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- S・シェフラーが“世界最強”に君臨するワケ 代名詞の“足をバタバタ”超個性的スイングがもたらす強さの秘密
PGAツアーの解説も務めるゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎氏が、ツアーの第一線で活躍する選手のプレーを独自の視点で分析。今回は「ザ・CJカップ・バイロン・ネルソン」を制したスコッティ・シェフラー選手が、大会3日目の15番で放った“ティーショット”に注目しました。
シェフラーの独特なスイングは「抜重」を使っているから
世界ランキング1位に君臨するスコッティ・シェフラー選手が「ザ・CJカップ バイロン・ネルソン」で優勝しました。
昨季は「マスターズ」や「ツアー選手権」などを含む7勝を挙げ、「パリ五輪」では金メダルも獲得しましたが、今季はここまで8戦に出場して未勝利でした。しかし、今大会は2位に8打差をつける通算31アンダーをマーク。初日から首位を守る別次元のゴルフを展開し、ツアー通算14勝目を手にしています。

今大会では随所でシェフラー選手らしいプレーを見ることができましたが、今回取り上げたいのは3日目の15番(パー3・216ヤード)のティーショットです。
左サイドに大きな池があるレイアウトでピンポジションは左端。持ち球はフェードのシェフラー選手ですが、このシチュエーションではドローボールを選択し、ピンそばにピタリとつけて見事にバーディーを奪いました。
シェフラー選手といえば、スイング中に両足が激しく動くのが特徴的です。PGAツアーの公式Xではこのショットのスロー動画が公開されていますが、右足が後ろに引けて左足はめくれ上がった状態でインパクトを迎えています。
「こんなに足元がバタバタしているのになぜ正確に打てるの!?」と、疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
実はこれ、「抜重」をしているからなんです。「抜重」とは、地面にかかる重さを抜くこと。武術などで用いられることが多い言葉ですが、ほかのスポーツでも重要とされる動きの一つです。
例えば、バスケットボールのジャンピングシュートを思い出してください。地面を蹴ってジャンプした後、体が宙に浮いて両足がブラっとした状態になりますよね。また、スキーやスノーボードでターンをする際も、「抜重」を使うことでスムーズに切り返すことができると言われています。
“抜重スイング”の大きなメリットとは
ゴルフのスイングでも「抜重」を取り入れることで回転スピードがアップし、再現性の高いスイングをしやすくなります。つまり、飛んで曲がらない球を打ちやすくなるわけです。
ポイントは「抜重」を入れるタイミング。トップから切り返しにかけて左サイドに踏み込んだ直後に「抜重」をします。目安としては、左腕が地面と平行になるタイミングです。この時点で「抜重」していないと、インパクトに間に合わなくなってしまいます。
「切り返しで左サイドに踏み込んだら踏み込み続けてインパクトする」「力を溜めてインパクトする」が理想の形と考えている人は多いですよね。しかし、シェフラー選手のインパクトはそれとは真逆。力が解放された状態、力を抜いた状態でインパクトを迎えているわけです。
「抜重」をスイングに取り入れるなら、まずは「力を溜めてインパクトする」から、「力を解放してインパクトを迎える」形にスイングの意識を変えることが大切。そして、ジャンプした状態でインパクトを迎えられるように素振りをしてみてください。
地面を蹴るタイミングや力を抜くタイミングが合ってくれば回転力がアップし、スイングの再現性がどんどん高くなっていくはずです。
スコッティ・シェフラー
1996年生まれ、米・ニュージャージー州出身。2018年にプロ転向し、19年に米下部ツアーで最優秀選手に輝く。レギュラーツアーに昇格した翌シーズンは、ポイントランキング5位でルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞。世界ランキング1位に上り詰めた22年は「マスターズ」でメジャー初制覇。24年の「マスターズ」で2勝目を飾り、同年の「パリ五輪」で金メダルを獲得。9月の「ツアー選手権」でも優勝を飾って年間王者に輝いた。ツアー通算14勝(メジャー2勝)。
【解説】吉田 洋一郎(よしだ・ひろいちろう)
1978年生まれ、北海道出身。世界のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回、米国、欧州へ渡り、ゴルフに関する心技体の最新理論の情報収集と研究活動を行っている。欧米の一流インストラクター約100名に直接学び、世界中のスイング理論を研究している。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。
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