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PGAツアーが追求すべきはリブゴルフ対策だけではない “わずか800万ドル”の大会にトップ選手が集まる理由
12月5日に発表された日本ゴルフツアー機構とのパートナーシップから、韓国、インドと、相次いでアジア諸国のツアーとの提携を結んでいるPGAツアー。リブゴルフに対抗しての囲い込み策だけではない理由とは?
日本、韓国、インドの若い選手たちの才能を伸ばす
PGAツアーが日本ゴルフツアー機構(JGTO)とパートナーシップを結び、JGTOの賞金ランキングのトップ3にDPワールドツアー出場資格を授けると発表したのは12月5日のことだった。
それから10日後、PGAツアーは今度は韓国ツアー(KPGA)とも同様のパートナーシップを結び、さらにその翌日にはインドツアー(PGTI)とのパートナーシップ締結も発表した。
翌年、欧州で戦う権利を授けられたのは、日本が上位3名であるのに対し、韓国は独自の年間ポイントレースの1位のみ、インドは賞金ランキング1位のみと人数に違いこそあるものの、アジアの3つの国の上位選手がDPワールドツアーにフル参戦する道が開け、欧州で奮闘してポイントレースのトップ10に食い込めば、今度はPGAツアーへの道が開けることになる。
このパートナーシップ締結は、日本や韓国、インドの若い選手たちにビッグチャンスを授けるもので、グローバルな選手育成のための素晴らしい施策と言うことができる。
しかし、その一方で、リブゴルフがアジアンツアーを傘下に置いて一大勢力を築こうとしていることへの対抗策として、今年6月から提携関係を結んでいるPGAツアーとDPワールドツアーの米欧勢力がアジアの3つの国を抱き込むために若い選手たちに新たな道を開いたと見ることもできる。
「あの3つの国とのパートナーシップ締結は、やっぱりリブゴルフ対策ですよね?」
PGAツアーのある幹部にそう問いかけてみたら、彼の返答は「イエス」であり「ノー」でもあった。
「それもあるけど、それだけじゃない。リブゴルフ対策は必要だけど、PGAツアーが行なうことは、それだけじゃない」
日本、韓国、インドの若い選手たちの才能を伸ばす場所、チャレンジする機会をもっと増やしてあげたいし、もっと育てていきたい。そして、アジアの若い選手たちが加わることで、DPワールドツアー、ひいてはPGAツアーをもっと素晴らしいツアーにしていきたい。そういう純粋な想いの結集として、PGAツアーは日本、韓国、インドとパートナーシップを結んだのだそうだ。
「リブゴルフ対策のためだけじゃない」「それだけじゃない」という言葉を聞くことができたとき、私は思わず、ほっと胸を撫で下ろした。
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