全米オープン開幕! 日本勢はもちろんP・ミケルソンなどリブゴルフ参戦メンバーにも大注目

今季のメジャー第3戦・全米オープンが開幕する。今年は34年ぶりに米国・マサチューセッツ州のザ・カントリークラブが戦いの舞台となる。

ザ・CCで開催された過去3回はいずれもプレーオフ決着

◆米国男子ゴルフ<全米オープン 6月16~19日 ザ・カントリークラブ(マサチューセッツ州) 7254ヤード・パー70>

 難コースで死闘が繰り広げられる。第122回全米オープンは、現地時間16日、マサチューセッツ州のザ・カントリークラブで開幕する。

 小さくて傾斜の強いグリーンに、打ち上げ、打ちおろしになって落としどころが見えないティーショットも多く、ブッシュもあちこちにあるコースを、主催のUSGA(全米ゴルフ協会)がさらにタフなセッティングで仕上げている。

全米オープンでキャリアグランドスラムを狙う、最近何かと話題のP・ミケルソン 写真:Getty Images

 ザ・カントリークラブでの開催は4回目だが、1913年(優勝:フランシス・ウィメット)1963年(優勝:ジュリアス・ボロス)1988年(カーティス・ストレンジ)と過去3回はいずれもプレーオフの激戦となっている。

 連覇がかかるのはジョン・ラーム(スペイン)。トーリーパインズGC(カリフォルニア州)で行われた昨年大会では、上がり2ホールで連続バーディーを奪って、ルイ・ウーストヘーゼン(南ア)を下している。その後の優勝は、今季のメキシコオープンだけだが、世界ランキング2位をキープしている。

 これまで全米オープンで連覇を果たしたのは、ベン・ホーガン(米:50~51年)カーティス・ストレンジ(米:88~89年)ブルックス・ケプカ(米:17~18年)の3人だけ。

 4人目の栄光に向けて、ラームの武器となるのはツアーナンバーワンのパーオン率(72.34%)だ。フェアウェイキープ率は64.44%でツアー46位だが、徹底したコースマネジメントでその部分を補うことができれば、可能性はある。

 先週のカナディアン・オープンで優勝し、好調のまま現地入りしたローリー・マキロイ(北アイルランド)も優勝候補だ。平均ストローク68.842でツアーナンバーワンを誇り、フィールド全体のスコアからはじき出す“相対評価”であるストロークゲインド(SG)のティートゥ・グリーンでも1.888と1位。パッティング次第ではあるが、33歳と脂の乗った今、再び全米オープンのビッグタイトルに意欲を燃やしている。

 コングレッショナルCC(メリーランド州)で行われた2011年大会で初のメジャー優勝を飾った後、全米プロ2勝(2012、14年)、全英オープン(14年)とメジャー4勝を積み上げており、8年ぶりのメジャー5勝目に照準を定めている。

 約1カ月前の全米プロで優勝したジャスティン・トーマス(米)の存在も怖い。今季の優勝はこれだけだが、平均バーディー数が4.93で1位。平均ストロークも69.192でマキロイに次ぐ2位にいる。特筆すべきはボギーアボイダンス(回避率)が64.44%でツアーナンバーワンであること。972ホール(57ラウンド)プレーして109個しかボギーがないことは、タフな全米オープンでは大きな魅力。PGAツアーオフィシャルサイトでも、全米オープンパワーランキング1位になっている。

日本勢やリブゴルフ参戦メンバーにも注目

 日本勢は、2021年マスターズ王者松山英樹と、昨年のマコーマックトロフィー獲得者(世界アマチュアランキング1位)の中島啓太が出場。さらに、最終予選を米国で通過した星野陸也、香妻陣一朗、カナダで突破した小平智、日本で勝ち抜いた出水田大二郎、杉山知靖の7人が参戦。タフな舞台攻略に挑む。

 試合そのものとは別な意味でも注目が集まるのは、サウジのオイルマネーをバックにつけた超高額賞金のLIVゴルフとPGAツアーがもめているタイミングだからだ。

 大会を主催するのは前出のようにUSGAのため、PGAツアーが資格をはく奪したり、ツアーから脱退しているフィル・ミケルソン(米)やダスティン・ジョンソン(米)、ブライソン・デシャンポー(米)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)、ルイ・ウーストヘーゼン(南ア)らも出場しており、その動向とプレーにも注目が集まる。

 世界一タフだと言われる大会でのサバイバルゲームの幕が、間もなく切って落とされる。

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