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- 手打ち抑制に効果的な“剣道ルーティン”とは? 注目の若手・大西魁斗が実践
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、『ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント』。6位タイでフィニッシュした大西魁斗のルーティンだ。
今季レギュラーツアートップ10入り5回の大西魁斗
6月9~12日、男子ツアーの新規大会「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」が開催されました。戦いの舞台になったのは過去に男子ツアーやシニアオープンを開催した福岡県の麻生飯塚ゴルフ倶楽部。
フラットな丘陵地に展開し、適度なアンジュレーションに広々と設計されているコースです。私は練習日に現地を訪れていたのですが、練習ラウンドを終えた時松隆光選手に話を聞くと、「ビッグスコアを出す選手が多そうです」と語っていました。
時松選手の予想通り、優勝した池村寛世選手のスコアは通算23アンダー。通算10アンダーの選手でも43位タイという伸ばし合いの展開になりました。ちなみに、時松選手は4年ぶりの通算4勝目を逃してしまいましたが、最終日を最終組で迎え、通算21アンダーでフィニッシュ。4位タイに入っています。
そんな同大会は、大会期間の4日間ともに、インターネットテレビのABEMAで長時間の生配信がされていました。放送時間が限られる地上波ではカットされるようなシーンもチェックでき、ゴルフファンにとって興味深い配信だったのではないでしょうか。
もしも今後、長時間の生配信でゴルフ中継を観る機会があったら、各選手のルーティンにも注目してみてください。「この選手はなぜ、この動作をルーティンに入れているのだろう」、「この選手のこのルーティンをマネしてみよう」など想像しながら観戦すると、中継をより楽しめるかもしれません。
選手によってさまざまなルーティンがありますが、今回紹介したいのは池村選手や時松選手と共に最終日最終組でプレーし、通算20アンダー、6位タイでフィニッシュした大西魁斗選手です。
大西選手は9歳で渡米し、ゴルフの腕を磨いた経歴の持ち主。アメリカでは、オールアメリカンにも選出されています。帰国後にプロ転向し、昨年ツアーデビュー。まだ優勝経験はありませんが、今シーズンのレギュラーツアーに8試合出場し、5試合でトップ10入りを果たすなど、成長著しい23歳です。
クラブを立てて胸の前でグリップを作る効果
そんな大西選手は、アドレスに入る前にこんな動作をしています。ボールの後方に立ち、剣道の構えのように胸の前でクラブを両手で握ってターゲットを確認。両手でグリップを作ったまま、アドレス位置に移動してセットアップしています。
クラブを立てて胸の前でグリップを作ると、ヒジが下を向き、両腕を外旋した状態になります。また、両ワキが軽く締まり、スイング中の手のアクションを抑制しやすくなります。
手打ちで打点や弾道にバラつきがある人は、大西選手のルーティンを参考にしてみてください。腕と体に一体感が生まれ、スイングが安定しやすくなるはずです。
大西魁斗(おおにし・かいと)
1998年生まれ、愛知県出身。9歳で渡米し、13歳でIMGアカデミーに入り腕を磨く。南カリフォルニア大時代にはオールアメリカンに選出される。21年にプロ転向し、日本でプロ生活をスタート。AMEBAツアーで賞金ランク15位に入る活躍を見せる。今季はレギュラーツアーでも成績を残し、初優勝が期待される若手のひとり。ZOZO所属。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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