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- パリを目指す五輪強化選手が決定も、日本国籍を選択した「世界7位の笹生優花が選外」のワケ
男子では松山英樹がメダル争い、女子では稲見萌寧が見事、銀メダルを獲得した東京オリンピックのゴルフ競技。次回のパリでも採用されるが、それに向けた強化指定選手が日本ゴルフ協会から発表された。
昨年の国内男女ツアー終了時の世界ランキング上位各8名
日本ゴルフ協会は2月9日、2024年のパリオリンピックに向けた男女各8名の強化指定選手を発表した。
強化指定選手は昨年の男女各ツアーの最終戦終了時点(男子はゴルフ日本シリーズJTカップ終了時の2021年12月5日、女子はJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ終了時の同11月29日)の世界ランキングで上位8名までの日本国籍を有する選手が選ばれる。
男女の強化指定選手はそれぞれ下記の通り。
【男子】
・松山英樹(18位)
・金谷拓実(49位)
・木下稜介(75位)
・星野陸也(104位)
・稲森佑貴(113位)
・谷原秀人(130位)
・香妻陣一郎(134位)
・今平周吾(140位)
※カッコ内は2021年12月5日時点のもの
【女子】
・畑岡奈紗(6位)
・古江彩佳(14位)
・稲見萌寧(16位)
・西郷真央(40位)
・西村優菜(42位)
・山下美夢有(63位)
・小祝さくら(64位)
・鈴木愛(65位)
※カッコ内は2021年11月29日時点のもの
なお、オリンピック強化選手に指定されると、国立スポーツ科学センター(JISS)及びナショナルトレーニングセンター(NTC)の施設を利用でき、メディカルチェック、フィットネスチェック、最先端の動作解析機器を使ったスイングチェックや栄養面、心理面、アンチドーピングの相談など、さまざまなサポートが受けられる。
また、「NTC 競技別強化拠点施設」である宮崎フェニックス・シーガイア・リゾートが特典付きで利用できる。国内屈指の名コースであるフェニックスカントリークラブを擁するシーガイア・リゾートは、ゴルフ競技の強化にフィットする強化器具類を設置するなど、プレー環境、トレーニング環境が整えられている。
選手に対しては国から選手強化費(航空運賃、宿泊費、プレー費等)が充当され、ほぼ負担なしでご利用でき、強化指定選手はコースラウンド、トレーニング及びコンディショニングの場として、オフシーズンの合宿等を含め、年間通して自由に利用できるという。
笹生は日本代表としての資格を得られるよう申請中
ここで気になるのは、昨年の全米女子オープンを制し、現在世界ランキング7位と日本人選手トップの笹生優花の名前がないことだ。東京オリンピックにフィリピン代表として出場した笹生は昨年12月3日に日本国籍を選択したが、規定にある11月末のJLPGAツアーチャンピオンシップ終了時よりも後だったためと解釈したが、念のためJGAに問い合わせると、少し違った回答が専務理事の山中博史氏から返ってきた。
「ゴルフの代表選手が国籍を変更するなどした場合、基本的には最後に出場した国際大会の開始時点から4年がたたないと新しい国の代表にはなれません。しかし、IGF(国際ゴルフ連盟)がケースごとの事情をガイドラインに照らして適当と判断すればその前に代表となることが認められます。現在、笹生選手はIGFに日本代表としての資格を取得できるよう相談しているところです」
一般にはあまり知られていないことだが、オリンピックの代表選手が国籍変更などで元の国の代表資格を喪失した場合、新しい国で資格を得られるまでの期間、条件等は各競技のIF(国際競技団体)、ゴルフで言えばIGFが決めている。国際大会はオリンピックだけでなく各競技に世界選手権等があり、競技ごとに事情も異なるため、考えてみれば当然のことだ。
特に今回は東京オリンピックが1年間先送りになったため、パリまでのインターバルは3年。本来の資格回復期間である4年を待っていてはパリオリンピックは終わってしまう。笹生は国籍を変えたわけではなく二重国籍の一方を選んだだけであるし、“情状酌量”の余地は十分あるように思える。
代表資格を回復すればオリンピックだけでなくIGFが定める国際大会の1つ、国別対抗戦の「インターナショナルクラウン」などにも日本代表として出場できる。早く日の丸を背負って戦う笹生の姿を見てみたいものだ。
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