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- 「何もできない1日でした」渋野日向子は大乱調28位タイ 古江彩佳は2打差惜敗【米女子ツアー】
米女子ツアー、アメージングクリ・ポートランドクラシック最終日、ともに米ツアー2勝目を狙ってスタートした古江彩佳と渋野日向子だったが、古江は2打差3位タイ、渋野はスコアを崩し、28位タイに終わった。
「優勝できず悔しい気持ちが次につながる」
◆米国女子プロゴルフ<アメージングクリ・ポートランドクラシック 9月15~18日 コロンビアエッジウォーターCC(オレゴン州) 6478ヤード・パー72>

優勝を狙った古江彩佳、渋野日向子の日本勢2人だったが、残念な結果に終わった。
米女子ツアー、アメージングクリ・ポートランドクラシック最終日(現地時間18日)、古江は通算13アンダー首位タイ、渋野は1打差4位タイで臨んだ。古江はトラストゴルフ・スコティッシュ女子オープン以来、渋野は2019年全英女子オープン以来の、いずれもツアー2勝目を狙ってのラウンドだ。
比較的フラットだが、高い木々がホールをセパレートするコロンビアエッジウォーターCCでの米女子ツアー競技は、名称こそさまざまに変わったが歴史が長い。日本勢も、岡本綾子(1986年)、宮里藍(2010年)、宮里美香(12年)の3人が優勝しており、日本のオールドファンには親しみのあるコースでもある。
最終組の古江は、どちらも初優勝がかかるアンドレア・リー(米)リリア・ヴ(米)と同じ13アンダーでスタート。穏やかなコンディションの中で静かにパーを重ねていく。
5番、7番のパー5でしっかりとバーディーを奪い、バーディー合戦の優勝争いについていく。ところが、8番パー3のティーショットが池に捕まって暗転。何とかボギーに収めたものの、続く9番も右のバンカー淵のラフからボギー。スタート時の13アンダーに後退してしまう。
重苦しい雰囲気を吹き飛ばしたのは10番だ。パー5の第2打に7Wを持ち、グリーン手前のカラーまで運ぶと、パターで5.5メートルをきれいに沈める鮮やかなイーグル奪取。拍手に右手を挙げて応えた古江は、続く11番もバーディーで通算16アンダー。混戦模様の優勝争いにしっかりくらいつく。
16番でも13メートルの難しいスネークラインを沈めてバーディーを奪ったが、踏ん張りもここまで。同じホールでバーディーを入れたリーが19アンダーまで伸ばし、混戦を抜け出して優勝した。通算17アンダーの古江は、2位のダニエラ・ダクア(エクアドル)の18アンダーにも及ばず、3位タイに終わった。
「なかなか自分のプレーができなかった中、アンダー(パー)で回れたのはよかった。優勝できなくて悔しい気持ちがありますが、それが次につながるかなと思います」と、2勝目に向けて意欲を燃やす古江。次の戦いが待たれる。
「今日みたいなゴルフをしてしまうと全部台無し」
渋野は苦しい戦いを強いられた。スタート前はいい笑顔を見せていたのだが、2番、3番と続けてボギーが先行。5番では1.5メートルのチャンスを決めきれない。7番バーディーで1つ取り戻したが、9番では4メートルから3パットのダブルボギーを叩いてしまう。
10番で1.5メートルのパーパットを沈めて落ち着いたのも束の間、11番の第2打がカート道にはねて林の中のブッシュに捕まる。ラフに出すのがやっとで、5メートルに4オン。2パットでこの日2つ目のダブルボギーだ。
14、15番連続バーディーの後、17番ボギーで通算8アンダー。多くの選手がスコアを伸ばした上位スタートの中ではただ1人オーバーパーのプレーで、28位タイと悔しい最終日になった。
2試合連続予選落ちの後、優勝が狙える位置にいながら最終日に急降下したとあって、渋野の表情は厳しい。
「今日は何もできない1日でした。クラブ選択もショットもよくなくて、いい流れをつかみきれなかった。4日間ちゃんとした内容のゴルフをしないと上に行けない。今日みたいなゴルフをしてしまうと、全部台無し。昨日までの3日間がなかったようになってしまう。1日、1日をしっかりいろんなものを積み重ねて、それをいい状態に持って行かないといけないと思います」と、反省しきりだった渋野。シーズン終盤に、何とか結果を出したいところだ。
優勝したリーは、1998年生まれの24歳。日本でいう“黄金世代”にあたる。カリフォルニア出身で、8歳で競技ゴルフを始め、15歳の時には、全米女子オープンで予選通過を果たすほどの実力を持っていた。
スタンフォード大時代にもNCAAの試合で勝利を重ねて実力をつけ、2019年にプロ転向。だが、ここから試練が待っていた。パンデミックの中でのルーキーシーズンは、20年、21年と思うような結果が出せず、QTに逆戻り。今年4月に下部のエプソンツアー、カジノ・デル・ソル・ゴルフクラシックで優勝して自信を取り戻し、ツアー初優勝につなげた。
「信じられない。言葉になりません。今季の序盤戦や昨年を考えると……。バックナインではただただ押していくつもりでした」と、喜びを爆発させたリー。「昨年11月に亡くなった祖父に捧げたいです。ずっと私を信じて応援してくれていましたから」と続けたときには、涙がこぼれた。
他の日本勢は、上原彩子が通算4アンダー44位タイ。野村敏京は予選ラウンドで棄権している。
古江 彩佳(ふるえ・あやか)
2000年5月27日生まれ、兵庫県出身。アマチュア時代の19年に「富士通レディース」でツアー史上7人目のアマチュア優勝を成し遂げてプロ転向。20年にプロ初勝利を飾り、昨シーズンまででプロ通算6勝。賞金女王争いでは稲見萌寧にあと一歩及ばなかったものの、最優秀選手賞と新人賞に輝いた。今季から米国女子ツアーに参戦し、トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープンで同ツアー初勝利を遂げた。富士通所属。
渋野 日向子(しぶの・ひなこ)
1998年生まれ、岡山県出身。2019年のAIG全英女子オープンでメジャー初制覇。同年は国内ツアーでも4勝をマークし、賞金ランキング2位と躍進した。2020-21シーズンは、日本ツアーで2勝。同年に米国女子ツアーのファイナルQTを20位で突破し、今季から米ツアーを主戦場に戦う。国内6勝、海外1勝。サントリー所属。
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