「あの1打やこの1打があるので……悔しいの一言です」
最終日は首位と1打差、3位で最終組に入った堀琴音。前日の会見では、「欲張りたいところですけれど、地道にコツコツいって、諦めないでいけたら最後の18番で優勝できればいいなと思っています」と語っていた。

昨年7月のニッポンハムレディスクラシックでツアー初優勝を果たし、賞金ランキング27位でシード復帰。2018、19年のどん底から完全復活を果たしていた。
ツアー2勝目がちらつくなか、最終日も前半は3番、4番、後半も15、16番で連続バーディーを奪い、4バーディー、ノーボギーの68でホールアウト。
しかし、通算12アンダーで先にホールアウトしていたサイ・ペイインに1打及ばず、2位タイで大会を終えた。
「あの1打やこの1打があるので……悔しいの一言です」
ボギーフリーの上々なラウンド。ただ、「特に後半はあともう少しで入ったとか、あの1打がっていうのが本当にいっぱいあった」と唇を噛んだ。
それにしても、常に不安と戦い、どん底にいた堀の姿はどこへやら。次の言葉からも成長がうかがえる。
「去年は最後の最後までドキドキ、ビクビクしながら回っていました。今年は立場も気持ち違うし、去年よりは自信がついてプレーできている。落ち着いてできているのが大きい」
「私の苦しかったときより姉のほうが今苦しい」
それに今もレギュラーツアー復帰に向けて戦う姉・奈津佳のことも気遣っていた。同じ苦しみを味わっているからこそ、分かり合えることもある。
「私の苦しかったときより姉のほうが今苦しいと思います。でも実の姉だし、心の底からもう一度優勝してほしい」
姉・奈津佳もツアー2勝してからは長らく低迷期が続いている。だからこそ妹は結果を残して姉に奮起してもらいたいと願っている。
「このままでは終われない」――そんな心の叫びが見えた今大会。2勝目もそう遠くはないことを印象付けるゴルフだった。