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- “弱点ナシ”は日本未上陸のデータが証明! 久常涼がPGAツアーで急浮上した理由とは?
米ツアー参戦2年目で一気に存在感を高めている久常涼(ひさつね・りょう)。好調の理由は感覚ではなく、スタッツに明確に表れていた。ティーショットからパッティングまで全分野で向上したストロークスゲインドを分析すると、トップ戦線に定着しつつある強さの本質が見えてくる。
PGAツアーでもトップクラスのティーショットを打つ選手に変貌
PGAツアーの今季5戦を終え、フェデックスカップ・ランキングで8位につける堂々たる戦いぶりを見せている久常涼。
初戦の「ソニーオープンinハワイ」こそ予選落ちに終わったが、次戦の「ザ・アメリカンエキスプレス」で今季初の予選通過を果たし44位に入ると、3戦目の「ファーマーズインシュランスオープン」では2位タイと米ツアー初優勝まであと一歩に迫る。続く「WMフェニックスオープン」で10位タイ、「AT&Tペブルビーチプロアマ」では初日首位発進を決めての8位タイフィニッシュと、3戦連続でトップ10に入る大躍進を見せている。
久常のいったい何がそんなに良くなったのか? PGAツアーで重視されているスタッツ「ストロークスゲインド」で見てみよう。

日本ではなじみがない数値であるストロークスゲインド(以下、SG)だが、端的にいえば「ツアーの平均に対して1ラウンドあたり何打上回るか」を表している。これを1ラウンドのプレー全体で見たのが「SGトータル」。基本的には平均スコアがツアー平均と同じなら「0」、ツアー平均より1打少ない選手なら「(+)1」、反対に1打多い選手なら「-1」となる。
さらにこれを「ショットリンク」(すべてのストロークを詳細にトラッキングするシステム)によって蓄積された統計データを基に、ストロークの分野毎に貢献度を分析したのが「SGオフ・ザ・ティー」(ティーショット)や「SGアプローチ・ザ・グリーン」(日本のゴルフ用語で使う「寄せ」の意味とは異なり、グリーンを狙うショットのこと)、「SGパッティング」といった指標。トータルで稼いだ打数のうち、どの分野でどれだけ稼いだか、それぞれのショットの貢献度、つまりは“強み”と“弱み”が一目瞭然となっている。
ざっくりいえば、例えば「SGトータル」が0(ゼロ)の平均的選手の「SGティー・トゥ・グリーン」(グリーンに乗せるまでのSGを足し合わせたもの)が-1で「SGパッティング」(パットの貢献度)が(+)1なら、基本的には「パターでもっている選手」ということになる。
さて、ここからが本題。久常の昨季と今季これまで(AT&Tペブルビーチプロアマ終了時)のSGを比べてみると、以下のようになる。
【久常涼 ストロークスゲインド 昨季→今季】
SGトータル:0.230(86位)→1.855(12位) ※ツアー全体に対して平均ストロークが何打上回っているか
SGティー・トゥ・グリーン:0.435(51位)→1.445(14位) ※グリーンに乗せるまでのストロークの価値
SGオフ・ザ・ティー:0.143(72位)→0.638(17位) ※ティーショットの価値
SGアプローチ・ザ・グリーン:0.151(71位)→0.393(53位) ※グリーンを狙うショットの価値
SGアラウンド・ザ・グリーン:0.142(46位)→0.414(27位) ※グリーン周りからの寄せの価値
SGパッティング:-0.205(141位)→0.410(49位) ※パットの価値
見事にすべてのSGが向上している。「SGティー・トゥ・グリーン」は0.435(51位)→1.445(14位)と、グリーンに乗せるまでのストロークで1打分以上の価値を向上させている。
なかでも特筆すべきは「SGオフ・ザ・ティー」で、昨年は(+)0.143で72位と“平均よりちょっと上”程度だったものが、今年は(+)0.638で17位と、PGAツアーでもトップクラスのティーショットを打つ選手に変貌している。実際、ドライビングディスタンスが297.5Y(144位)→306.6Y(84位)、フェアウェイキープ率も62.05%(70位)→67.86%(46位)と、飛距離も方向性も良くなっていることが見て取れる。
久常の能力示すレーダーチャートはきれいな五角形
一方、今季の数値そのものは目立ったものではないものの、昨季からの成長度合いで見ると目を見張るものがあるのがパッティングだ。昨季は-0.205で141位と“人並み以下”だったものが、平均を0.4打も上回り、大幅に向上したショットの足を引っ張っていない。PGAツアーの公式サイトに掲載されている久常のレーダーチャートはきれいな五角形を描いており、現在の久常を一言で表現するなら“穴のないオールラウンダー”ということができる。
対してキャリアを通じてパッティングが泣き所なのが松山英樹だ。
特に松山の2019-20シーズンはショットとパットの落差が凄かった。「SGティー・トゥ・グリーン」がずっとトップ5を外さないほどショットが冴え、年間通して2位(1.433)だったが、「SGパッティング」は170位(-0.469)というシード選手の人数を大きく超える下位に沈んだ。
松山の代名詞といえばアイアンの切れだが、このシーズンは「SGアプローチ・ザ・グリーン」の5位(0.690)に加え、「SGアラウンド・ザ・グリーン」も5位(0.458)と、ピンにつけるショットだけでなく寄せワンを取れるグリーン周りの技術も兼ね備えていただけに、コロナ禍で試合数が減った変則シーズンとはいえ、未勝利に終わったことを不思議に感じた人も多かったかもしれない。
今季の松山は「SGパッティング」が(+)0.401で51位と、100位以下がほとんどの例年に比べ良くなっているが、その代わり「SGオフ・ザ・ティー」が-0.444で140位とティーショットに苦しんでいる。それでも「SGティー・トゥ・グリーン」13位(1.519)、「SGトータル」8位(1.921)まで持ってきてしまうところが、日本の第一人者・松山英樹の凄さなのだが。
そういう意味で、今シーズンの久常はティーショットからパターまで万遍なく改善して、足を引っ張る弱点がないのが最大の強みといえるだろう。
SGはあくまでも相対的なものであるため、今後メジャーシーズンが近づいてトップ選手たちのエンジンがかかってくるにつれ数値は落ちてくるかもしれない。しかし、ペブルビーチの初日に、決して良くないショットを神がかったパットでカバーして「62」を叩き出したように、何かが悪ければ別の何かで補えるオールラウンダーの久常は、今後も安定した成績を残していきそうだ。もちろん、その先のPGAツアー初優勝にも期待しよう。
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