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- 「メジャーに強い渋野日向子」をデータが裏付け! シブコが現役選手でNo.1の記録とは?
多くのゴルフファンを寝不足にさせた、AIG全英女子オープンでの渋野日向子の活躍。予選落ちが続いていたとは思えない戦い振りで「メジャーに強いシブコ」を印象づけた。
メジャートップ5率が29%で現役選手No.1
予選落ちを繰り返していた絶不調がまるでウソだったかのように全英女子オープンで渋野日向子が躍動した。
初日に日本選手の大会ベストスコアを更新する65をマークして首位に立つと、その後も上位を維持して優勝争いを繰り広げる。最終的にはアシュリー・ブハイとチョン・インジのプレーオフにわずか1打及ばずの3位に入り、またもやメジャーで存在感を見せつけた。
渋野はメジャーの大舞台になると輝きを増すタイプだ。今回がメジャー出場14試合目だったが、トップ5入りが早くも4回目となる。その詳細は以下のとおりである。
大会 順位 スコア
2019年全英女子オープン 優勝 -18
2020年全米女子オープン 4位 -1
2022年シェブロン選手権 4位 -10
2022年全英女子オープン 3位 -9
メジャーでの5位以内が4回というのは日本選手歴代2位に並ぶ数字である。歴代1位は岡本綾子の12回でダントツだ。4回は宮里藍と畑岡奈紗。この3人は米女子ツアー優勝数日本選手1~3位(岡本17勝、宮里9勝、畑岡6勝)という実力者ばかりだ。
注目したいのは渋野のスピード感である。前述の3人が4回目のトップ5に入った試合数は岡本が16試合目、宮里が21試合目、畑岡は22試合目。渋野は世界ゴルフ殿堂入りを果たしている岡本よりも、世界ランキング1位経験者である宮里よりも早く4回目のトップ5を記録したのである。
同学年の畑岡とはトップ5率で比較してみよう。畑岡は今回の全英女子オープンが通算24試合目のメジャーだったからトップ5率は17%となる。対して渋野は29%の高確率。安定感では間違いなく畑岡に軍配が上がるが、一発上位に来る確率は渋野の圧勝である。
渋野のトップ5率の高さは日本選手の中に限ったことではない。世界トップクラスと比較しても目立っているのだ。
全英女子オープン開催時(8月1日付)の世界ランキング1~5位のトップ5率は1位のコ・ジンヨンが24%、2位のミンジ・リーが17%、3位のネリー・コルダが13%、4位のリディア・コが22%、5位のブルック・ヘンダーソンが15%である。渋野を上回る者は誰もいないのだ。
カリー・ウェブより上、特筆すべき渋野のトップ5率
世界ランキング50位以内まで枠を広げても渋野よりもパーセンテージが高い選手はいない。渋野以外で最も高いのはメジャー2勝を挙げているユ・ソヨンの28%である。メジャー7勝のパク・インビですら23%でしかない。渋野はまだ出場試合数が少ないとはいえ、現役選手の中では世界一といっていいくらい高いトップ5率を誇っているのだ。
すでに第一線を退いているレジェンドクラスはどうか。唯一メジャー5冠のスーパーグランドスラムを達成しているカリー・ウェブは25%、韓国にゴルフブームを巻き起こしたパク・セリは20%、岡本は23%だった。現時点では渋野のほうが上だ。
21世紀に現役でプレーしていた主な選手で渋野を上回っているのはアニカ・ソレンスタム(40%)とロレーナ・オチョア(30%)くらいしか見当たらない。それほど、渋野のトップ5率の高さは特筆すべきものなのだ。
渋野はトップ5に入った4大会すべてで単独首位を経験している。2019年全英女子オープンは3日目に単独首位に立って優勝。2020年全米女子オープンも単独首位で最終日を迎えたが、この時は逆転を喫している。今年のシェブロン選手権では2日目に単独首位。そして今回の全英女子オープンは初日に単独首位だった。
また、シェブロン選手権以外の3試合は最終日最終組でプレー。勝てなかった大会でもメジャー最終日最終組の重圧の中で大崩れすることなく踏ん張っていることは高く評価できる。
今年のメジャーはすべて終わったが、シーズンはまだ続く。今度はツアーメンバーとしての米女子ツアー初優勝の朗報を待ちたい。
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