“おそろいコーデ”で逆転優勝に挑んだ日本勢 渋野日向子は8位タイ 笹生優花は惜敗2位

LPGAメディヒール選手権最終日(現地時間9日)、渋野日向子が5打差の通算9アンダー3位タイ、笹生優花は6打差の通算8アンダー6位タイから逆転優勝に挑んだが、渋野は8位タイ、笹生は惜敗の単独2位でフィニッシュした。

笹生「渋野センパイと回るのはすごく楽しかった」

◆米国女子プロゴルフ<LPGAメディヒール選手権 10月6~9日 ザ・サティコイクラブ(カリフォルニア州) 6551ヤード・パー72>

思うようにスコアを伸ばせなかった渋野日向子 写真:Getty Images
思うようにスコアを伸ばせなかった渋野日向子 写真:Getty Images

 笹生優花、渋野日向子が同組で逆転優勝に挑んだ。

 LPGAメディヒール選手権最終日(現地時間9日)、渋野は首位のジョディ・エワート・シャドフ(英)に5打差の通算9アンダー3位タイ、笹生は6打差の通算8アンダー6位タイからのスタート。米ツアーで初めて同じ組で、最終組の1つ前でプレーした。

 白っぽいシャツに黒のパンツ。“おそろいコーデ”で登場した2人は、優勝争いをしながらもプレーの合間には笑顔があふれた。楽しみながらのプレーは、いいリズムを生んだ。

 渋野はなかなかバーディーチャンスがない中、しぶといプレーを続けた。4番でボギーが先行したが、後半になって14番、18番でバーディー奪取。通算10アンダー8位タイで、8月の全英女子オープン以来のトップ10入りを果たした。

 笹生の真骨頂は8番のイーグルだ。2バーディー、1ボギーの後で迎えたパー5。複雑な傾斜のあるライから183ヤードを5番アイアンで打った第2打をピンの左2メートルにピタリとつける。これを沈めて通算11アンダー。逆転優勝に向かって走り始めた。

 11番のボギーが痛かったが、14番パー5で3打目を60センチに寄せてバーディー。16番では2メートル、17番で5メートル、18番では4メートルと3連続バーディーで締めた。渋野とお互いのプレーをたたえて笑顔でハグ。通算14アンダーのクラブハウスリーダーとして最終組を待った。

 4打差単独首位発進のシャドフが、前半足踏み状態に陥り、ポーラ・リト(南ア)に猛追され、優勝争いは混戦状態となった。だが、大詰めの16番、17番でリトが連続ボギーを叩いて後退。我慢強いプレーを続けたシャドフが、15アンダーでツアー初優勝を飾った。

 笹生は優勝には1打及ばなかったが単独2位。前週まで21試合に出場してトップ10入りは2回だけ。それもシーズン最初の2試合と、それきり思うような結果が出せずにいた。連覇のかかった全米女子オープンも含めて、メジャーでは5試合中3試合で予選落ち。そんな中で久々に優勝が狙えるプレーだった。

「ショットは全体的に安定していて、パットもいくつか入ってくれたので良かったです。8番のイーグルは、クラブにピッタリの距離でした。渋野センパイと回るのは試合では初めてだったので、すごく楽しかったし、勉強になりました」と、最後まで笑顔があふれた。

渋野「ショットも伸びしろがまだまだあります」

 渋野も笑顔でプレーを終えた。

「チャンスが少なくて苦しい1日でしたけど、後半、取りたいところで取れたのは良かったですね」

 6連戦のうち4試合は予選落ちしたが、最後の今大会で尻上がりに調子を上げて8位タイに入り、明るい兆しが見えてきた。「ショットも伸びしろがまだまだあります」と、ポジティブに残りのシーズンに臨む。

 他の日本勢は、上原彩子が1つスアを伸ばして通算4アンダー32位タイ、古江彩佳は1つスコアを落として通算2アンダー52位タイで大会を終えている。

 ツアーはこの後1週空いて、韓国(BMWレディース選手権)、日本(TOTOジャパンクラシック)のアジアシリーズへと移る。その後、再び米国に戻ってペリカン女子選手権(フロリダ州)を経て、ポイントランキングトップ60のみが出場できる最終戦、CMEグループツアー選手権(11月17~20日、フロリダ州)でフィナーレを迎えることになる。

笹生 優花(さそう・ゆうか)

2001年6月20日生まれ、20歳。フィリピンで生まれ、8歳からゴルフを始めた。18年のアジア競技大会や2019年の女子ジュニアPGA選手権で注目を集め、同年11月にプロ転向。21年からLPGAツアーに参戦し、6月の全米女子オープンで優勝、メジャー制覇とともにLPGAツアー初優勝を飾った。同年の東京オリンピックではフィリピン代表として出場したが、11月に日本国籍を選択した。

渋野 日向子(しぶの・ひなこ)

1998年生まれ、岡山県出身。2019年のAIG全英女子オープンでメジャー初制覇。同年は国内ツアーでも4勝をマークし、賞金ランキング2位と躍進した。2020-21シーズンは、日本ツアーで2勝。同年に米国女子ツアーのファイナルQTを20位で突破し、今季から米ツアーを主戦場に戦う。国内6勝、海外1勝。サントリー所属。

【動画】「とても大切な休日の過ごし方」 渋野日向子が“キャッチボール”姿を披露した実際の動画
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