アブロー氏デザインのシューズを実戦投入
黒人で初めてルイ・ヴィトンのメンズアーティスティックディレクターに就任したことで知られるデザイナーのヴァージル・アブロー氏が、がんにより死去したことがLVMH社の発表などで分かった。ファッション界の巨人の急逝にゴルフ界でいち早く哀悼の意を示したのが元・世界ランキング1位のブルックス・ケプカだった。

アブロー氏は建築の概念である「脱構築」をファッションのデザインで実践。自身の率いるストリートブランド「オフ-ホワイト」とナイキとのコラボレーション企画である「THE TEN」シリーズでは、ナイキの人気・名作スニーカーを鮮やかに再構成して世界中で争奪戦が繰り広げられるほど人気を博した。
ここで気になるケプカとアブロー氏の関係だが、それがまさに件の「THE TEN」シリーズをケプカが試合で履いたこと。ナイキ契約選手であるケプカは、同シリーズの「エアマックス90」がアッパーのデザインに取り入れられたゴルフシューズを2019年のシーズン最終戦・ツアー選手権で披露したのだ。
このシューズはついに商品化されることはなかったが、もし発売されれば、スニーカーヘッズのゴルファーが殺到し、10万円は下らないプレミア価格がついたに違いない。
ケプカは自身のSNSで以下のようにアブロー氏の死を悼んでいる。
「あまりにも早すぎる。しかし、レジェンドが死すことはない。あなたは“フォワード・シンキング”(訳すなら“将来を見据えた考え”か)で世界をずっと変えてきた。あなたのすさまじい決意の目撃者となれて光栄だ。ありがとう。安らかに眠れ。キング@ヴァージル・アブロー」
文面も読む限り、ケプカとアブロー氏の関係は契約選手が支給されたシューズを履いたという以上のものであったことがうかがえるが、正確なところは分からない。ただ、ケプカがアブロー氏の急逝に激しいショックを受けている全世界のファッション愛好者やスニーカーヘッズの1人であることは間違いないだろう。