敗因はセルフプレー!? 矢野東が2週連続トップ5入りを果たす【パナソニックオープン最終日情報】

パナソニックオープン最終日、44歳のベテラン・矢野東が一時は単独首位に立つも、終盤でスコアを伸ばせず首位と2打差の4位タイに終わる。それでも、翌週の出場権を獲得。賞金シード復活のチャンスを自ら広げた。

12番のチップインイーグルで一時は単独首位に立つ

◆国内男子プロゴルフ<パナソニックオープン 9月23~26日 城陽カントリー倶楽部(京都府) 6967ヤード・パー72>

 44歳のベテラン、矢野東の勢いは衰えていなかった。

セルフプレーで4日間を戦い抜いた矢野東 写真:JGTO Images

 最終日も68をマークし、通算16アンダーまでスコアを伸ばすと、今期自己ベストに並ぶ4位タイでフィニッシュ。

 Sansan KBCオーガスタの4位タイ、ANAオープンの5位タイに続くトップ5入りだ。「本当は土日の決勝ラウンドは、テレビ中継の解説をする予定だったんですけどね。スケジュール帳には日当の金額まで書き込んでいたぐらいです。女房には日当よりも稼いでこいと言われました」と笑顔を見せる。

 今回手にした賞金は580万円。無事、解説の日当を大きく上回ることに成功した。それどころか今期の獲得賞金は1618万8633円となり、賞金ランキング41位にまで浮上、賞金シード復活も見えてきた。

 矢野と言えば、学生時代は星野英正、近藤智弘とともに三羽ガラスと呼ばれ、プロ転向後もツアー3勝を挙げるなど活躍。02年から16年までシードを手放したのは一度だけだった。17年に右ヒジの手術をした後は、思うような成績を残せていなかったが、昨年末のファイナルQTで1位となり、今年の出場権を獲得。前半戦の成績は今ひとつだったが、夏場以降にようやく調子を上げてきた。

 今大会でも3日目を終えて首位と3打差の7位タイという好位置につけ、虎視眈々と上位を狙いながら最終日をティーオフ。12番パー5ではグリーン手前の花道からチップインイーグルを奪う。グリーンにボールを落とした後、スライスラインに乗せる見事な1打だった。

 この時点で単独首位に立ち、13年ぶりのツアー優勝も見えた。しかし、13番パー4ではティーショットを右の林に打ち込んでボギー、16番パー5では第3打をグリーンオーバーした後、3パットでダブルボギーを叩き、優勝争いから脱落した。それでも、17番パー4では第2打をピンそばにつけてバーディを奪い、意地を見せた。

次週の出場権を獲得したことで、直近の目標はキャディ探し!

「ラウンドの途中から雨が降り、濡れないことばかりに集中しちゃって、16番では残り距離の計算を間違えてしまいました。ダブルボギーは痛かったですけど、自分の調子なりのスコアを出せたかなと思います」と振り返る。

 シード選手の常連だった頃は、ゴルフに対してストイックな姿勢を見せ、トーナメント会場では目をギラつかせていた矢野だった。しかし、今年で44歳を迎えたせいか、ラウンド中にやさしい表情を見せることが多くなった。ミスをしても自分を攻めないことが、プレーの余裕にもつながっているのだろう。ダブルボギーを叩いた次のホールでバーディを奪えたのも、ミスを引きずらないからだといえる。

 惜しむらくはキャディが見つからず、セルフプレーになったことだ。距離の計算だけでなく、バンカーを直したり、キャディバッグが雨に濡れないようにしたりと、予想以上に作業が多く、自分のゴルフに集中し切れなかった。

 今回4位タイに入ったことで、次週開催のバンテリン東海クラシックの出場権を得たが、「次は絶対にキャディを見つけます」と誓っていた。ここ最近の調子を考えれば、矢野のリクエストに応じるキャディは多いだけに、容易に見つかるのではないか。
 
 優勝した中島啓太や3位に入った大岩龍一など若手の活躍はツアーを盛り上げるが、さらに中堅やベテランが優勝争いに絡むと、今回のようにトーナメント自体に活気が生まれる。矢野には今回に限らず円熟した技をどんどん見せて欲しいものだ。

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