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「これを入れれば自己ベスト」が入らない… 7人プレーオフを制した“勝負強さ”に学ぶプレッシャーに負けないパッティング術
PGAツアーの解説も務めるゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎氏が、ツアーの第一線で活躍する選手のプレーを独自の視点で分析。今回は、国内女子ツアー「資生堂・JAL レディスオープン」で初優勝を飾った倉林紅(くらばやし・こう)選手のパッティングに注目しました。
まずは体を平常モードに戻す
前週の国内女子ツアー「資生堂・JALレディスオープン」は、通算12アンダーで並んだ7人によるプレーオフにもつれ込みました。
プレーオフに進んだのは永井花奈、宮澤美咲、菅楓華、神谷桃歌、倉林紅、前多愛、そしてアマチュア・長澤愛羅の7選手。1ホール目でバーディーを逃した菅選手が脱落すると、2ホール目で倉林選手が約3.5メートルのバーディーパットを沈め、唯一バーディーを奪ってツアー初優勝を飾りました。

一般ゴルファーの皆さんが「このパットを決めればツアー初優勝」という場面を経験することはないかもしれませんが、「このパットで100切り」「90切り」「自己ベスト更新」といった大一番など、「絶対に決めたいバーディーパット」に直面することは誰にでもあります。
そうした場面では、普段通り打てれば入るはずの距離でも、プレッシャーから思うようなストロークができなくなるものです。では、大事なパットで実力を発揮するには、どのような準備をすればいいのでしょうか。
まず大切なのは、体の状態をできるだけ平常時に戻すことです。プレッシャーがかかると呼吸は浅くなり、脈拍も速くなります。すると重心が高くなって体がフワフワした状態になり、本来の動きができなくなります。
そんな時は、パットを打つ前に軽く足のストレッチをしたり、その場で軽くジャンプをしたりして重心を落としましょう。そのうえで意識的に深呼吸を行い、呼吸と脈拍を整えることで体の緊張が和らぎます。
距離の倍を打つイメージで素振りを
次に取り入れたいのが、大きめの素振りです。緊張している時は、脳から体への指令がスムーズに伝わりにくくなり、ストロークが小さくなったり、インパクトで緩んだりしやすくなります。その結果、ショートするだけでなく、手で距離を合わせようとしてパンチが入り、オーバーするケースも少なくありません。
こうしたミスを防ぐには、実際に打ちたい距離の倍ほど転がすイメージで素振りを行うのがオススメです。さらに、フォローまでヘッドを加速させる意識を持つことで、インパクトで力加減を調整する動きが減り、安定したストロークにつながります。
最後のポイントは、狙いどころを少し先に設定することです。最低でもカップの30センチ先、特にプレッシャーを感じやすい人は1メートル先に仮想のカップをイメージしてストロークしてみましょう。
深呼吸やストレッチ、大きな素振りで準備を整えても、本番では無意識にインパクトが緩んでしまうことがあります。あらかじめ少し先を狙うイメージを持っておけば、多少緩んでもボールをしっかりカップまで届かせやすくなります。
これらは本番でいきなり試すのではなく、普段の練習から取り入れることが重要です。「このパットを決めれば自己ベスト」「これを入れれば100切り」といった場面をイメージしながら練習し、成功したらガッツポーズをして成功体験を脳に刻み込みましょう。そうした積み重ねが、本番でもプレッシャーに負けないパッティングにつながっていきます。
【解説】吉田 洋一郎(よしだ・ひろいちろう)
1978年生まれ、北海道出身。世界のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回、米国、欧州へ渡り、ゴルフに関する心技体の最新理論の情報収集と研究活動を行っている。欧米の一流インストラクター約100名に直接学び、世界中のスイング理論を研究している。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。
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