パー4で40ヤードの第2打を直接カップイン!
渋野日向子がメジャー2勝目に向けて着々と準備を整えている。

トレードマークのスマイルが弾けたのは短いパー4の15番だ。グリーン手前、ピンから約40ヤードの第2打は、グリーン上で2バウンドして鮮やかにカップイン。イーグルだ。一瞬、驚いた表情を見せた渋野は、すぐに満面の笑みを浮かべると、小走りにカップに向かっていった。
米女子ツアーの今季第5戦で渋野にとっては2戦目のホンダLPGAタイランド最終日(現地時間13日、タイ、サイアムCC)、首位に6打差の通算15アンダー11位タイでスタート。3番でボギーが先行したものの、積極的なゴルフで7番、8番と連続バーディーで波に乗る。
14番で1メートルを沈めてこの日3つ目のバーディー奪取。続く15番のイーグルで通算19アンダーまでスコアを伸ばした。
この後、豪雨と雷により2時間30分の長い中断があったが、再開後も18番バーディーで4日間を締めくくった。通算20アンダー8位タイ。2試合目にしてトップ10入りし、3週後に待ち受けるメジャー初戦、昨年までANAインスピレーションとして行われていたザ・シェブロン選手権(3月31日~4月3日、カリフォルニア州ミッションヒルズCC)に弾みをつけた。
「今日は1ボギー。4日間でも3つ(のボギー)で済んだのがよかった。ショットは最後まで攻め切れていた。3パットもなくやり切れました」と、うれしそうに口にした渋野。出場できる試合が限られるだけに、その中で上位に入ってのシード獲得を誓った。
メジャーチャンピオンとしてすでに知名度は抜群
ツアーメンバーになって初めてのトップ10入り。ツアーにも徐々に慣れつつある。2019年の全英(AIG)女子オープン優勝者だけに、すでに顔と名前は売れている。一緒に回った選手や、キャディーに声をかけられることも多いと言うから、後は本人次第。持ち前の明るさでツアーに溶け込めば、シードどころか2つ目のメジャータイトルも見えてくるに違いない。
優勝は、ナンナ・コルツ・マドセン(デンマーク)。昨年の全英女子オープンで最終ホールダブルボギーを叩いて優勝を逃した苦い経験を払しょくした。
一時は4打差単独首位に立ちながら最終ホールにボギーを叩き、連続バーディーフィニッシュのリン・シユ(中国)に追いつかれるイヤな展開。全英の悲劇が頭を過ぎる流れだったが、最後は落ち着いてプレーオフに臨んだ。日没直前のサドンデス2ホール目をイーグルで締めて、ようやく栄光を手にした。
他の日本勢は、笹生優花がこの日のベストスコア「62」を叩き出して通算19アンダー12位タイ。4位タイでスタートした畑岡奈紗も1つしかスコアを伸ばせずに通算19アンダー12位タイで大会を終えている。