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- エリート選手限定でゴルフボールの飛距離抑えるルール案 J・トーマスが怒り心頭の問題点はどこ?
ゴルフ規則を統括するイギリスのR&Aとアメリカの全米ゴルフ協会(USGA)は、かねてから懸案だった男子のエリート競技(プロやトップアマチュアの競技)における飛距離の伸びを抑制するために、新たなローカルルールのひな型を策定。先週、ボールメーカーや競技団体などの利害関係者に提案され、今年8月まで意見を募っています。提案されたローカルルールのひな型は2026年から採用可能となりますが、その概要と関係者の反応を紹介します。
ロングヒッターの飛距離が平均14~15ヤード減少するボール
ゴルフ規則を統括するイギリスのR&Aとアメリカの全米ゴルフ協会(USGA)は、かねてから懸案だった男子のエリート競技(プロやトップアマチュアの競技)における飛距離の伸びを抑制するために、新たなローカルルールのひな型を策定。先週、ボールメーカーや競技団体などの利害関係者に提案され、今年8月まで意見を募っています。提案されたローカルルールのひな型は2026年から採用可能となりますが、その概要と関係者の反応を紹介します。

R&AとUSGAは、ゴルフの持続可能性を担保するために、飛距離がゴルフに及ぼす影響を包括的に研究する「ディスタンスインサイトプロジェクト」(正式にスタートしたのは18年ですが、実質的には少なくとも過去20年間にわたって継続的に研究)を実施。飛距離は、過去20年間において平均して毎年約1ヤードずつ増加してきたと結論づけています。
そのうえで、両団体は飛距離の増加の影響で「距離を伸ばし続けるコースのプレッシャー」と「スコアメイクにおける飛距離の重要度の増加」の側面を研究。コースの伸長により、プレーの費用や時間が増加し、ゴルフの持続可能性が制限されること。ならびに、チャレンジングというコースの魅力が減じ、場合によってはコースを時代遅れにするリスクがあることも分かってきた、とレポートしています。
そこで、両団体は現在のロングヒッターの潜在的最大飛距離を再現して計測する「標準総合距離」(ODS)の打ち出し条件をより厳しく変更し、それに合格=飛距離が抑制されるボールの使用を求めるローカルルールひな型(モデルローカルルール)を提案するに至りました。
公認球テストの「標準総合距離」の打ち出し条件は、時速:120マイル(約53m/s)、打ち出し角:10度、回転数:42回転/秒(2520回転/分)で、飛距離317ヤード(+3ヤードの許容値)を超えてはならないとなっています。
今回のローカルルールは、この打ち出し条件をそれぞれ、時速:127マイル(約56m/s)、打ち出し角:11度、回転数:37回転/秒(2220回転/分)と、より飛ぶ設定にして、それでも飛距離は317ヤード(+3ヤードの許容値)を超えないボールの使用に限るという規制で、エリート競技の競技団体に採用を促そうというのです。両団体はこのローカルルールにより、最も速いヘッドスピードを有するロングヒッターについて、飛距離は平均14~15ヤード落ちるだろうとみています。
全英オープンと全米オープンでは2026年から採用予定
このローカルルールの採用が想定されているのは、男子のプロゴルフやトップアマチュアの競技で、倶楽部競技など一般アマチュアの競技に採用されることはありません。
エリート競技でのみ採用されているローカルルールとしては、「ワンボールルール」があります。
「ワンボールルール」は、世界の主な男子ツアーなどで採用されるローカルルールで、「プレーヤーはそのラウンドを通じて、適合球リストで一種類の球として登録されている同じブランド・同じモデルの球を使用しなければならない」という規制です。
一般のアマチュアには無縁ですが、例えば日本オープンや日本シニアオープンでは予選競技から採用されていますから、そこを視野に入れたアマチュアは日ごろから「ワンボールルール」でプレーしているようです。
今回のローカルルールもR&AとUSGAはそれぞれ主催する全英オープンと全米オープンでは、26年から採用する予定とコメントしています。R&A傘下の日本ゴルフ協会も、日本オープンで採用する可能性があるでしょう。
残る2つのメジャー競技、マスターズと全米プロの主催団体からの反応はまだありませんが、PGAツアーは「われわれはさまざまな問題についてUSGA、およびR&Aと緊密な協力を続けていきますが、このテーマについては独自に広範な分析を続け、われわれのメンバーや業界のパートナーとも協力し、この提案を評価し、フィードバックを提供する予定です」として、独自のスタンスをとることを表明しています。
そのPGAツアーメンバーのジャスティン・トーマスは、このニュースが伝わるとすぐに反対の意見を述べています。彼は、以前から何かとUSGAと反目し合ってきましたが、今回はより辛辣です。
「正直なところ、がっかりしたけど、驚きはなかった。彼らは利己的で、長年にわたってゴルフの向上にならないことをたくさんやってきたから。このゲームの素晴らしいことの一つが、誰もが僕と同じボールでプレーできることだ。それなのに、USGAはそうならないようにしたがっている。それが、ゴルフにとってどう良いのか理解できない。もし、PGAツアーがこのローカルルールを採用しない場合は、われわれは全米オープンと全英オープンのためだけに、別のボールを使わなければならない。それのどこがゴルフにとって良いことなのか、説明してほしい。このローカルルールは、全ゴルファーの上位0.1%を基準につくられたに過ぎない」
PGAツアーがどんなスタンスをとるのかに注目
これまでもR&AとUSGAが、例えばドライバーのフェース面の反発係数の規制を強めるなど、新たな飛距離抑制策を打ち出すと、多くのPGAツアープレーヤーが用品メーカーとともに反対の声を挙げてきました。
そして、メディアには「bifurcation」(バイファケーション/分岐)という用語が取りざたされることに。
「bifurcation」とは、PGAツアーがR&AやUSGAが統括するルールとは異なる、独自のルールで競技を行うということ。例えば、野球のメジャーリーグは、同競技の国際組織である世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の正式メンバーではなく、異なる規則で競技を行っています。バスケットボールのNBAも、同じく国際組織の国際バスケットボール連盟(FIBA)とは異なるルールを設けています。アメリカのプロリーグは、基本的によりエンターテインメント性を追求し、規則を柔軟に変えてきました。
一方、ゴルフの場合、R&AとUSGAはメジャー競技の主催者でもあり、PGAツアーが両団体とは一線を画すルールでプレーした場合は、メジャータイトルを希求するプレーヤーには「不利」になってしまいます。
PGAツアーが今回のローカルルールに対し、果たしてどんな舵取りをするのか。大いに注目されるところです。
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