初優勝まであと一歩 工藤遥加は最終日に失速し15位タイでフィニッシュ
大会3日目を通算9アンダーの単独首位で終え、最終日を迎えた工藤遥加。プロ11年目にして最大の見せ場となるはずだった。
最終日・最終組という重圧もあっただろうか。1番をパーとし、2番でバーディーを奪ったあとの3番パー3(150ヤード)で流れが変わった。

グリーン手前に池が広がるホールで、カップも厳しい位置に切られていた。8番アイアンで打ったショットは池に入り、3オン3パットでトリプルボギー。優勝争いから脱落すると、6、7番でも連続ボギーと完全にリズムが狂った。
しかし、スタート前は特に緊張感はなかったという。
「自分のペースでやろうと思って出だしも悪くなかった。3番のダブルボギーのあとも、パー5もあるのでバーディーを2つ取り戻せばいいと思っていました」。
気持ちの面では目の前の一打に集中しようと心がけていたのだろうが、プレーしたものにしかわからない独特の緊張感はあったはずだ。後半も3つボギーを叩いて79とし、15位で大会を終えた。
今大会、工藤が注目を浴びたのは、プロ野球・ソフトバンクの工藤公康監督の長女ということもある。それでも、「家族からは特に連絡はありません。いつもないです」と淡々としたもの。同じアスリート同士、厳しいプロの世界で戦っているからだろうか。何も話さなくても、そこは理解している部分もきっとあるはず。父の公康も娘のスコアが気になって仕方がなかったに違いない。
試合では勝みなみに逆転優勝を許した工藤。「終わってしまった。何も言い訳はない。楽しめたかというと楽しめなかった。次はウェッジでピンを狙っていけるように調整したい」と笑顔なく終わったが、最終日・最終組で戦えたのは成長の証だ。
プロ11年目ながら、まだシードを獲得したことがない工藤。今大会を教訓に上位浮上のきっかけをつかみたいところだ。