蝉川泰果が95年ぶりに日本オープンをアマチュア制覇! データで読み解く非凡な才能とは?

国内男子ツアーの公式戦である日本オープンゴルフ選手権最終日、2位以下に6打差をつけてスタートした東北福祉大4年の蝉川泰果が、2バーディー、2ボギー、1トリプルボギーの73でホールアウト。パナソニックオープン以来、ツアー2勝目を飾った。アマチュアが2勝を挙げたのは史上初で、日本オープンを制したのは赤星六郎以来2人目。

流れが変わると自覚した9番ホールのトリプルボギー

◆国内男子プロゴルフ〈日本オープンゴルフ選手権 10月20~23日 三甲ゴルフ倶楽部 ジャパンコース(兵庫県) 7178ヤード・パー70〉

 マスターズチャンピオンの松山英樹も、永久シードを持つ倉本昌弘もできなかったアマチュアでのツアー複数回優勝を、蝉川泰果がたった1カ月の間に達成した。しかも、国内最高峰の日本オープンの舞台で、だ。

「勝つことを目標とした試合でしっかりと勝ち切れたことは本当にうれしく思います」と語るように、初日から首位の座を一度も譲らない完全優勝でプロを相手に勝ち切った。通算10アンダーとただ一人の2ケタアンダーであり、蝉川がいかにハイレベルで4日間を戦い抜いたかを証明する数字でもある。

 4日間のデータを振り返ると、まず目につくのが、309.13ヤードのドライビングディスタンス(2位)と73.21%のフェアウェイキープ率(4位タイ)だ。

第1回大会を制した赤星六郎以来、95年振りとなる日本OPアマチュア優勝を果たした蝉川泰果 写真:JGTO Images
第1回大会を制した赤星六郎以来、95年振りとなる日本OPアマチュア優勝を果たした蝉川泰果 写真:JGTO Images

 もちろんドライバー以外で刻んだホールもあるが、ほぼドライバーで攻め切っての数字だけに、蝉川のドライバーショットがいかに飛んで曲がらなかったか分かるだろう。当然、それに伴ってパーオン率も69.45%(2位)と高くなり、グリーン上の勝負に集中できたのは大きい。

 ただ、どんなに素晴らしいポテンシャルを持ち、パフォーマンスを見せても勝てるとは限らない。勝負の流れを読む力とそれを自分のものにする気持ちが必要となるからだ。今回、その流れは最終日の9番と10番という2つのパー4にあった。

 2位の比嘉一貴に8打差をつけて迎えた9番で蝉川はトリプルボギーを叩く。グリーン奥からのアプローチでラフに沈んだボールを60度のウェッジで打とうとした際、2度もボールの下をクラブヘッドが潜り、グリーンに乗せ切れなかったのが原因だ。

 最初に失敗した後、クラブを持ち替えていれば、ダブルボギーに収めることができた可能性が大きいだけに、ショックは大きい。しかも比嘉がバーディーを奪ったため、一気に4打差に縮まった。

 前日はこのホールで1オンに成功、イーグルを奪っていただけに、刻んで安全策を取ったうえでのトリプルボギーは悔やんでも悔やみきれないところだったろう。

「流れが変わったホールだと思いますし、正直やばいなという気持ちはありました」と蝉川。嫌な雰囲気のまま勝負どころのサンデーバックナインを迎えた蝉川だが、ここでまた非凡なところを見せる

土壇場で見せた起死回生のバンカーショット
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