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- 下積みプロたちを勇気づける開幕ダッシュ! 前週V山内日菜子が2試合連続トップテン入り
国内女子ツアー・ヤマハレディースオープン葛城の最終ラウンド、前週優勝の山内日菜子が、2バーディー、1ボギーの71をマーク。通算5アンダーとし、単独9位で4日間を終えた。
グリーン奥を執拗に避けたマネジメント
◆国内女子プロゴルフ<ヤマハレディースオープン葛城 3月30日~4月2日 葛城ゴルフ倶楽部山名コース (静岡県) 6480ヤード・パー72>
昨年の岩井千怜のように、ツアー初優勝から2週連続で優勝するパターンも過去に3件あるが、普通はそううまくはいかない。むしろ予選通過すらできないパターンのほうが多い。その意味では、前週の「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」で史上最大の下剋上と呼ばれ、QTランキング181位からツアー初Vを飾った山内日菜子がどのようなゴルフを見せるのか、注目が集まった。
結果を言えば首位と4打差の単独9位でフィニッシュしたが、しっかりとトップテンに入ったことは評価するべきだろう。何しろ、今大会は風が吹くと一気に難易度が増すことで有名な葛城GCが開催コースなのだ。しかも、それまでは静かだった風が、最終日についに吹き荒れた。にもかかわらず、山内は2バーディー、1ボギーと逆にスコアを1つ伸ばしたのだ。
「今日は“無理をしない”ことをテーマにしていましたが、いいゴルフをできたと思います」と納得の表情を浮かべた山内。彼女が言う無理をしないとは、コースマネジメントのことで、グリーンの手前から攻めること。風を読み違えても、グリーンをショートする分にはリカバリーできるが、オーバーすると、ボギーで納まる確率は一気に低くなる。
「ボギーを打っても仕方ないけど、ダブルボギーだけは打たないように心がけました。結果的にボギー1つで済みましたが、ちょっとしたミスが大事故になりますからね」と山内。風で硬く、速くなったグリーンはもちろん、奥に外すことを徹底して警戒したが、最終日ほど風が強くなかった3日目、グリーン奥に外してダブルボギーを叩いていたからだ。
「最終日はスコアを落としてもそれを取り返せるホール数が少ないですからね」。転ばぬ先の杖ではないが、ダブルボギーを避け、ボギーを1つに抑えたことで、順位を上げることができた。
自分へのご褒美は高級スーツケース
4日間を振り返り、トップテンに入ったことに対しては、「めちゃくちゃうれしいです。17番パー3で3メートルのしびれるパーパットを入れた後、18番パー5ではしっかりと80センチのバーディーパットを沈めることができたのが良かったと思います」と、喜びをかみしめた。途中、スコアボードを見て自分の位置を確認。トップテン入りのためにはスコアを1つ伸ばさなければと思い、狙いどおりの試合展開を演じられたことがうれしかった。
これで今季は出場試合が2試合ながらすべてトップテン入りしたことになる。メルセデスランキングも6位となり、シンデレラストーリーは止まらない。実際、山内の活躍に刺激を受けたり、励まされているプロも少なくない。特に、JLPGAツアーとステップ・アップ・ツアーを行き来している選手や、毎年のようにQTに挑戦している選手から、「自分も山内のように頑張れば……」という声が聞こえてくる。
「そういった声をメディアなどで目にするとやっぱりうれしいですよね。頑張ってよかったなと思います」と山内。ちなみに、そんな自分にご褒美を考えているという。
「今使っているスーツケースはもう5年使っていて、結構ガタがきているので新しいものを買おうかなと。せっかくなのでいいものを買いたいと思います」
いろいろ調べた結果、20万円ほどのものが候補に挙がっているとのこと。最近の頑張りを考えれば、少しも贅沢ではないだろう。
山内 日菜子(やまうち・ひなこ)
1996年4月22日生まれ、宮崎県出身。2016年のプロテストに合格し、ツアー本格参戦は2019年から。23年シーズンはQTランキング181位と出場が限られる立場ながら、「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」で初優勝を遂げた。ライク所属。
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