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「全英オープンはリブゴルフ選手を制限しない」R&A会長の発言の真意と意義を考える
世界ランキング入りが棚ざらしの状態で、このままでは多くの選手がメジャー出場の資格を失うと焦るリブゴルフ。しかし、全英オープンを主催するR&A会長がリブの選手を締め出すことはないと発言。果たして会長発言の真意は?
全英のチャンピオンズディナーでノーマンの出席を拒否
ところで、スランバース会長が首を傾げているのは、そうしたリブゴルフの在り方や選手たちが移籍した経緯だけではない。彼が頭を痛めているのは、リブゴルフCEOを務めるグレッグ・ノーマンの在り方だ。
今年の全英オープン開幕前、ノーマンは全英オープン2勝の実績を持つにも関わらず、過去の全英オープン覇者が集結するチャンピオンズディナーに招待してはもらえなかった。いや、招待されなかったというより、「来ないでほしい」と言い渡されたようなものだった。
スランバース会長が、なぜチャンピオンズディナーにノーマンを呼ばなかったのかと言えば、そこにはそれなりの理由があった。
「そもそもグレッグは、これまでチャンピオンズディナーにあまり出席しておらず、2000年も05年も10年も15年も欠席だった。それなのに今年、突然、出席を希望したのは、特別な目的があったからだ」
栄えある全英チャンプたちが集まるその場所で、ノーマンはリブゴルフのことやCEOとして手腕を振るっている自分自身のことをアピールしたかったに違いない。そう考えたスランバース会長は「ノーマンがディナーに出席することで、記念すべき150周年大会がリブゴルフの喧噪に巻き込まれ、陰ってしまうことを避けたかった」。
だから、ノーマンを招待しなかったのだとスランバース会長は明かしていた。
このチャンピオンズディナーの話は、以前このコーナーでお伝えした第1回プレジデンツカップの際のノーマンの「事件」とよく似ているのではないだろうか。
そもそもプレジデンツカップは、1990年代のゴルフ界の王様だったノーマンが「米国と欧州の選手にはライダーカップがあるのに、オーストラリア人である自分たちのように米欧以外の選手が参加できる対抗戦がないのは不公平だ」と主張したことを受け、1994年にPGAツアーが創設した「米国チームvs世界選抜チーム」の対抗戦だ。
しかし、せっかく創設してもらったというのに、ノーマンは別件で揉めていたPGAツアーへの当て付けのように、第1回大会の開幕直前に風邪を理由に突然棄権。
そのせいで世界選抜チームはメンバーの補充に大わらわとなり、米欧メディアは一斉に「ノーマン仮病説」を書き立てるなどの大騒動になった。
それでも世界選抜チームは必死に戦い、ようやく迎えた最終日の朝のこと。風邪で寝込んでいるはずのノーマンが突然1番ティーに現れ、「僕にマイクを付けてテレビ中継ブースとつなぎ、僕にプレジデンツカップのことを語らせてほしい」と世界選抜チームのキャプテン、デビッド・グラハムに迫った。
グラハムから「この大会はプレジデンツカップであって、グレッグ・ノーマンの大会ではない!」と一蹴されたノーマンは、テレビでアピールするチャンスを得ることなく、試合会場から去っていった。
今年の全英オープン開幕前、これまで欠席してきたチャンピオンズディナーへの出席を突然求めたノーマンを目にしたスランバース会長は、ノーマンの人間性が30年近い歳月を経ても変わってはいなかったことを悟ったのだろう。
そして、かつてのグラハム同様、「これは全英オープンのチャンピオンズディナーであって、グレッグ・ノーマンのディナーではない」と考え、ノーマンをディナーに招待しないことを決めたのだ。
R&A会長はリブの世界ランキング入りに議決権を持つ理事の1人
リブゴルフには、まだまだ解決されていない問題が多々あり、ノーマンの人間性のように、きっと今後も解決されえないこともあり、その行く末にはたくさんの疑問符が付されている。そして、R&Aのスランバース会長の発言も、まだ非公式なものに過ぎない。
しかし、年明けにR&Aがリブゴルフ選手の全英オープン出場を認めることを正式に発表したら、それがリブゴルフに世界ランキングのポイントを授けるか否かという一件にも影響を及ぼす可能性は、もちろんある。なぜなら、スランバース会長はOWGR(オフィシャル・ワールド・ゴルフ・ランキング)の議決権を有する理事の1人だからだ。
スランバース会長が全英オープンの在り方と世界ランキングの在り方を切り離して考えるのか、それとも両者を関連付け、リブゴルフをどちらにおいても受け入れ、容認する方向へ舵を切るのか。
そのとき、他のメジャー大会主催者であるオーガスタナショナルやUSGA(全米ゴルフ協会)、PGAオブ・アメリカはR&Aの姿勢と歩調を合わせるのかどうか。
ゴルフ界の揺れは、まだまだ収まりそうもない。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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