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- 「稲見萌寧が今季も頂点に立つ可能性は高い」古閑美保が占う女子ツアー2022年シーズン
いよいよ今週末に開幕する国内女子ツアー。開幕から3戦目まで観客動員が決まっていること、獲得賞金よりもメルセデスランキングを重視するなど、昨シーズンとは変わった点も多い2022年女子ツアーを08年賞金女王の古閑美保が占う。
「引退するときまでパーオン率1位を死守したい」
ダイキンオーキッドレディス(3月3~6日、沖縄・琉球GC)で、まもなく開幕する2022年JLPGAツアー。11月末まで約9カ月間のツアーを古閑美保さんと展望する。第2回は、ロングシーズンで9勝を挙げて賞金女王になった稲見萌寧にスポットライトを当てる。
昨シーズン(2020-21)9勝を挙げ、賞金女王となった稲見萌寧。東京オリンピックでも銀メダルを獲得し、破竹の勢いを見せた。終盤、腰痛のために一時ピンチを迎えたが、見事に立ち直るしぶとさも見せた。
オフシーズンには新しいトレーナーと体づくりから始め、腰痛だけでなく長い間悩まされていた首周りの凝りにも対策は万全。前年女王として多忙な中でも、きっちりと練習時間は確保して開幕に備えている。
強さを支えるのはパーオン率1位(75.7688%)のショット力。だが、本人は満足していない。その前の19年(78.2079%で1位)より数字が劣るからだ。
ショットメーカーとして絶対の自信を誇り「80%を超えたい」と公言するパーオン率。この分野で誰かに負けることが許せないという思いも、正直に吐露している。「自分がゴルフを引退するときまでは(パーオン率1位を)死守したいんです。(19年の記録を)抜くのは自分だけ」と強いまなざしで口にしたのは、シーズンが始まる約1カ月前のことだ。
「稲見の練習量はすさまじいものがあります。いつも言っているのですが、日本の女子ツアーでは、練習量イコール成績。費やした時間が、結果になって返ってくると私は思っています。ケガや故障がなければ、今年もいい結果が出るでしょう」と、古閑さんも太鼓判を押す。
全盛期の不動裕理に近づいている?
6年連続賞金女王(00~05年)の永久シード選手、不動裕理と同郷(熊本県)で、同じ清元登子(故人)門下の妹弟子として、不動の全盛期を目の当たりにしている古閑さん。
「(パーオン率)100パーセントじゃない?っていうくらいの不動さんを見てるから」と言う。
その6年間の不動でも、実際にはパーオン率が一番良かったのは04年の72.7623%。他の部分も総合して強かったのは言うまでもないが、この数字を考えると稲見のパーオン率の高さは光る。
「ゴルフをうまくなりたい気持ちが強いので、練習をすればするほど(不動さんに)近づいていく。まだまだ伸びしろはあると思います」(古閑さん)と、楽しみな部分も多い。
「ケガや故障がなければ今年も強いと思います。私の師匠は古い人だったので『痛みはアドレナリンで消せ』『痛くなるくらい練習しなさい』と教えられた最後の世代。でも、現代でもケアをしながらやっていく方法はあるはず」と続けた。
試合数は増え、試合も54ホールから72ホールのものが多くなり、不動の全盛期以上に1シーズンを戦うことが選手にとってシビアになっているのは事実。
「完璧主義なので、ずっと100パーセントでいたい」と自己分析する稲見が、長いシーズンの中で、自分の心身のバイオリズムとどう向き合っていくのか。その辺りをうまくコントロールできれば、今年もナンバーワンになる可能性は十分にある。
開幕2週前には、楽天グループ株式会社(以下「楽天」)との新たな所属契約を結んだ稲見。今回の所属契約は3年だが「今のまま活躍して(通算30勝の)永久シードを取って、日本のゴルフ界の歴史に残るような選手になってほしい」(三木谷浩史代表取締役会長兼社長)と、全面的なバックアップ体制が敷かれている。
本人も所属発表の席で同社と契約する他種目のアスリートの名を挙げて「私は名前(の知名度)が低く感じるので、負けないようにしたい。いいプレッシャーにしていきたいです」と、さらに気を引き締めた。
「年間の目標を立てないタイプなので、まずは1勝することです」と、女王となった翌年も、堅実に実績を積み上げる姿勢を見せているだけに、今年はどんなプレーを見せてくれるのか。目が離せない。
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