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男子ツアー復活の起爆剤か“禁断の果実”か? 三井住友VISA太平洋マスターズの入場無料に賛否
石川遼が約3年ぶりの優勝を遂げた三井住友VISA太平洋マスターズは入場無料で行われました。その甲斐あって多くのギャラリーが詰めかけましたが、これに対して賛否両論が巻き起こっています。
本家マスターズの観客が「パトロン」と呼ばれる意味
石川遼が約3年ぶりの優勝を遂げた三井住友VISA太平洋マスターズは入場無料で行われました。
遥かなるオーガスタで開催される「マスターズ」では、ギャラリーのことを「パトロン」と呼ぶのをご存じのゴルフファンは多いと思います。『マスターズ 栄光と喝采の日々』の著者である故・岩田禎夫さんは、同著の中で「パトロン」と呼ぶようになったいきさつを、こう書いています。
〈パトロンはマスターズが始まった時から使われている呼称だが、ここには“後援者”という意味が込められて、マスターズだけで使われている表現である。日本で“パトロン”というと、ほかの意味で使われることがあるが、マスターズはボビー・ジョーンズが招待した選手が集う大会ということで、「観に来る人も仲間であり支援する人」という意味を込めて、パトロンと言うようになった。また、入場料が賞金に加算されることを考えると、ギャラリーよりも「芸術家を支援する人」という意味の“パトロン”のほうが適しているということもあったのだろう。伝統と気品を重んじるマスターズ・トーナメントだけあって、パトロンも上品な人が多く、ほかのツアーで見かけるような野次を飛ばす行為はほとんどないのが特長である〉
冒頭にこんなことを書いたのも、マスターズはマスターズでも、日本の三井住友VISA太平洋マスターズで、ギャラリーの成り立ちについて深く考えさせられる出来事が起こったからです。
今年、同大会は50回の節目を迎えました。そこで感謝の意を表すために、入場料無料という思い切った策に打って出たわけです。同大会のプレスリリースには〈(大会が)半世紀に渡り開催できたのは、選手の方々、関係者の方々はもとより、毎年ご来場いただけるギャラリーの皆さま、全国のゴルフファンの皆さま、ボランティアの皆さま、そして地元御殿場市の皆様のお蔭であると心より感謝申し上げます。その感謝の気持ちを込めて、今年の対価は「全日入場無料」で開催いたします〉と、赤字で強調されていました。
さらに場内では名店が一堂に会して腕を競う「御殿場ラーメンフェスタ」まで開催。北海道、東京、長野、群馬、福岡、地元・静岡の6店が集結したとあって、このイベントだけでも集客力は相当なもの。効果はてきめんで、実に4日間で2万6702人もの入場者がありました。昨年が8998人とのことですから、約3倍のギャラリーがコースに詰めかけました(下表参照)。
VISA太平洋クラブマスターズ 過去3年の観客数
2022年 初日4170人 2日目5131人 3日目10067人 最終日7334人 合計26702人
2021年 初日1635人 2日目2004人 3日目2487人 最終日2872人 合計8998人
2020年 初日0人 2日目0人 3日目0人 最終日0人 合計0人
※2020年は無観客、2021年は1日5000人の上限に達せず
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