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- 日本人最高順位の中島啓太と久常涼 トップ10に及ばずも可能性を感じさせる戦いを見せる
PGAツアーのZOZOチャンピオンシップ最終日、一時5位タイにまで順位を上げていた中島啓太と久常涼だったが、最終的にどちらも通算9アンダーの12位タイでフィニッシュ。翌々週のバターフィールド・バミューダ選手権への出場権が与えられるトップテンにわずか1打足りなかった。
最後の最後で1打に集中し切れなかった中島
◆米国男子プロゴルフ〈ZOZOチャンピオンシップ 10月13~16日 アコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブ(千葉県) 7079ヤード・パー70〉
日本で唯一開催されるPGAツアーのZOZOチャンピオンシップ最終日、2人の若者が世界への扉を開けようと果敢に挑んだが、あと一歩及ばなかった。
その2人とは22歳の中島啓太と20歳の久常涼だ。ともに近い将来PGAツアー参戦を目指しており、今回は当然のように上位を狙っていた。上位に入ればシード権の対象となるフェデックスポイントを稼ぐことができ、来季の出場権を得る土台を作れるからだ。

しかも、PGAツアーの場合、トップテンに入ると翌週の出場権が与えられる(今回は翌週が予選カットのない試合のため、翌々週の大会へのエントリーとなる)。そこでまたポイントを加算できるだけに、トップテン入りは最低限クリアしなければいけないラインであり、あわよくば優勝したいところだった。
そんな思惑を持ちつつ、先に18番パー5を迎えたのは中島だった。この日はスコアを1つ伸ばして通算9アンダーとしたが、トップテン圏内には届いていない。しかし、ここでバーディーを奪えば、その中に入ることができる。幸いにもこの日の18番はホール別難易度ランキングでは18位。つまり、最もスコアが出やすいホールだった。
ティーショットでフェアウェイをとらえると、当然にように2オンを狙ったが、ボールはグリーン左奥のバンカーにつかまる。3打目はピンを約5メートルオーバーしたものの、十分バーディーは狙える。
「スコアボードを見ながらプレーしていたので、最後のパットを入れればトップテンに入れることは知っていました」
世界アマチュアランキング1位のままプロに転向して臨んだプロ3戦目の今大会。獲得賞金よりも、試合に勝ちたい一心で目の前のボールに集中し続けてきたが、この1打に関してはいろんな思いが頭の中を過ったのかもしれない。ボールは無情にもカップの横を通り過ぎていった。
打つ前に頭の中が真っ白になった久常
続いて18番を迎えた久常もスコアを1つ伸ばし、通算10アンダーでティーイングエリアに立った。
このホールでパーセーブできれば、トップテン入りだ。フェアウェイから2打目を打つと、ボールは左サイドのラフへ。ピンまでは残り58ヤード、バンカー越えのアプローチが残った。グリーン上のどこにボールを落とし、どのように転がってピンに近づいていくのか、しっかりイメージできていたという久常。

56度と60度、どちらのウェッジで打つか迷ったが、56度で打つつもりだった。トップテン圏内ということは当然知っている。あとは1つでも順位を上げることしか頭になかった。そんな思いがいつの間にかプレッシャーとなっていたのかもしれない。
「ボールを打つ前に頭が真っ白になっていました」。国内ツアーではそんなことは一度もなかった。気がつけば、クラブヘッドがボールの下を抜け、約20ヤード先のバンカーの中へ消えていた。手にしていたウェッジは60度だった。
「なんとか気持ちをすぐに切り替えたことで、いいバンカーショットを打てましたし、パーパットも納得のいくストロークができました」と久常。3メートルの上りのラインを沈めたと思われたが、カップに蹴られてこのホールをボギーとした。
「少しの迷いがああいう結果になったと思いますし、もっとショートゲームの精度を上げることが大切だと思いました」。高い授業料ではあったが、久常にとってはかけがえのない財産となったのは間違いない。
中島にしても久常にしても大きなチャンスを逃したと後悔していたが、2人ともまだまだ若い。今後、チャンスはいくらでもあるし、むしろ課題が明確になったことはラッキーだ。「来年の大会では今年のことを笑って話せるようにしたいです」と久常が語っていたように、どれだけ成長して2人がこの大会に戻ってくるのか、今から楽しみだ。
中島啓太(なかじま・けいた)
2000年6月24日生まれ、埼玉県出身。2022年には男子選手としては初の2度目の「マコーマックメダル」を受賞するなど、世界アマチュアランキング1位を長期間維持。21年には「パナソニックオープン」で史上5人目のアマチュア優勝を果たす。22年の9月12日にプロ転向を果たす。
久常涼(ひさつね・りょう)
2002年9月9日生まれ、岡山県出身。作陽高校時代には1年生で全国高校選手権を制す。プロ転向後の2021年、ABEMAツアーで3勝を挙げレギュラーツアーへの出場権を獲得、そのままシード権もつかみ取った。22年シーズンも安定した成績を残し、見事ZOZOチャンピオンシップへの出場権を獲得した。SBSホールディングス所属。
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