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- 米男女ツアーで予選会から這い上がった選手が話題に “シンデレラストーリー”への扉の大切さ
日本選手も多く参戦した米女子ツアーのホンダLPGAタイランド。最後まで優勝争いを繰り広げたタイのナタクリッタ・ボンタベーラブは、同大会の全国予選を勝ち抜いて出場権をつかみ取った。こうした“シンデレラストーリー”への扉があることは米男女ツアーに共通した良き伝統だ。
全国予選を勝ち抜いたボンタベーラブ
先週の米女子ツアー(LPGA)、ホンダLPGAタイランドの最終日をタイ出身の20歳のルーキー、ナタクリッタ・ボンタベーラブが2位に4打差の単独首位で迎えたとき、「LPGA史上初の偉業達成なるか?」と、大きな注目が集まっていた。
米ゴルフチャンネルの調べによれば、LPGAメンバーになったばかりのルーキーが自身のツアーデビュー戦でいきなり初優勝を遂げた前例はないとのこと。
「いやいや、渋野日向子は2019年の全英女子オープンでLPGA初挑戦にして初優勝したではないか」と思われるかもしれないが、当時、渋野はLPGAメンバーでもルーキーでもなかったため、この記録には含まれないのだそうだ。
それはさておき、最終日のボンタベーラブは出入りの激しいゴルフでスコアを伸ばし切れず、猛追をかけてきた米国のリリア・ブーに破れ、1打差の2位に甘んじた。結果的に歴史的記録は達成されなかったが、ボンタベーラブの大奮闘は母国でも世界でも大きな注目を集めた。
そして私は、彼女がこの大会にどうやってたどり着いたかを知ったとき、「素晴らしいな」と感嘆させられた。
同大会には世界各国から12名の選手がスポンサー推薦で出場。日本からは双子姉妹の岩井明愛・千怜、アマチュアの馬場咲希の3名が、母国タイからは5名がスポンサー推薦を授かり、その大半がLPGA初挑戦だった。
ボンタベーラブも大きなくくりとしては「スポンサー推薦」とされていたが、よくよく調べてみると、彼女は今年1月にタイ国内で開催された「ナショナル・クォリファイアズ(全国予選)」で優勝し、今大会の出場権を自力でつかみ取ったことが分かった。
「ナショナル・クォリファイアズ」は今大会のタイトルスポンサーであるホンダとIMG、スポーツオーソリティー・タイランドが共催している同大会への予選会で、5年前に創設され、今年は69名が挑んだ。
いわば「ホンダLPGAタイランドへの道」であるこの予選会で見事1位になったボンタベーラブは、そこで得た手ごたえと自信を抱き、同大会にやってきた。
ボンタベーラブには母国のタイLPGAで、すでに2勝の実績がある。昨年のLPGAルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたアタヤ・ティティクルとは親友同士の仲で、ティティクルから刺激を受けたボンタベーラブは、昨秋のLPGAのQスクール(予選会)のファースト・ステージからセカンド、ファイナルという3ステージの長丁場を潜り抜け、LPGAメンバー資格を獲得した。
しかし、それだけでは優先順位が低いため、同大会の出場資格は得られず、彼女は自力で出場資格を得ようとナショナル・クォリファイアーズへ。そこで1位となり、同大会に出場し、そして最終日を単独首位で迎えた。
「プレッシャー? もちろんあります。でもそのプレッシャーを糧にして戦います」
毅然とそう言ってのけた彼女の大奮闘は、初優勝にはわずかに届かなかったものの、母国タイはもちろんのこと、世界中のゴルフファンを楽しませてくれた。
同大会が、単なるスポンサー推薦だけではなく、自力でその枠に入るための扉として全国予選を設けてくれていたからこそ、ボンタベーラブはデビュー早々に一流の舞台へ上がることができ、その舞台で勝利を競い合うスリルと難しさを味わうこともできた。
そう考えると、同大会が取り組んできていることは、とても素晴らしく、思わず「グッドジョブ!」と声をかけたくなった。
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