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PGAツアーが「少数精鋭化」「ノーカット化」へ“改革” 賛意を示すマキロイの理屈がリブゴルフそっくりに
PGAツアーは先週のアーノルド・パーマー招待(3月2日~5日)開幕前の理事会で、賞金総額2000万ドル級のいわゆる「格上げ大会」のうちメジャー4大会とプレーヤーズ選手権を除いた数試合を、出場人数を70名から78名ほどに絞った上で予選カットを行なわない「ノーカット」形式に変更することを承認。ジェイ・モナハン会長は、すぐさま決定事項を記したメモを選手たちに配り、内々に通達した。
「少数精鋭」「エリート大会」は華やかなイメージとは裏腹に何かさびしい
毎年、PGAツアーのシーズンエンドにはプレーオフ・シリーズが開催されている。
2007年にフェデックスカップが創設された当初はプレーオフシリーズは4試合だった。しかし、19年からは3試合に減らされ、大会のタイトルスポンサーや出場人数等々は、さまざまな変化を遂げてきた。
昨年は第1戦のフェデックス・セントジュード選手権にフェデックスカップ・ランキングのトップ125名が出場。勝ち残った70名が第2戦のBMW選手権へ進出。最終戦のツアー選手権に進んだのは上位30名だった。
しかし今年は第1戦の出場人数が70名に減らされ、第2戦は50名、最終戦は30名。もともとランキング上位だけの少数精鋭のエリート大会として創設されたプレーオフシリーズは今、より一層の少人数化への道をたどろうとしている。
「少数精鋭」「エリート大会」といった言葉からは、選りすぐりのスターが勢揃いするにぎやかで華やかな大会というイメージが想起されるのかもしれない。だが、出場選手の人数が少なくなればなるほど、実際の試合会場の雰囲気は、きわめてさびしいものとなる。
私は毎年、ツアー選手権の会場に足を運ぶたびに「会場が閑散としていてさびしい」と感じていた。観戦にやってきたギャラリーから「他の選手は、どこにいるの?」としばしば尋ねられ、「他の選手は……いませんよ。だって、ここには30名しか出ていないから、これで全部です」と説明したものだった。
だが、24年からは、さすがに30名ではないものの、人数が半分以下に絞られ、会場の雰囲気がさびしくなる大会が格段に増やされることになる。
PGAツアーは先週のアーノルド・パーマー招待(3月2日~5日)開幕前の理事会で、賞金総額2000万ドル級のいわゆる「格上げ大会」のうちメジャー4大会とプレーヤーズ選手権を除いた数試合を、出場人数を70名から78名ほどに絞った上で予選カットを行なわない「ノーカット」形式に変更することを承認。ジェイ・モナハン会長は、すぐさま決定事項を記したメモを選手たちに配り、内々に通達した。
現在、メジャー4大会とプレーヤーズ選手権を除いた「格上げ大会」は11試合ある。そのうちの何試合が「少人数化」と「ノーカット化」に変更されるのかという具体的な数字は未定だが、出場できる70名から78名の出場資格の概要は、すでに明かされている。
主体となるのは、前年のプレーオフ第2戦、BMW選手権進出を果たした50名。そこに、その年の世界ランキングやフェデックスカップ・ランキングの上位者10名前後が加わる。
さらに、24年からは格上げ大会ではないレギュラー大会を3試合開催後、格上げ大会を2試合開催する「3-2-3-2」パターンで年間のスケジュールが組まれる予定とされており、レギュラー大会で優勝した選手には、その大会に続く格上げ大会への出場資格が授けられる。言い換えると、レギュラー大会の優勝者全員が少数化される格上げ大会の出場選手に加わっていく。
そして、スポンサー推薦を受けた選手も、さらに加わることになる。
「矛盾している」「PGAツアーのリブゴルフ化では?」
格上げ大会は、ビッグマネーの魅力でスター選手たちを次々に引き寄せたリブゴルフへの対抗策として、PGAツアーが今季から敢行している大改革の目玉だが、まだ開始されて間もない今、さらなる改革が打ち出され、選手やファン、関係者からは賛否両論が噴出している。
「格上げ大会」発案者の1人であるローリー・マキロイは、さらなる改革に諸手を挙げて賛意を示し、「ファンが見たいのはトッププレーヤーとホットプレーヤーの戦いだ。予選カットなしなら、そうした選手たちが4日間プレーすることが保証されるわけだから、ファンもスポンサーも喜ぶはずだ」。
スコッティ・シェフラーも「格上げ大会が少人数に限定されるとはいえ、他のレギュラー大会の賞金が下がるわけではないし、レギュラー大会で勝てば格上げ大会に出られるのだから、誰にとっても悪い話ではない」。
しかし、昨年の経緯を振り返れば、モナハン会長は予選落ちのないリブゴルフを激しく批判し、「予選通過を目指して戦うことこそが、PGAツアーの競争性の高さであり、伝統でもある」と言っていた。
タイガー・ウッズも「予選カットがなくて賞金が保証された大会ばかりでプレーするのでは、腕を磨こうというモチベーションが失われる」と、リブゴルフを批判していた。
それなのにPGAツアーが「格上げ大会」の多くを予選カットなしに変えることは「矛盾している」「PGAツアーのリブゴルフ化では?」という批判がSNSには多数上がっている。
しかし、PGAツアーには「予選カットが行われる大会もある」「予選カットが行われなくても、フェデックスカップや世界ランキングのポイントを競い合うという競争性は残る」という反論も出ている。
マキロイいわく、「PGAツアーには予選カットのない大会が以前からあった。CJカップやZOZOチャンピオンシップは以前からノーカットだ」。その通り。セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズやプレーオフシリーズ、WGC大会もノーカットだ。
だが、PGAツアーに忠誠を誓う選手の筆頭であるマキロイのこのセリフが、リブゴルフを絶賛した際の谷原秀人のセリフとそっくりになってしまったところに「何かがおかしい」と思わずにはいられない。
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