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- 漏れてきたガルシアへの警告の内容とは? ラウンド最中の“お叱り”はPGAツアーのマナー厳格化=罰打適用の前触れか
マスターズ最終日に起きたガルシアの“激昂事件”は、単なる感情爆発では終わらなかった。ラウンド中の異例の警告が示唆するのは、スコアに直結する罰則導入という新たな潮流。ゴルフ界の秩序を揺るがす「行動規範」の大転換が、いま始まろうとしている。
通常、ラウンド中の通知は罰打に関連するケース
今年のマスターズトーナメントの最終日、歴代チャンピオンのセルヒオ・ガルシアが2番ティーで自らのミスショットに激昂し、ティーイングエリアの地面に八つ当たり。ドライバーをフルスイングで2度叩きつけて芝をひどく損傷したうえ、しまいには脇に設置されたクーラーボックスでシャフトを叩き折るという“ショートテンパー”ぶりを見せました。
しかし、それから間もなく、4番グリーンで待ち構えていたオーガスタナショナルGCの競技委員長、ジェフ・ヤンと話し合うシーンがカメラに収められることに。
2人のやりとりについて、「トーナメントの『行動規範』に違反したとして警告を受けた」とするメディアもありましたが、ガルシアは会話の内容を明かすことを拒否。もちろん、マスターズ委員会からの発表もありません。

「行動規範」の違反に関しては、ジェネラルルールの規則1.2bで「委員会はローカルルールとして採用する行動規範の中にプレーヤーの行動についての委員会独自の基準を規定することができる」とあり、そのローカルルールのなかに「基準の違反に対する罰(例えば、1罰打や一般の罰)を含めることができる」。さらに「委員会はこの規範の基準に反する重大な非行に対してプレーヤーを失格とすることもできる」と定めています。
しかし――残念ながらマスターズのローカルルールを目にすることはできなかったのですが――PGAツアーのローカルルール(ハードカード)には、規則1.2b「行動規範」に対するペナルティーの規定はありません。
「行動規範」のペナルティーが書かれているのは『プレーヤーズハンドブック&競技規程』で、「CONDUCT UNBECOMING A PROFESSIONAL(プロゴルファーとして相応しくない行為)」として、競技中に限らず練習ラウンドやホスピタリティーイベント中でも、プロとしてふさわしくない行為(ドーピング違反も含む)を行った会員は罰金(重い違反は2万ドル超)や競技出場停止といったペナルティーが課せられると記載されています。
しかし、こうしたペナルティーがプレーヤーに通知されるのは、通常は競技終了後もしくは大会終了後で、ラウンド中に知らされることは考えられません。ラウンド中にあるのは、スコアに加算される罰打が関わるケースです。
オーガスタが新たに導入した行動規範ポリシーで今後は他競技団体にも
そこで、今回のガルシアとジェフ・ヤン委員長との会話ですが、やはり罰打に及ぶ内容だったのでしょうか? とすれば、マスターズはローカルルールで「行動規範」に対する罰打のペナルティーを新たに設けたと考えられます。
この疑問に対する答えを、先日、CBS解説者のジョンソン・ワグナー(ツアー通算3勝)がYouTube番組のなかで次のように解説しています。
「PGAツアーの規則並びに審判委員会の副委員長で、マスターズの規則委員でもあるスティーブ・リントウルが毎週火曜日に私のラジオ番組に出演してくれるので、その件を尋ねました。リントウルによれば『オーガスタナショナルが今年、新しい行動規範ポリシーを導入しました。それは今後、PGAツアーやDPワールドツアーをはじめ、R&A(全英オープン)、USGA(全米オープン)など、あらゆる競技団体が採用しようとしているものです』とのことです。今回、その先陣をオーガスタが切ったわけです。ジェフ・ヤンがガルシアに言ったのは『今回は、当クラブの行動規範に対する初の違反だ。もし、このラウンドで再び何かすれば、重大な結果を招くことになる』といった話だったと思います。重大な結果とは、失格処分なのか、罰打なのかは分かりませんが、これが事実だろうと断言できます」
ワグナーのこの発言を報じた米Yahoo! Sportsは、その記事の最後を「ゴルフの各統括団体は、今回のガルシアのような行為にうんざりしており、今後は厳正に処分されるだろう」と結んでいます。
また、これより先にAP通信はツアー関係者の証言として「PGAツアーは競技における行動規範を策定中で、マスターズがそれを先に初めて適用した大会になった。全米プロゴルフ選手権もこのポリシーを採用する予定で、他の2つのメジャー大会も同様となる可能性が高い」という談話を紹介。そして、ペナルティーの内容は、1回目の違反は警告ですが、2回目は2罰打、3回目は失格と解説しています。
この罰則規定がPGAツアーをはじめ、各競技団体のローカルルールに明記されるとすれば、ガルシアの一件はマスターズにおける史上初の「行動規範」の警告というにとどまらず、期せずして「行動規範」に対する競技団体の姿勢の大転換を示す歴史的な出来事だったようです。
なお、日本においては日本ゴルフ協会の「ローカルルールと競技の条件」、いわゆるハードカードの「行動規範」の項に、違反となる行動例、そして「行動規範の違反の罰」が記載されています。罰の内容は「最初の違反:レフェリーからの警告、あるいは競技委員会による制裁」「2回目の違反:1罰打」「3回目の違反:2罰打」「4回目の違反や重大な非行:失格」。
前述マスターズで伝えられるものよりやや軽い内容です。幸い、このペナルティーを課せられた選手はまだいないようです。
文・小関洋一
出版社、編集プロダクションを経て83年からフリーランスライターに。テレビ誌・トレンド誌などで主にスポーツに関する記事を執筆。テレビ、ラジオのスポーツ番組の構成も手掛ける。その後はゴルフ誌やネットメディアで内外の最新情報やゴルフ場レポート、ルール解説を執筆。JGAやKGA競技のオフィシャルライターも務める。東京ゴルフ倶楽部や日本ゴルフ協会の年史制作に携わっており、ゴルフ史に関する執筆機会も多い。
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