出身。19年プロ入り。21年「楽天スーパーレディース」でツアー初優勝を飾り、同年の「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」でも優勝を手にした。23年「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で公式戦初制覇。24年シーズンからは米ツアーを主戦場としている。スポット参戦となった25年「Vポイント×SMBCレディス」でツアー4勝目を挙げた。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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