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- 「リブゴルフ“独自のメジャー”発言を即修正」で確認した“メジャーをつくる”ことの困難さ
世界ランキングのポイントを得られる見込みが立たないことに業を煮やし、リブゴルフ関係者が「独自でメジャー大会をつくってしまえばいい」と発言。しかし、世界中から猛批判を浴びて即座に軌道修正した。
「第5のメジャーはメジャーではない」
歴史を遡れば、「独自のメジャー大会をつくろう」という野望を抱いたのは、PGAツアーも同じだった。現在、PGAツアーのフラッグシップ大会と銘打たれているプレーヤーズ選手権は、そんな野望と目論見によって生み出されたものだ。
PGAツアーは74年に独自の大会としてプレーヤーズ選手権を創設。それと前後して、PGAツアー独自のチャンピオンシップコースを創設するプロジェクトにも取り組み、80年にフロリダ州ポンテベドラビーチに開場したのが、あの浮島グリーンの17番を擁するTPCソーグラスだ。
プレーヤーズ選手権の舞台は82年からはTPCソーグラスに移され、以後、PGAツアーはこの大会を「第5のメジャー」にすべく、さまざまな努力を積んできた。
取材のために現地を訪れたメディアには特別なランチを提供したり、ときにはディナーパーティーにも招き、パソコンやカメラなどを入れて持ち運ぶ特製のバッグやリュックサック、飛行機での移動に便利な衣装ケースなど、豪華なお土産も毎年配られていた。
一方で、メディアに対する要求も多かった。たとえば、当時は欧米メディアのほぼ全員がこの大会を「TPC」と略して記載する傾向があったのだが、PGAツアーのメディア・オフィシャルたちは「TPCはコースの名前に冠されているものに過ぎず、大会名ではない。この大会の正式名称はプレーヤーズ選手権だ。書くときも、言葉で言うときも、必ずプレーヤーズ選手権としてください」と、何度も何度も念を押していた。
メディアに理解と協力を求め、大会名を徹底し、コース整備と向上に努め、そして賞金を他のどの大会よりも、メジャー4大会よりも高額に設定することで、PGAツアーはプレーヤーズ選手権を「メジャー化」しようと必死の努力を積んできた。
しかし、メモリアル・トーナメント同様、プレーヤーズ選手権も、今なおメジャー大会とは見なされず、「第5のメジャーはメジャーではない」とされている。
発言の修正はリブゴルフが初めて見せたポジティブな変化
新たな大会を創設し、それをメジャー大会にしようと思い立つこと、そのために実際に動き出すことはもちろん自由であり、そういう動きがあることはゴルフ界を活性化するという意味ではウエルカムのはずである。
しかし、その新大会を正真正銘のメジャー大会にすることは容易ではなく、こうして歴史を振り返れば、メジャー新大会創設はもしかしたら不可能なのではないかとさえ感じられる。
なぜ、そんなにも難しいのか? リブゴルフ重役のアルソール氏の指摘の通り、メディアの協力は不可欠であろう。しかし、1つの大会を「それはメジャーだ」と認定する権威や資格がメディアにあろうはずはない。
メジャーをメジャーとするものは、その大会自身が培ってきた歴史と信念、そして誇りだ。そうしたものが醸し出す凛とした空気と積み上げてきた実績が、いつしか、その大会を自ずとメジャーに押し上げる。
50年後、100年後には、もしかしたらメモリアル・トーナメントやプレーヤーズ選手権がメジャー大会になることは、あるのかもしれない。
だが、少なくとも今年創設されたばかりのリブゴルフが、世界ランキングのポイントがもらえないことに業を煮やし、破れかぶれで創設する大会が、すぐさまメジャー大会になることはなく、なれるはずがない。
発言の主であるアルソール氏がそのことに気づき、方向性を即座に修正したことは、無謀で無茶で勝手な主張ばかりを繰り返しているリブゴルフ側から、初めて見られた謙虚でポジティブな前進だった。
そういう前進が、いつかきっとPGAツアー側との歩み寄りにつながるのではないだろうか。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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