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- マークを拾って25秒以内で打つ! “1打の価値を変えない”ことが実力を発揮する秘訣
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、米女子ツアー「ロッテ選手権」で初優勝したグレース・キムです。
プレーのリズムが一定だったグレース・キム
4月12~15日の期間、ハワイ州のホアカレイCCでロッテ選手権が行われました。昨年は渋野日向子選手が単独2位フィニッシュした大会です。そんな渋野選手をはじめ、日本勢は8選手が出場。最上位は通算5アンダーで16位タイの畑岡奈紗選手でした。
優勝したのは、ツアールーキーのグレース・キム選手。通算12アンダーで並んだソン・ユジン選手、リュウ・ユー選手をプレーオフで下し、ツアー初勝利を挙げました。

今大会の上位選手を見てみると、多くの国と地域の選手が名を連ねていました。優勝したキム選手はオーストラリア出身、プレーオフを戦ったソン選手は韓国出身、リュウ選手は中国出身。4位タイは台湾のチェン・ペイユン、スウェーデンのリネア・ストーム選手。そして、6位タイは、タイのナッタクリッタ・ウォンタウィラップ選手、イギリスのジョージア・ホール選手、アメリカのローレン・ハートラージ選手です。
その後、11位タイはカナダ選手とアメリカ選手、13位タイはドイツ選手、フランス選手、韓国選手と続き、16位タイには、畑岡選手とフランスの選手が入っています。16位タイまでに、12の国と地域の選手がランクインしているんです。
少し前までは、韓国勢が強い印象があった米女子ツアーですが、今はどの国と地域の選手が活躍してもおかしくありません。そんな視点で見ると、5月4日に開幕する国別対抗戦「インターナショナルクラウン」は非常に楽しみです。ちなみに日本代表は、畑岡選手、渋野選手、古江彩佳選手、笹生優花選手の4選手。彼女たちの活躍にも期待したいですね。
さて、キム選手が優勝した「ロッテ選手権」ですが、印象に残っているのはキム選手のプレーのテンポの良さです。前述のように、キム選手にとっては初勝利がかかった中でのラウンドでしたが、正規の上がり3ホールもプレーオフも、プレーのリズムが常に一定。正規の18番とプレーオフのパットの時間を計ってみると、マークを取ってから始動までにかけた秒数は20~25秒でした。
プレッシャーを感じにくくするため同じルーティンを守る
優勝がかかった1打やベストスコアがかかった局面などは、ゴルファーなら誰でもプレッシャーを感じるもの。丁寧にいこうとしていつもより時間をかけると、過度にプレッシャーがかかってうまくいかなくなることがあります。
大事なシチュエーションでミスをしてしまう人は、“1打の価値”を変えずにショットに臨むといいでしょう。ベストスコアがかかった最終ホールの1打も、序盤のホールの1打も、同じ1ストローク。いつでも同じルーティン、同じ時間で始動すれば、必要以上のプレッシャーを感じにくくなるはずです。
グレース・キム
2000年生まれ、オーストラリア出身。韓国生まれの両親を持つプロゴルファー。アマチュア時代は、18年に「夏季ユースオリンピック」優勝、20年と21年に「ニューサウスウェールズ女子アマ」を連覇、21年に「オーストラリア女子アマ」で優勝するなど活躍。オーストラリアの女子ツアー、ALPGツアーでも優勝経験があり、22年は米女子下部ツアーのエプソンツアーで優勝。米女子ツアーは今季から参戦し、「ロッテ選手権」で同ツアー初勝利を飾った。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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