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- PGAツアーで生まれた“奇跡”のイーグルパット… 30メートル超えのロングパットでも3、4パットしないコツ
PGAツアーの解説も務めるゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎氏が、ツアーの第一線で活躍する選手のプレーを独自の視点で分析。今回は、PGAツアー「バレロテキサスオープン」で30メートル超えのロングパットを沈めた、パトリック・フィッシュバーンの一打に注目しました。
「上りの逆目」と「下りの順目」が合わさった複雑なライン
今回注目したのは、PGAツアー「バレロテキサスオープン」(4月3~6日)で生まれた“超ロングイーグルパット”です。最終日の17番で衝撃の一打を披露したのは、パトリック・フィッシュバーン選手。350ヤードほどの短いパー4で1オンに成功したフィッシュバーン選手は、約32メートルのイーグルパットに挑みます。
この超ロングパットを沈めてイーグルを奪い、続く最終ホールでもバーディーを奪取。上位陣が伸び悩む中、最終2ホールで3つスコアを伸ばして通算4アンダーとし、5位タイでフィニッシュしました。

30メートルを超えるようなロングパットは、その距離だけでもカップインが難しいはずです。しかし、フィッシュバーン選手のイーグルパットは難しい要素がさらにプラスされた状況でした。
開催地のTPCサンアントニオ キャニオンズ・コース(米・テキサス州)のグリーンはバミューダ芝。茎と葉が太い芝質のため、目がハッキリ出るのが特徴です。
グリーン手前に1オンしたフィッシュバーン選手の位置からは、出だし10メートルが上りの逆目で急ブレーキがかかり、その先が下りの順目で滑るようにボールが転がっていきます。この複雑なラインにプラスして、ピンフラッグが大きく揺れるほどのフォローの風が吹いていました。
PGAツアーのトッププレーヤーでも2パットなら十分。3パットしてもおかしくないシチュエーションでしたが、フィッシュバーン選手は見事にイーグルパットを沈めたわけです。
超ロングパットの場合はヨコの曲がりを無視してOK
さて、もしも皆さんがこのシチュエーションに挑むならどんな心構えで打ちますか?
ありがちなのは大オーバーでしょう。出だし10メートルの「上り・逆目」を気にするあまり、必要以上に強いインパクトになってしまうケースです。また、歴の長いゴルファーは「上り・逆目」の先にある「下り・順目」を警戒し、カップのかなり手前でボールが止まってしまうこともありえます。
大オーバーや大ショートしないためには、まず「1パットで決めよう」と思わないこと。入れるつもりで打つと余計な所に力が入ったり、緩んだりしてスムーズなストロークができなくなります。「5メートル以内に寄れば十分」くらいの余裕を持つと体が淀みなく動くはずです。
そのうえでボールの後ろに立ち、カップに正対して素振りをしましょう。カップを見ながら素振りをすると、目から入れた情報が手に伝わって距離をイメージしやすくなります。
また、超ロングパットの場合はヨコの曲がりは無視してOK。おおよそどちらに曲がるかを把握したら、あとはタテ距離を合わせることに専念するといいでしょう。
狙い所を決めるコツは「あの辺までボールを転がそう」ではなく、「あそこにボールを止める」と考えること。今回の状況であれば「上り・逆目を過ぎた山の傾斜の頂点にボールを止める」という意識で打つと距離を合わせやすくなります。
バミューダ芝のような芝目が強いグリーンでプレーする機会はあまりないかもしれませんが、日本のコースでも30メートル程度の超ロングパットを打つ機会はしばしばやってきます。3パットや4パット、5パットをしないために、今回のことを思い出してみてください。
パトリック・フィッシュバーン
1992年生まれ、米・ユタ州出身。ブリガムヤング大学卒業後、2018年にプロ転向。23年シーズンに下部のコーン・フェリーツアーで上位の成績を収めてレギュラーツアーへ。昇格1年目の24年シーズンは、持ち前のショット力を生かしてトップ10フィニッシュ5回と活躍。パーオン率は74.2%で1位を獲得した。25年シーズンは1月の「ソニーオープン」で6位、4月の「バレロテキサスオープン」で5位に入った。
【解説】吉田 洋一郎(よしだ・ひろいちろう)
1978年生まれ、北海道出身。世界のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回、米国、欧州へ渡り、ゴルフに関する心技体の最新理論の情報収集と研究活動を行っている。欧米の一流インストラクター約100名に直接学び、世界中のスイング理論を研究している。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。
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