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- 「自分は泣かないと思っていた」 抑えきれなかった思い… 涙さえ想定外だったウー・チャイェンの“心が揺れた”瞬間
「大王製紙エリエールレディス」最終日、後続と2打差の首位でスタートしたウー・チャイェン(台湾)が「67」をマーク。通算15アンダーでJLPGAツアー初優勝を飾った。3打差の通算12アンダー2位に佐久間朱莉(さくま・しゅり)が入った。
レギュラーツアーでは初めての最終日最終組
◆国内女子プロゴルフ
大王製紙エリエールレディスオープン 11月20~23日 エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県) 6595ヤード・パー71
通算11アンダーの単独首位で迎えた最終日、ウー・チャイェン(台湾)にはある覚悟があった。
「安全策ではなく、今日は思い切ってピンを攻めよう」。その言葉通り、スタートの1番からピン奥4メートルにつけるなど、積極的にピンを狙う。惜しくもバーディーパットは外したが、攻めの姿勢は崩さない。
4日間で最も難易度が高い3番パー3でも、ピンに対してアドレス。6メートルほど左上にオーバーしたが、しっかりと2パットで収めてパーセーブ。スコアを伸ばしていないものの、この日のビジョンに対してブレがないことは確認できた。
前半は1ボギーの「36」で終えたが、後半のハーフでついに攻めのマネジメントが実を結ぶ。なんと10番から3連続バーディーを奪取。10番パー4は3メートル、11番パー5は30センチ、12番パー3は1メートルを沈めてのものだ。
「レギュラーツアーでは初めての最終日最終組だったので、ちょっと緊張していましたが、後半に入ってからは自分のリズムでプレーできるようになりました」。155センチと小柄なウーだが、一度クラブを振れば、力強い弾道で狙った場所にボールを落とす。後半に入ると、スイングリズムと同時に力強さも戻り、それが飛距離と正確性を生み出した。

2位以下との差も広がったが、ラウンド中はスコアボードを気にすることなく、自分のスコアを通算15アンダーまで伸ばすことのみを考えていた。
12番を終えた時点ではまだ13アンダー。当然のようにその後も攻め続ける。14番パー4では3メートルにつけてバーディーを奪い、17番パー5では2オンを狙う。グリーン手前の両サイドには池が広がるだけに、決して無理をする必要はなかったものの、刻むつもりはなかった。
ピンまで残り208ヤード、5番ウッドを思い切って振り切ると、ボールは引っかけ気味にグリーン左サイドに向かって飛んで行く。なんとか池は越えたものの、グリーンを大きく外れ、ボールは左足下がりのライに止まっていた。
難しい20ヤードのアプローチを残しながらも、低く打ち出したボールはグリーン手前の土手に当てて勢いを弱める。そのままコロコロとグリーン上を転がり、ピンの3メートル上に止まるナイスアプローチだった。
それを沈めて、ついに通算15アンダーに達したウー。この時点でようやく勝ちを意識したが、そのまま逃げ切り、ついに念願のツアー初優勝を手にした。
「キャディーさんと目が合った瞬間に涙がこぼれてきました」
今季ツアー4勝を挙げて年間女王となった佐久間朱莉との優勝争いも、一向に引くことはなく自分のゴルフを貫いた。とても初勝利とは思えないほどの落ち着いたプレーぶりだったが、前日までは「自分のゴルフにまだ自信を持てない。まだ優勝するレベルにない」と語っていた。
しかし、ようやく優勝を手にしたことで、わずかながら自信も芽生えてきたようだ。「今回の優勝できっとこれからゴルフが良くなります」と珍しく前向きな発言をしたウー。今年の佐久間ではないが、1勝を挙げたことでゴルフが一気に成長する選手は意外と多い。ウーのゴルフも今後大きく変わる可能性は十分にある。
また、今回ウーはあることを発見した。「今まで、優勝した人がどうして泣くのか不思議でした。自分は勝っても絶対に泣かないと思っていたんです。ところが、キャディーさんと目が合った瞬間に涙がこぼれてきました」。
ステップ・アップ・ツアーで3勝を挙げたときは、涙がこぼれなかったウー。やはりレギュラーツアーで勝つ難しさを知っていたし、それが目前に迫っていたことでのプレッシャーが大きかったのだろう。そこから解き放たれたことで、感情が一気に爆発したのかもしれない。
目標だったツアー初優勝を飾ったが、次の目標は「年間女王になること」だという。残念ながら、今季は次戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で終了するだけに、目標達成は翌年に持ち越すしかない。
今季ツアー初優勝を飾ったのはウーで12人目だが、JLPGAツアーはいよいよだれが勝ってもおかしくない戦国時代に入った。
ウー・チャイェン
2004年3月25日生まれ、台湾出身。4歳からゴルフを始め、22年11月のプロテストに合格。神谷そら、仲村果乃、小林光希らと同期のJLPGA95期生。23年に下部のステップ・アップ・ツアーで3勝を挙げて賞金ランキング1位になり、同年12月の「JLPGA新人戦加賀電子カップ」も優勝。25年11月の「大王製紙エリエールレディス」でレギュラーツアー初優勝を飾った。
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