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ケプカとミケルソンが2位、リードが4位 リブゴルフ勢の善戦は同ツアーの価値を証明したか?
ジョン・ラームの逆転優勝で幕を下ろした今年のマスターズ。一方、最終ラウンドを首位でスタートしたブルックス・ケプカをはじめ、リブゴルフ勢の活躍も目立った。この事実はリブゴルフのフォーマットやその金満リーグぶりが、選手をスポイルしないことの証明たり得たのだろうか。
ラームにもケプカにもミケルソンにも温かい声援を送ったパトロンたち
今年のマスターズは、開幕前からいくつかの注目ポイントが挙げられていた。
ローリー・マキロイが優勝して生涯グランドスラムが達成されるかどうか。昨年覇者のスコッティ・シェフラーの連覇が成るかどうか。松山英樹のマスターズ2勝目も大いに期待されていた。だが、残念ながら、それらはいずれも起こらなかった。
別のアングルから注目されていたポイントは、PGAツアー選手とリブゴルフ選手がともに戦う初めてのマスターズが「PGAツアー対リブゴルフ」の戦いになるのかどうか。そうなったら、果たしてどちらが勝つのか。
リブゴルフを率いるグレッグ・ノーマンCEOは「リブゴルフの選手が優勝したら、18番グリーンに全員集まってリブ・パーティーだ」と豪語していたが、「そんなパーティーが開かれたら、マスターズの厳粛なムードが台無しにされてしまう」と、試合が始まる前から懸念する声も方々から聞かれていた。だが、それも杞憂に終わった。
悪天候による不規則進行を経て、最終ラウンドは日曜日の午後から開始された。2位に2打差の単独首位で迎えたブルックス・ケプカが逃げ切り優勝を果たすのか、それともケプカとともに最終組で回るジョン・ラームが逆転勝利を収めるのか。
いざ蓋を開けてみれば、出だしからショットが乱れ、パットもなかなか沈められなかったケプカがボギーを重ねる一方で、ショットもパットも安定していたラームはバーディーを重ね、戦況はラーム逆転勝利の方向へ動いていった。
そこへ、7アンダー、65の快進撃を披露したフィル・ミケルソンがリーダーボードを駆け上がり、終わってみれば、スコアを3つ伸ばしたラームが通算12アンダーでマスターズ初制覇。
3オーバー、75を喫したケプカは通算8アンダーに終わり、ミケルソンとともに、リブゴルフ同士で2位タイ。やはりリブゴルフ選手でマスターズ覇者のパトリック・リードは1打差の通算7アンダー、4位タイに食い込んだ。
形としては、PGAツアー選手のラームとリブゴルフ選手のケプカやミケルソンが「対決した」と言えなくはない。
だが、サンデー・アフタヌーンの熱戦を「PGAツアー対リブゴルフ」だと思いながら眺めていたゴルフファンは、決して多くはなかったのではないだろうか。
オーガスタナショナルのパトロンたちは、ラームにもケプカにもミケルソンにも、誰に対してもフェアで温かい声援と拍手を送っていた。
テレビ観戦していた世界中の大勢のゴルフファンも、彼らの戦いはツアーとツアーの対決ではなく、「ラームとケプカ、ミケルソンの戦いだ」と感じていたのではないだろうか。
「トライした。全力を尽くした。今夜は熟睡できる」
開幕前、日頃から予選カットなしの3日間競技に慣れきっているリブゴルフ選手は、予選をクリアして決勝を戦う4日間72ホールの戦い方を「すっかり忘れてしまっている」と言われていた。
予選落ちがないリブゴルフなら、どんなに情けないプレーをしていても必ず最後まで戦うことができ、たとえ最下位でも高額賞金を持ち帰ることができる。「そんな場所に身を置くリブゴルフ選手は、すっかり怠惰になっている」とも見られていた。
しかし、リブゴルフに移籍したミケルソンが52歳にして2位タイに食い込み、マスターズ史上最年長のトップ5入りを成し遂げたことは、おそらく多くの方々にとって予想外の展開だったはずである。
ケプカは首位を独走していながら惜敗に終わったが、故障に泣かされ、スランプに陥ったこの2年超のどん底から這い上がり、再びリーダーボードの最上段で戦った意義は、彼にとって多大だ。
「トライした。全力を尽くした。今夜は熟睡できる」
その手ごたえと満足感が、ケプカの今後の糧になることは想像に難くない。
「リブゴルフ選手はビッグマネーのためだけにゴルフをしている」という世間の見方をケプカやミケルソンが見事に払拭し、「僕らだって戦える」ことを実証したことは紛れもない事実だ。
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