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PGAツアーが「少数精鋭化」「ノーカット化」へ“改革” 賛意を示すマキロイの理屈がリブゴルフそっくりに

2023.03.08 舩越園子(ゴルフジャーナリスト)
ローリー・マキロイ 砂場Talk(バンカートーク) 米国男子ツアー

PGAツアーは先週のアーノルド・パーマー招待(3月2日~5日)開幕前の理事会で、賞金総額2000万ドル級のいわゆる「格上げ大会」のうちメジャー4大会とプレーヤーズ選手権を除いた数試合を、出場人数を70名から78名ほどに絞った上で予選カットを行なわない「ノーカット」形式に変更することを承認。ジェイ・モナハン会長は、すぐさま決定事項を記したメモを選手たちに配り、内々に通達した。

「トッププレーヤーではなく、人気者のポピュラープレーヤーだ」

DPワールドツアーの高額大会、ヒーロー・ドバイデザートクラシックで大会3勝目を挙げたローリー・マキロイ 写真:Getty Images
DPワールドツアーの高額大会、ヒーロー・ドバイデザートクラシックで大会3勝目を挙げたローリー・マキロイ 写真:Getty Images

 さらにマキロイは、PGAツアーと戦略的提携を結んでいる欧州のDPワールドツアーにも、少人数で予選カットなしの格上げ大会を創設するべきだと主張している。

 提携契約を結んで以来、DPワールドツアーのレース・トゥ・ドバイの上位10名には翌年のPGAツアー出場資格が付与されている。そして欧州のスコティッシュオープンは米欧共催の「ジェネシス・スコティッシュオープン」にリニューアルされ、両ツアーから各々50名ずつが出場している。

「でも、それだけでは不十分だ。僕は欧州出身だから、どうすれば欧州選手たちが喜ぶかをまず考える。それがツアーを向上させることにつながるからだ。格上げ大会を欧州にもつくるべきだ」

 そしてマキロイは、ジェネシス・スコティッシュオープン、アイリッシュオープン、スパニッシュオープン、BMW-PGAチャンピオンシップなどを「格上げ」の候補に挙げている。
マキロイの提言が実現されたら、予選落ちがなく、超高額賞金が保証された少人数の大会は、PGAツアーにもDPワールドツアーにも格段に増えることになり、リブゴルフはそもそもその路線を行っているわけだから、世界のどちらを眺めてもトッププレーヤーがプレーする場所の多くは少人数限定で予選落ちなしの高額大会ということになる。

 PGAツアーのこうした動きに対し、リブゴルフのグレッグ・ノーマンCEOは、PGAツアーがリブゴルフを「見習った」「真似た」と受け止め、「イミテーションは最大のお褒めだ。素晴らしい未来へ、ようこそ!」というシニカルな言葉をツイッターで発信した。

 しかし、PGAツアーの選手からは、皮肉ではなく怒声も上がっている。

 PGAツアー通算2勝のジェームス・ハーンは、来年からの格上げ大会出場者がランキングに基づく「トッププレーヤー」とレギュラー大会で優勝した「ホットプレーヤー」に限定されることに対し、「ホットプレーヤーは理解できるが、僕に言わせれば、トッププレーヤーではなく、人気者のポピュラープレーヤーと呼ぶべきだ」と指摘。

「試合にほとんど出ていないタイガー・ウッズが2年連続でPIPで1位に選ばれ、ビッグボーナスが支払われた。コース上で好プレーをした人より、試合に出なかった人が格段に多く稼ぐなんて、そもそも考えられないことだ」と怒りを露わにしながら、格上げ大会にスポンサー推薦枠が残されていることも指摘。「最近のツアーの施策は、選手全体のためではなく、成績は出ていなくても高い人気を誇る選手により多くのお金をもたらすための施策に偏っている」。

 ちなみにハーンは、昨年はプレーオフ第1戦で敗退しており、もし今年も第2戦進出を逃したら、来年はレギュラー大会で優勝しない限り、格上げ大会に出ることはできない。

 その意味では、ハーンの怒声は「遠吠え」的に聞こえてしまう面があると言えば、ある。だが、トッププレーヤーあるいはポピュラープレーヤーとは見なされないPGAツアーの大半の選手たちの不満や不安を代弁している面も確かにある。

 格上げ大会の少人数化とノーカット化は、まだまだ賛否両論を呼びそうである。その余波が、どこまでどう広がっていくのかを注視していきたい。

文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。

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