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- 横峯さくらが“フットサル育成”を支援… 一体なぜ? ツアー23勝の元賞金女王が始めた「SAKURA BATON」の真意
国内ツアー通算23勝の横峯さくら(よこみね・さくら)が立ち上げた次世代支援プロジェクト「SAKURA BATON(さくらバトン)」。競技の垣根を越え、フットサルFリーグ「フウガドールすみだ」の育成世代を支援する取り組みに込めた真意と、その舞台裏に迫る。
「今までいただいたバトンを次の世代に」
国内ツアー通算23勝の横峯さくらが立ち上げた次世代支援プロジェクト「SAKURA BATON(さくらバトン)」。ゴルフ界のみならず競技の垣根を越え、フットサルFリーグ「フウガドールすみだ」の育成組織(U-12/U-15などトップチームを除く全カテゴリー)のユニホーム胸スポンサーとして活動資金を支援するという異例の取り組みを始めた。
プロジェクトにかける真摯な想い、そして発足の舞台裏について、横峯本人とキャディーとしてツアー帯同を続ける夫の森川陽太郎氏に話を聞いた。

プロジェクト発足の原動力となったのは、一人の「母親」となり、現役アスリートとして年齢を重ねる中で芽生えた、“周囲への感謝”と“次世代への強い想い”だ。
「今まではゴルフを通じて多くの方と出会い、さまざまな経験をさせていただいたり、スポンサーの支援で試合にも出場してきました。今、この年齢になった時に『私にも何かできることはないかな』と思ったんです。子どもたちがのびのびとプレーできる環境作りに、少しでも役に立ちたい。今までいただいてきたバトンを次の世代につなぐ、そんな形にできたらいいなという思いから『SAKURA BATON』と名付けました」
かつてツアー転戦に追われていた時期は、継続的な活動へのステップを踏み出すのは容易ではなかったという。しかし、米女子ツアーへの参戦経験や、2021年に長男が生まれたことが大きな転換点となった。
「アメリカで出会って、私たちの家族になったうちの犬も保護犬なんです。知り合いを通して難病支援の社団法人とのご縁があったり。本当にどういう形で役に立てるかをずっと考えていました」
競技を越えた「家族ぐるみの絆」
ゴルフではなく、なぜ“フットサルの育成組織”への支援なのか。そこには、夫である森川氏と「フウガドールすみだ」との深い歴史があった。
「入り口は夫でした。夫がフウガドールすみだのメンタルトレーナーをしていた時からの親しいお友達で、代表の須賀雄大さんとも友人としてお付き合いがあって。自然な形でこの話につながりました」
発案者である森川氏も、この活動を「人生を通してやっていける活動にしていきたい」と語る。
「僕らはやっぱりジュニアの子たちの環境を良くしたいというスタンスでした。さくらがおばあちゃんになっても、自分が現役時代に世界やいろいろな人からもらったバトンを、子どもたちにつなげられる活動にしていければと思っています」
支援を受けた子どもたちが成長し、世界へ羽ばたいていくこと。そしてまた次の世代へバトンをつないでいく“支援の循環”こそが、このプロジェクトの理想の形だ。
「ジュニアゴルファーへの支援は、個人競技という特性もあって今は具体的に考えていませんが、まずはフットサルを通して、そこからいろいろな可能性を広げられたらうれしい。いつか支援した子どもたちが大きくなって『あの時の支援がすごく助かった』と振り返って、また次の誰かにバトンを渡してくれたら、ものすごく意味のあることだと感じます」(横峯)
「さくらバーディ基金」で寄付活動
「SAKURA BATON」のもう一つの大きな柱が、横峯自身のシーズン成績と連動した「さくらバーディ基金」だ。
バーディ1つにつき1000円、イーグルで2000円、ホールインワンで1万円など、自身のスコアに応じた金額が、日本財団(難病児支援)やクリステル・ヴィ・アンサンブル(犬猫保護)へと寄付される。
24年はバーディ176個(176,000円ずつ寄付)、25年はバーディ176個・イーグル2個・ホールインワン1個(209,000円ずつ寄付)と、着実に実績を積み重ねてきた。
「今は子どもたちのプレーや頑張る姿から、私自身が現役を続けるためのパワーを本当にたくさんいただいています。だからこそ、一番分かりやすいこの基金を通して、私自身もたくさんバーディを取れるように頑張りたい」
“トップアスリート”として社会に何を還元できるか――。海外では定着しているアスリートのチャリティー文化を、日本でも自分らしい形で体現する横峯さくら。
一歩ずつ、しかし確実に、彼女が放つ「バトン」は、未来のトップアスリートたちの夢を咲かせるための大きな力となっている。
文・金明昱
1977年生まれ、大阪府出身の在日コリアン3世。新聞記者として社会・スポーツ取材など幅広い分野を担当。その後、編集プロダクションを経てフリーに転身。2010年、サッカー北朝鮮代表の南アフリカW杯出場決定後、日本メディアとして初めて平壌で代表チームを取材し、『Number』に寄稿。2011年から女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子プロとも親交を深める。現在は女子ゴルフとサッカー、アスリートインタビューなどを中心に雑誌やWEB媒体に寄稿。著書に「イ・ボミ 愛される力」(光文社)。
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