D・ジョンソンもリードもケプカもトップ50圏外に
今週、2月24日からリブゴルフの2年目のシーズンが始まろうとしている。
しかし、グレッグ・ノーマンCEOやリブゴルフ選手たちが喉から手が出るほど渇望している世界ランキングのポイントは、依然として稼ぐことができないまま開幕戦を迎えることが明らかになった。米スポーツ・イラストレイテッド誌が第一報を伝えた。
昨年6月に創設されたリブゴルフとトラディショナルなPGAツアーとの対立は、日々、激化している。
米ゴルフ界で国民的人気を誇っていたフィル・ミケルソンを筆頭に、元世界1位のダスティン・ジョンソンやブルックス・ケプカ、マスターズ優勝者のバッバ・ワトソン、昨年の全英オープン覇者キャメロン・スミスなど、数多くのスター選手たちが、PGAツアーに背を向けてリブゴルフへ移籍した。
ブラスバンドの演奏が高鳴る中、そうしたスター選手たちが派手なカートやオープンカーに乗ってスタートホールに登場し、試合後には花火やコンサートも催されるリブゴルフの試合会場は、それはそれは賑やかだ。
それなのに、リブゴルフ選手たちの表情にどこか曇りが感じられる最大のワケは、「世界ランキングのポイントが稼げない」ことが、大きな懸案となっているからだ。
ノーマンCEOは、昨年7月、世界ランキングを統括するOWGR(オフィシャル・ワールド・ゴルフ・ランキング)に対し、「リブゴルフを世界ランキングの対象ツアーとして認めてほしい」という承認申請を提出したが、以後、OWGRからは「検討中」「審議中」といった返答しか得られていない。
世界ランキングは選手の世界における位置づけを示すものだが、選手の強さの指標である以外に、もう1つ、重要な役割がある。
メジャー4大会の出場資格の中には、世界ランキングに基づく規定が盛り込まれているため、メジャー大会への出場を望む選手は、自身の世界ランキングを一定以上に保つ必要に迫られる。
マスターズと全英オープンは世界ランキングのトップ50以内、全米オープンはトップ60以内、全米プロはトップ100以内とされている。
しかし、リブゴルフ選手たちの世界ランキングは下降の一途を辿っている。キャメロン・スミスこそ、まだトップ5を維持しているが、ジョンソンもパトリック・リードもケプカも、すでにトップ50圏外に押し出されている。
昨年までは、PGAツアーから資格停止処分を科せられているリブゴルフ選手たちをメジャー4大会が受け入れるかどうかも定かではなかった。
だが、2023年の年明け後、マスターズを主催するオーガスタナショナルも、全米オープンを主催するUSGA(全米ゴルフ協会)も、「従来の大会出場資格を満たしてさえすれば、大会には出場できる」として、リブゴルフ選手を排除しないことを発表した。
そうやって、せっかくメジャー出場への扉が開かれても、世界ランキングをアップさせることができなければ、メジャー大会の出場資格を満たせなくなる。
昨年暮れにノーマンCEOは、「23年シーズンの開幕戦までには、OWGRからグッドニュースが届くことを期待している」と語っていたが、残念ながら朗報は届かなかった。