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“1日20万人”集める世界最大のド派手大会フェニックスOP 例年以上に過熱する2つの理由とその余波

2023.02.07 小関洋一
米国男子ツアー

今週、アリゾナ州で行われるPGAツアーの「ウェイストマネジメント・フェニックスオープン」。ギャラリー入場者数が1週間で70万人を記録したほどの世界最大級トーナメントです。同大会が例年以上に熱く盛り上がっているようなのですが、その理由と余波とは?

今年新設された高額賞金シリーズにも選ばれた

昨年のウェイストマネジメント・フェニックスオープン、自身のホールインワンを観客と一体となって喜ぶサム・ライダー 写真:Getty Images
昨年のウェイストマネジメント・フェニックスオープン、自身のホールインワンを観客と一体となって喜ぶサム・ライダー 写真:Getty Images

 今年のフェニックスオープンが例年以上に過熱しそうな理由はまだあります。

 この大会はPGAツアーが新たに設けた「Elevated Events」(格上げ大会)の1戦で、フルフィールドで実施される最初のトーナメントなのです。

「Elevated Events」というのは、今年から賞金総額が基本的に2000万ドル(約26億円)に引き上げられた(elevated)トーナメント。昨年8月、PGAツアーが発表した際には、該当するトーナメントは開催日程順に、

・セントリー トーナメント・オブ・チャンピオンズ
・ウェイストマネジメント・フェニックスオープン
・ジェネシス招待
・アーノルド・パーマー招待
・デル・テクノロジーズ マッチプレー
・RBCヘリテージ
・ウエルズファーゴ選手権
・メモリアルトーナメント
・トラベラーズ選手権
・フェデックス・セントジュード選手権
・BMW選手権
・ツアー選手権

の12試合。最近はこれに“第5のメジャー”と言われる「ザ・プレーヤーズ選手権」を加えた全13試合と表記するメディアもあります。

 これらの大会は、賞金が引き上げられただけではありません。一昨年から始まった特別ボーナス制度「プレーヤー・インパクト・プログラム(PIP)」の対象選手、20人に出場の義務が課せられています。それだけに今年のフィールド(出場選手の顔ぶれ)は強く、豪華なのです。

 PIPはもともと、敵対するリブゴルフへの有名・有力選手の流出を防ぐ目的で設けられたもので、全ツアー選手のメディアやSNSにおける露出度(人気・注目度)を数値化し、上位選手にボーナスを支給する制度です。昨年は総額1億ドル(約130億円)ものボーナスが用意され、1位のタイガー・ウッズには1500万ドル(約19億5000万円)、最下位の20位のビクトル・ホブランでも200万ドル(約2億6000万円)のボーナスが支給されることになりました。

 ただし、全額支給には条件があります。それが前述の「Elevated Events」に加え、メジャー4試合とプレーヤーズ選手権、さらに各選手が選択するPGAツアー競技3試合の合計20試合に出場すること。これをクリアできなかった場合は、PIPボーナスの支給がキャンセル(現在まで一部しか支払われていない)されると報じられています。

 なお、交通事故からの回復が完全ではないタイガーは除外。また、「Elevated Events」は各選手1試合の欠場が許されています。実際にローリー・マキロイは今年初戦のセントリーを欠場。また、今週のフェニックスオープンはアダム・スコットとウィル・ザラトリスがスキップします。このうちアダム・スコットの欠場の理由は“勘違い”。彼は大会の日程が昨年から変更されていること(前述)を失念していたと、先月白状しています。

 ところで、「Elevated Events」ですが、PIP選手に出場が指定されていることから「Designated Events」(指定競技)とも表記されています。

世界ランキングトップ25位までの22選手が出場予定

 PIP選手がこぞって出場する今年のフェニックスオープンは、先週時点ですが、世界ランキングトップ25位までの22選手が出場予定です。アツいのはトッププレーヤーだけではありません。PGAツアーには、前季ポイントランキング125位まで、という多くのシード選手がいます。彼らにとっても360万ドル(約4億6800万円)の優勝賞金は魅力的でしょう。今回は、その多くがエントリー。結果、当初設定の定員132人では出場枠が足りず、急きょ4枠増加。136人のフィールドで競われることになりました。

 また、同ツアーには前週トーナメントでトップ10に入った選手に翌週のトーナメント(招待競技は除く)の出場権(下位のシード権)を付与する制度があります。ところが今回は、ポイントランキング125位までのシード選手でさえギリギリの状況です。結果、前週のAT&Tペブルビーチプロアマのトップ10入り選手には、来週の「ジェネシス招待」(招待競技のため)も飛ばして、再来週の「ホンダクラシック」の出場権が付与されるようです。

 熱狂はまだあります。フェニックスオープンでは大会独自の予選会、いわゆるマンデートーナメントが実施されます。しかし、他のマンデートーナメント(今年は19試合で実施)では4枠用意されている本戦出場枠はわずか3枠。そこに、今年は大勢のプロが大挙して押し寄せました。これも高額賞金の魅力なのでしょう。

 そして、このマンデー挑戦者の中には、前週のペブルビーチプロアマに出場したプロも含まれるのですが、不運にもペブルビーチは途中の悪天候で、最終日がマンデー当日の月曜日まで伸びてしまいました。そのため、10選手ほどがマンデー欠場。最終的に96選手の出場となりました。

 さらに、このマンデートーナメントにはプレ予選競技があり、1月31日~2月2日にかけ、全8会場で開催。各会場とも78人の定員は満員(エントリー段階)。計624人が、各会場とも2位タイまでという狭き門に挑戦しました。その結果、26人(うちアマチュアは2人)がマンデーに進出しています。

 このプレ予選競技、通過がかなわなかった中にはノーボギーで「64」という素晴らしいスコアをマークした選手がいたほど、ハイレベルの熱い戦いだったようです。

 大会前からに過熱する今年のフェニックスオープン。テレビ中継を通じて、こちらも熱くなりたいと思います。

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